スニーカーズの紹介:1992年アメリカ映画。ハッカーのマーティンは過去、FBIに追われ、友人を見捨てて逃げる。現在、企業のセキュリティーチェックを生業にしていた彼に、その過去を盾にある機密を盗みだせという依頼が舞い込むが、それは国家的陰謀へと発展し、彼とその仲間達を追い詰めていく。現在で言うサイバー犯罪を扱ったクライムサスペンス映画の先駆け的作品。
監督:フィル・アルデン・ロビンソン 出演:マーティン・ビショップ(ロバート・レッドフォード)、ドナルド・クリース(シドニー・ポワチエ)、ダリル・“マザー”・ロスコー(ダン・エイクロイド)、アーウィン・“ホイッスラー”・エメリー(デヴィッド・ストラザーン)、カール・アボガスト(リヴァー・フェニックス)、リズ(メアリー・マクドネル)、コズモ(ベン・キングズレー)、バーナード・アボット(ジェームズ・アール・ジョーンズ)
映画「スニーカーズ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「スニーカーズ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「スニーカーズ」解説
この解説記事には映画「スニーカーズ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
スニーカーズのネタバレあらすじ:序幕
ベトナム戦争の最中、大雪の降る日、アメリカの大学で二人の学生がパソコンを前に銀行預金の送金を行って居ます。彼等は銀行のコンピューターをハッキングして、政党や政治家の口座から勝手に反戦団体等に金を移し、自称世直しをしていました。その内二人は、ピザの買い出しをどちらかするかで賭けをします。その一人マーティンは、相棒のコズモのいかさまに気付かず賭けに負けて、外に出て行きます。その時FBIが大学にやってきてコズモを逮捕しました。それを外から見ていたマーティンは、そのまま彼を見捨てて逃げ出してしまいした。
スニーカーズのネタバレあらすじ:第1幕
二十数年の月日が経ちマーティンは、バンの中で仲間と共に銀行への侵入をもくろんでいました。警備システム乗っ取り、混乱させ、警備員を騙し、彼等は侵入します。そして銀行の端末で直接口座のデータをいじり、まんまと大金を手に入れました。その結果に銀行役員達は頭を抱えて、マーティンから簡単は報告を受けていました。これは、敢えて警備システムを破り、そのシステムの問題点をあぶり出す、侵入調査と呼ばれる彼等スニーカーズ流のチェック方法でした。逃亡生活続けたマーティンは、ブライスからビショップと名前を変えて、現在このような生業をし、生計を立てていました。それを何者かが監視していました。一仕事終えた彼等にに新たな依頼人がやってきます。彼らは国家機関NSAを名乗り、マーティン以外のメンバーが何かしら問題、前科等を持っている事実を把握した上で、ロシアが関わっているらしき、ある数学研究者の研究成果を盗み出して来て欲しいと依頼します。一度は断ろうとしたマーティンですが、実はマーティンの素性と過去も掴んでいる彼らの脅迫まがいの依頼に屈し、結局は引き受けることになりました。過去を隠していたマーティンに怒りつつも、仲間達は多額の報酬を目当てに仕事に掛かります。偵察を始めたマーティンは数学に詳しい元恋人のリズを伴い、その研究者の講義に出席します。リズの解説でその講義の趣旨が、暗号解読の万能数式を説明している事を知り、マーティンは俄然やる気を起こします。講義には昔馴染みの元KGB、現ロシア文化武官も来ていて、ロシアの援助が感じられました。マーティンは、仲間と共にその研究者を監視し、研究成果の在り処を探ります。最初、彼のパソコンにプログラムとして隠されていると考えたマーティン達ですが、盲目のホイッスラーが研究者の会話をヒントにそれは既に形になっていて、それが研究成果のブラックボックス、黒い箱は、留守番電話の機械だと気付きます。マーティンは仲間達と共に研究室に侵入して、見事な連携の末、その箱を盗み出す事に成功しました。
スニーカーズのネタバレあらすじ:第2幕
彼等は大仕事を終え、リズを招いて祝杯を上げ、報酬の使い道を語り合います。その内ホイッスラー等がその箱に仕込まれていたコンピュータチップがいかなるものかを調べ始めます。スクラブルを興じていたマーティンも研究者が何を作っていたか、その計画名のアナグラムを解き、そして彼らは、それがコンピューターを守る暗号を解読する万能キーだという事に気付きました。その箱の重要性に気付いた彼らの祝賀気分は一気に吹っ飛び、得も知れ無い不安から身を守る為事務所で一夜を明かします。翌日マーティンは、クリースを護衛に箱の引渡しを行います。引渡し自体はマーティンだけで行い、クリースは車で待っていましたが、ふと目にした新聞記事で例の研究者の部屋が放火され焼死た事を知り、彼は報酬も受け取らずマーティンを連れ逃げ出しました。マーティンはNSAを名乗った彼らの事務所に向かいましたが、事務所が入っていたビルは解体されている所でした。マーティンは、ロシア文化武官に会いに行きます。そこで研究者はアメリカの依頼で仕事をしていた事を聞かされます。車で移動しながら文化武官が見せる資料の中に、NSAを名乗った男が居ました。その瞬間、文化武官の顔色が変わり、彼に逃げる事を薦めます。その時、車がFBIを名乗る男に止められました。FBIはマーティンに車を降りるよう促します。文化武官が止めるのも構わずマーティンは車を降りました。FBIは手袋を持った手でマーティンが持っていた銃を取り上げると、車の中の文化武官を撃ち、走って逃げ始めた運転手も撃ち殺しました。そこにNSAを名乗った男がやってきて、殴ってマーティンを気絶させました。車のトランクに押し込められたマーティンですが、途中で気がつきます。車は何処かで停車すると、確認に来た男がまたも殴って彼を気絶させます。再び気がついたマーティンは何処かのソファーの上で寝ていました。そこに、同じ年頃の男が親しげに近付いてきます。彼は昔見た事のある他愛ない賭けの時と同じ仕草を見せます。マーティンは、彼がかつて見捨てた相棒であるコズモだと気付きます。マーティンは彼が獄中で死んだと知らされていましたが、コズモのそれは偽装で、彼は獄中知り合ったある犯罪組織のボスに見入られ闇社会を生きていました。コズモが箱を盗ませた理由は、独自に暗号化している自分のコンピューターシステムを守る為でもありました。そうではないだろうと思っているマーティンに、コズモはもう一度組んで世直しを再開しようと誘いました。しかしマーティンは鼻で笑います。コズモは箱でFBIのコンピューターにハッキングし、マーティンの古い記録を読み出します。コズモはマーティンの記録を今の名前に改ざんし、また男に気絶させます。どこか路上に放り出されたマーティンは、リズを頼ります。文化武官殺害に数学者の容疑も掛かっている彼は、リズを通し仲間を集めて反撃の糸口を探します。
スニーカーズのネタバレあらすじ:第3幕
リズの部屋に様々な機材を集めたマーティン達は、本物のNSAと交渉する事から始めました。逆探知を誤魔化す細工と簡易的嘘発見器を用意し、電話を掛けます。箱はNASの依頼で、今もって居る人物の情報と引き換えに身の安全を保障させようとしますが、それをして貰えそうに無いので逆探知成功寸前で電話を切ります。やはり箱その物がなければ取引は難しいと判断した一同は、箱を取り戻す方針を立てました。コズモのアジトは、ホイッスラーの提案でマーティンがトランクの中で聞いてた音を辿り、玩具会社を隠れ蓑にしている事が判りました。マーティン達は調査し、コズモの部屋に施されているセキュリティー対策も行います。リズの協力を得て、コズモが使っている部屋の隣を使用している男から、カードキー、音声パスワードを作り、すり替える同型の留守番電話器も用意し全ての準備が整った所で、彼らは玩具会社に潜り込みました。出来るだけ問題が起きないように、リズは隣室の男を偽装デートで引き付けましたが、ちょっとした事から彼女の素性がばれて、産業スパイ行為を怪しんだ男に会社まで引っ張られてきます。警備員を呼び、自分の仕事で何か盗まれていないか確認します。その騒ぎを聞き付けコズモがやってきます。元々狙いが彼ではないので産業スパイの痕跡はありませんでした。無罪放免でリズは開放される筈でしたが、リズの不用意な一言でコズモはマーティンの影を感じ、自分の部屋で箱を調べます。そしてすり替える余裕のなかったマーティンが盗み出した事が露見し、会社内に厳戒態勢が敷かれます。マーティン達は逃げ始めますがリズを人質にされ、結局マーティンはコズモの前に引きずり出されます。箱を渡すようにコズモに促され、マーティンはそれを手渡します。これで命の保障はされる約束でしたが、流石のコズモも立場的に看過出来ず、部下に二人を撃ち殺すよう命じます。コズモの部下が銃を向けた時、マーティンは合図を送ります。その合図で天井に潜んでいた仲間のカールが天井を破って飛び降り、部下を取り押さえます。マーティンは彼らを殴り倒し、箱を取り返して逃げ出します。屋上まで逃げて、マーティンは外で待機していた仲間を呼びます。しかし、バンが障害物を跳ね飛ばし迎えに来ました。リズとカールを先に行かせると、そこにコズモが銃口を向けて現れます。コズモはもう一度マーティンに世界を変えようと誘います。しかしマーティンは、もう大人になったと言わんばかりに断り、解読器をコズモに返し、去って行きました。コスモはマーティンを撃てずに行かせ、箱を確認します。するとそれは、箱の偽物でした。コズモは呆然と立ち尽くします。
スニーカーズの結末
無事スニーカーズの事務所に戻った面々ですが、そこにNSAの一団が待ち構えていました。マーティンはNSAに自分の犯歴等を抹消する事を条件で取引を申し出ます。NSAは仕方がなく取引を受け入れます。NSAは箱を引き取り、引き上げようとしますが、他の面々はそうは行きません。彼等は次から次へと自分達が最初の報酬でやろうとしていた事を要求します。NSAはそれを渋々受け入れ、または驚きと苛立ちと共に要求品を手渡し、そして可能な限り努力する事を約束しました。全ての取引が済んだ所でマーティンは箱を手渡します。但し役に立たないと付け加えました。NSAは、事件がなかった事にするのが目的だと言って去って行きました。NSAが去った所でリズがマーティンに、NSAが良からぬ事に使うかもと言います。マーティンは抜いた箱の心臓部を見せ、これがなければ動かせないと笑みを浮かべました。その数日後、アメリカの政党一つが破産宣告したと報道されます。その一方で、幾つかの慈善団体に莫大な寄付があったという報道も流れました。
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