おもちゃ 虐げられる女たちの紹介:2013年韓国映画。女優のチョン・ジヒの死が、性接待を苦にした自殺だという証拠が出て、韓国新聞社の大物ヒョン会長が被告人となります。ヒョン会長を有罪にすべくフリーのイ記者と、女性検事ミヒョンが立ち上がりますが、ヒョン会長は、裁判長や判事までも買収し裁判に勝とうと画策します。実際に起った事件を題材に、韓国芸能界ではびこる枕営業の実態を描いた問題作です。
監督:チェ・スンホ 出演者:マ・ドンソク(イ・ジャンホ)、イ・スンヨン(キム・ミヒョン)、ミン・ジヒョン(チョン・ジヒ)、イ・ドゥア(コ・ダリヨン)、キ・ジュボン(ヒョン・ソンホン)ほか
映画「おもちゃ 虐げられる女たち」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「おもちゃ 虐げられる女たち」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「おもちゃ 虐げられる女たち」解説
この解説記事には映画「おもちゃ 虐げられる女たち」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
おもちゃ 虐げられる女たちのネタバレあらすじ:起
女優のチョン・ジヒが自殺したとニュースで流れます。ジヒは性接待、いわゆる枕営業の実態をSNSに流し、すべては手帳に記してあると残していました。ジヒの事務所の社長チャ、映画監督チェ、そして超大物の韓国新聞の会長ヒョンの名前が出されています。女性検事キム・ミヒョンはこの3人の被告を有罪にすべく立ち上がります。
一方被告人の弁護士には、判事でミヒョンの叔父のユンがつきます。裁判長も二人の身内で、裁判の前に3人が顔を合わせます。ユンはミヒョンに「ヒョン会長の事は伏せていろ」と忠告します。聞いたミヒョンは「証拠もそろっているのに何故?」と言い、ユンの話には乗りません。ユンは「裁判はおれ達でどうにでもなるんだ、証拠があろうが無かろうが関係ない」とヒョン会長を無罪にする腹づもりです。
フリーの記者イ・スンヨンにジヒの自殺の資料が送られてきます。イは甥のジンテを連れ動きはじめます。始まった裁判では、順番に証人が出てきます。チェ監督が、バーでジヒの胸を揉んだり股間に手を入れたりしていたことが話されます。しかし証人は、核心に触れようとすると「ジヒもまんざらでもないような表情だった」と強制ではなく、合意の上のような話にしてしまいます。
おもちゃ 虐げられる女たちのネタバレあらすじ:承
ミヒョンはヒョン会長が被告人として出廷しない事、チョの事務所のトップスターのダリヨンが証人として出廷しないことにいらだちをおぼえていました。
ジヒのスタイリストが証人として呼ばれます。チェ監督の撮影現場に来たジヒに、助監督が「今日は急きょ変更してレイプシーンを撮る」と言い出します。マネージャーのジフンが「話が違う」と食い下がりますが、チェ監督が出てきて「黙ってろ、チャに電話する」と言って納得させ、ジヒを全裸にしレイプシーンの撮影が始まります。泣きながら抵抗するシーンですが、ジヒは本当に泣いていました。そしてミヒョンが核心に触れる質問をすると、スタイリストは適当な答えをし決して真実を語りませんでした。
傍聴していたイは、マネージャーのジフンに会います。ジフンは「レイプシーンの撮影が終わった夜、ジヒは睡眠薬を飲んで自殺しようとした。それを見つけた僕が吐かせた」と話します。
イは次にジヒの兄で、飲食店を経営するジンソクに会いに行きます。ジンソクは「ジヒの自殺以来、取材陣が連日訪れ店はパニックになった。そして自殺したジヒの兄の店と噂され、店を閉めた。自殺する数日前、母の法要に帰ってきたジヒは、女優を辞めたいと言っていた」と言います。そしてジンソクは「ジヒの自殺の真相がわかったら、君が記事を書いてくれ」と頼みます。
おもちゃ 虐げられる女たちのネタバレあらすじ:転
ジフンが証人として立ち裁判は続き、ヒョン会長への性接待の局面に迫ります。ヒョン会長の待つ部屋に、チャ社長がジヒを連れていきます。ジヒはうつむき辛そうにしています。そこへトップスターのダリヨンがやってくるのですが、ダリヨンは証人として出廷してこないため話が終わります。
ジフンはジヒがチャ社長に「こんなことまでさせておいて、主役が来ないんだったら辞める」と迫っていたことをイに話します。聞いたイは、ミヒョン検事に会い、「犯罪を立証するために一緒にやろう」と言いますが、ミヒョンは乗って来ませんでした。
イは同じように性接待を強要されたと言う噂の元女優に会います。元女優は「すぐスターになれると思って入ったけれど、役は回ってこなかった、やがて頭を下げ酒を一緒に飲み、体を捧げないとダメな事がわかった」と話します。
そんなイには心残りがあったのでした。ジヒが自殺する前、フィリピンの家族の元にいたイに電話をし「すべてを話したい」と言っていたのでした。イが「韓国へ帰ってから聞く」と言い、しばらくして帰ると自殺していたのでした。
ミヒョンの粘り強い説得でダリヨンが証人として出廷します。チャ社長を退席させると、ダリヨンが話しはじめます。「チャ社長に呼ばれ入っていくとヒョン会長とジヒがいました。ひきつった顔のジヒが、突然ヒョン会長に自己紹介しヒョン会長はジヒを連れ別の部屋に入ったのです。その部屋ではヒョン会長がジヒを縛り上げレイプしていました」と言ったのです。
おもちゃ 虐げられる女たちの結末
ジヒの死体を発見したジフンは手帳を見つけていました。ジフンはその手帳をイに渡します。イはスクープとして自分の番組で発表します。ヒョン会長はユンを呼びつけ怒りをぶちまけます。ユンは「大金をもらった以上、私に任せてください」と言います。
ユンはミヒョンと裁判長を呼び、ミヒョンに「お前は昔レイプされたことがあるだろう。全部知っているんだ」と言って脅します。ミヒョンは「暴露してもいい、裁判で被告全員を有罪にする」と言い返します。
裁判が始まると、裁判長がピリピリしていて、騒ぐ傍聴者らを次々退席させます。ダリヨンを安全確保の為、海外に逃がしたミヒョンは証拠写真をだし、ヒョン会長に迫りますが、「知らない」としか言いません。次々証拠を出そうとすると裁判長が止めます。
ミヒョンは最後の手段として手帳を証拠品として出し、手帳の内容を取りこんだパソコンの画像をモニターに映し出します。チャ社長、チェ監督、ヒョン会長か関係した、ジヒへの性接待の強要の様子が全て書かれています。傍聴席の人々が騒ぎはじめます。収拾がつかなくなった裁判長が閉廷を宣言します。
市民たちが性接待のヒョン会長らを名指しで非難し街頭で抗議し、SNSでは非難の嵐が拡散します。しばらくして、裁判が行われ、チャ社長とチェ監督は懲役1年、執行猶予2年。ヒョン会長は無罪が言い渡されます。イもミヒョンも巨大な権力の壁を崩すことはできませんでした。
以上、映画「おもちゃ 虐げられる女たち」のあらすじと結末でした。
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