スペースマンの紹介:2024年アメリカ映画。地球から約5億kmの宇宙の彼方で単独任務についているヤクブ・プロハースカ船長。地球でヤコブは英雄のように扱われていますが、ただ1人、宇宙船の中で孤独な毎日を過ごしています。さらに追い打ちをかけるかのように、妻レンカとの連絡も途絶えてしまいます。すると、任務達成間近というところで、ヤクブの前に謎の生物が現われます。それをきっかけに、ヤクブは自分と向き合っていきます。
本作は、チェコ共和国出身のヤロスラフ・カルファシュが執筆したSF小説『Spaceman of Bohemia』を基に描かれています。
監督: ヨハン・レンク 出演: アダム・サンドラー(ヤクブ・プロハースカ)、キャリー・マリガン(レンカ)、ポール・ダノ(ハヌーシュ)、クナル・ネイヤー(ピーター)、イザベラ・ロッセリーニ(トゥマ長官)、ほか
映画「スペースマン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「スペースマン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「スペースマン」解説
この解説記事には映画「スペースマン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
スペースマンのネタバレあらすじ:起
ヤクブ・プロハースカ船長の単独飛行期間が189日目に到達したことを記念して、地球にてトゥマ長官が率いるオンライン発表会が行われます。ヤクブは地球から約5億kmの彼方で単独任務についています。彼は中継にて「チョプラ雲が目前にある」と説明をします。
4年前、地球の空に突如として現れた謎の雲の画像に世界中が魅了され、それはチョプラ雲と名付けられました。その雲の正体や起源はまだ不明。ヤクブは1週間以内に、チョプラ雲の粒子を採取して分析する予定です。その雲の中に入れば、宇宙の謎を解き明かせるかもしれないと人々は期待を寄せています。
ある少女から、「あなたは世界一孤独なのか」と聞かれ、「毎日いろんな人と話せるし、忙しいから孤独じゃないよ」とヤクブは笑顔で答えます。しかし中継が終わると、ヤクブから笑顔が消えます。
妻のレンカとしばらく連絡がとれていないうえ、任務の重圧からここ最近眠れていません。レンカはヤクブに別れを告げるビデオメッセージを送っており、任務に集中してほしかったトゥマ長官は、ヤクブからその真実を隠します。しかし、電話をしてもレンカは出なかったため、わずかにあった夫婦関係が崩壊していることに、ヤクブは薄々と感づいていました。
スペースマンのネタバレあらすじ:承
再度レンカに電話をかけると、謎の男が電話にでました。それと同時に、宇宙船の中に誰かがいる気配を感じます。ヤクブが船内の様子を伺うと、蜘蛛の様子をした謎の生物が現れます。パニックになったヤクブは、謎の生物の存在は明かさずに、すぐさま管制に消毒を要請します。しかし、その消毒でその生物は消えることなく、ヤクブに語りかけてきます。自分の頭がおかしくなったと思われたくなかったヤクブは、この生物のことを管制に報告することを控えます。
その生物は、宇宙から地球を観察し、人間の歴史を学びながら言語を習得したため、流暢にヤクブと会話を交わすことができます。そして、「私はお前と同じ探索者だ」と。宇宙をさまよっていると、この船を見つけ、さらにヤクブの孤独に興味が湧いたため、ここにやってきたとのこと。「きっと私はお前の助けになる」とその生物は言い、それに対してヤクブは、「助けはいらない」と彼を受け入れませんでした。
その生物に故郷はなく、これまで銀河やブラックホールを抜け、宇宙を彷徨っていました。彼によると、昔、チョプラ雲の粒に触れたことがあるそう。その経験から、知識があそこに集まっており、あれは“始まりの欠片”だと言います。その話を聞き、あの雲は宇宙の起源かもしれない可能性が高まりました。
ヤクブがその生物に名前を尋ねると、名前はないと。そこでヤクブはその生物をハヌーシュと名付けます。
ハヌーシュの特殊能力なのか、ヤクブは頻繁に妻レンカとの過去の情景が頭に浮かびます。ハヌーシュはなぜヤクブが孤独なのか、過去を探りながら質問を繰り返します。過去を思い出して、苦しむヤクブでしたが、次第にハヌーシュに心を開いていきます。
一方その頃、トゥマ長官がレンカに別れを考え直すよう説得しにやってきます。レンカは現在妊娠中で、ヤクブがそばにいないことでとても孤独を感じています。すでに、一人で出産する女性が集まる施設に入居も決めており、別れるという彼女の意志は変わりませんでした。
スペースマンのネタバレあらすじ:転
ヤクブは船内で光る小さな粒を目にします。ハヌーシュによると、それが“始まりの粒子”だと。ヤクブはその光の粒をケースに入れますが、その粒はいとも簡単にすり抜けてしまいます。この発見を管制室に報告しようとするヤクブでしたが、管制室に繋がらなくなってしまいます。次第に、光の粒子は増えていきます。「始まりが迫っている」とハヌーシュは言います。
ハヌーシュは、ヤクブとレンカの過去から現在の関係性を見ていくうちに、ヤクブが自分勝手に行動して必要な時だけ妻を求めていることに気づきます。そして、ヤクブ自身で孤独を招いたという考えにたどりつき、「お前の興味は尽きた」とハヌーシュは立ち去ろうとします。すかさずヤクブは、「お前が必要だ」と引き止めます。しかし、ハヌーシュは姿を消してしまいます。
管制室と通信ができるようになり、ヤクブはまず、レンカに会ってきてほしいと管制室にいるピーターに頼みます。ピーターはしぶしぶレンカの元へと向かい、彼女に無線を渡します。レンカはすぐに、その無線の先にはヤクブがいることに気づいたため拒みますが、ただ聞くだけでいいからと、ヤクブは話し始めます。
ヤクブはハヌーシュからこれまで自分勝手に行動し続けたことに気付かされ、その反省と謝罪をレンカにし、また一緒にいたいと、素直な気持ちを伝えます。
すると、「お前は浄化された」という言葉とともに、ハヌーシュが戻ってきます。ヤクブは喜びますが、ハヌーシュの様子がおかしいです。どうやら、彼の子孫や年長者を食べつくしたゴロムペッドから逃げたものの、手遅れで、ハヌーシュの“終わり”は近づいているとのこと。そんなハヌーシュをヤクブは抱擁し、それまで触れることに拒絶反応を示していたハヌーシュはそれを受け入れます。
スペースマンの結末
いよいよ“始まり”に突入します。地球からヤクブをたたえる声が上がる中、チョプラ雲に近づくにつれて通信が乱れます。それと同時にハヌーシュが苦しみはじめ、船内から姿を消します。船内では警報が鳴り響き、任務中止の命令が。しかし、ヤクブはそれよりハヌーシュのことが心配です。宇宙を見ると、ハヌーシュの姿が。ヤクブはすぐさまハヌーシュの元へ向かうために、宇宙船を飛び出します。ハヌーシュの“終わり”は目前に迫っています。
チョプラ雲の中でヤクブは不思議な感覚になり、子どもの頃に川で溺れた感覚に似ていると懐かしみます。
するとハヌーシュは、宇宙のすべてが見えるところへとヤクブを案内します。ここは“始まり”であり、“終わり”でもある。あらゆる時間の振動がすべてここにつまっています。それこそが宇宙の真理であると、ハヌーシュは説明します。
ヤクブは、ここは素晴らしいと感じる一方で、何かが足りないと気づきます。それは、レンカがいないことでした。
そして、ハヌーシュは“終わり”を迎えます。チョプラ雲の中にただ1人、ヤクブが取り残されます。
一方その頃、レンカのもとに、チョプラ雲の粒子が1粒彷徨っています。レンカはその時、ヤクブを感じ、ヤクブもまたレンカを感じます。
その後、ヤクブは他の宇宙船に無事救助され、すぐさま宇宙からレンカに連絡を取ります。レンカはそんなヤクブを受け入れるのでした。
以上、映画「スペースマン」のあらすじと結末でした。
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