アリスの紹介:1988年スイス映画。『不思議の国のアリス』を独特の解釈で陰気かつグロテスクな物語に仕上げた怪作。全編に渡り実写とストップモーション・アニメーションが組み合わされ、アリス以外の登場人物には人形やカードが使用されている。ナレーションと全台詞はアリス役のクリスティーナ・コホウトヴァーが担当。アヌシー国際アニメーション映画祭で長編部門グランプリに輝いた。
監督:ヤン・シュヴァンクマイエル 出演者:クリスティーナ・コホウトヴァー(アリス)ほか
映画「アリス」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「アリス」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「アリス」解説
この解説記事には映画「アリス」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
アリスのネタバレあらすじ:不思議の国へ
不気味な人形、虫の標本、食べかけのクッキー。散らかり放題の部屋の中、幼いアリスはティーカップに石を投げ入れ1人で遊んでいました。するとガラスケースに入っていたウサギの剥製が突然動き始めます。ウサギはケースの底から引き出しを取り上げ、入っていた衣装を着込んでハサミでガラスを破壊。体内から懐中時計を取り出し「遅刻する!」と荒野へ走って行きます。荒野には机がぽつんと置いてあり、ウサギは引き出しに飛び込んで姿を消しました。追いかけたアリスは引き出しを無理やり開け、体を深く突っ込んで四つん這いで進みます。しばらく行くと広い通路が現れ、おがくずを食べるウサギを発見しますが話しかけると逃げられてしまいました。追いかけようとしたアリスはバケツに尻餅をつき、底が抜けて暗い木製エレベーターに落ち、更に床が抜けて落ち葉の山の上に転がりました。落ち葉は隠れていた机の引き出しに全て吸い込まれていきます。引き出しを強引に開けると中には細い鍵がありました。部屋には小さなドアがあります。アリスは引き出しから出てくるインクを飲んで小さな人形になったり、クッキーを食べて天井に頭がつくほど大きくなったりします。アリスが泣き出すと部屋が涙でいっぱいになり、ボートを漕ぐウサギが現れハサミとクッキーを落として行きました。クッキーを食べて小さくなったアリスはドアの向こうへ進みます。
アリスのネタバレあらすじ:ウサギの家
涙はそのまま小川に変わり、アリスは何とか岸に這い上がります。ウサギから新しいハサミを取って来るよう命令されたアリスは、ウサギが風景に開けた破れ目から部屋の中に入ります。そこには積み木で作ったウサギの家がありました。ところがアリスは家の中で見つけたインクを飲み、元の大きさに戻ってしまいます。なかなか戻って来ないアリスに、ウサギは時計を確認し「完全に遅刻だ」と腹を立てます。ウサギが笛を吹くと鳥や動物の骨達が集まって来ました。煙突から侵入を試みたトカゲのビルをアリスが思い切り蹴ると、ビルは吹っ飛びおがくずを撒き散らしてぐったりします。怒ったウサギが放り投げた小石がクッキーに変わり、アリスは1口食べて小さくなりそっと家を抜け出します。しかしウサギ達に見つかり追い詰められ、白い液体の中に落ちてしまいました。するとアリスは人形の姿のまま巨大化し、その上固まってしまいます。部屋に閉じ込められたアリスは人形の型を破って脱出します。
アリスのネタバレあらすじ:イモ虫の助言
しばらく歩くとドアの前に靴が並んでいる部屋を見つけました。靴を脱いで入ってみると、そこには床を食い荒らす靴下のイモ虫達がいました。アリスが机の引き出しをこじ開けると中には目玉と入れ歯が入っていて、それを飲み込んだイモ虫に目と歯が生えアリスに話しかけます。イモ虫は机の上に投げた木製のキノコについて「片側を食べると大きくなり片側は小さくなる」と説明します。アリスがハサミでキノコの両端を切り取り部屋を去ろうとすると、引き出しが開いてウサギが現れ、ハサミを掴んでまた引き出しに潜りました。部屋を出て靴を履くと、どこからか赤ん坊の泣き声が聞こえます。窓の向こうで小さな家が暴れ回っていました。アリスがキノコを齧って家を大きくし、ドアを開けて覗き込むとウサギが赤ん坊の世話をしています。アリスに気づいたウサギは赤ん坊を放り投げました。アリスがキャッチすると赤ん坊は子豚に変わります。
アリスのネタバレあらすじ:首切り女王
子豚を追いかけたアリスは帽子屋と三月ウサギのお茶会に紛れ込みました。帽子屋が紅茶を飲むと空っぽの体からびちゃびちゃと紅茶が流れ、三月ウサギは懐中時計を取り出してはバターを塗りたくり帽子屋の体にくっつけます。アリスが廊下に出て部屋を覗くと、帽子屋が帽子の中からウサギを取り出していました。ウサギは首を切られると言って大慌てで廊下の先へ走って行きます。ウサギを追って入った部屋には、たくさんの洗濯物が干されていました。洗濯物をかき分けて進むと、トランプカードから抜け出したジャック2人が戦っています。そこへハートの女王が現れ、「首をチョン切って!」と叫びます。するとウサギがハサミでジャック2人の首を切り落としてしまいました。女王はアリスをクローケーに誘いますが、ゲームの最中も首をはねろと命じ、ウサギがトランプ達の首を切り落としていきます。今度は本を手渡して去っていくウサギ。追いかけたアリスが部屋に入ると、王と女王、そして動物の骨達が揃って座っていました。
アリスの結末:裁判
「被告人は前へ」と王が命令します。アリスは証言台に立たされました。「なぜクッキーを食べた」と問われ、アリスは少ししか食べていないと反論します。王はアリスに刑罰を受けるよう迫ります。怒ったアリスが机のクッキーを食べ始めると、王と女王が首をはねろと叫びます。動物の骨達は騒ぎ出し、ウサギはハサミを構えます。アリスが首を横に振ると首が次々違う登場人物のものに変わり、気がつくとアリスは元の部屋に戻っていました。アリスはウサギのいないガラスケースに近づき、底から引き出しを引っ張り出します。中には大きなハサミが入っていました。アリスは「いつも遅刻だわ。首をチョン切らなきゃ」と考えました。アリスの冒険と共にこの物語も終幕を迎えます。
以上、映画アリスのあらすじと結末でした。
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