深夜の告白の紹介:1944年アメリカ映画。名匠ビリー・ワイルダーが不倫の果ての生命保険金殺人を描くサスペンス。ジェームズ・M・ケインの原作をワイルダーとハードボイルド作家レイモンド・チャンドラーが共同で脚色している。
監督:ビリー・ワイルダー 出演:ウォルター・ネフ(フレッド・マクマレイ)、フィリス・ディートリクスン(バーバラ・スタンウィック)ほか
映画「深夜の告白」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「深夜の告白」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「深夜の告白」解説
この解説記事には映画「深夜の告白」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
深夜の告白のネタバレあらすじ1
ある深夜、保険外交員のウォルター・ネフは自らのオフィスのあるビルに車で乗り付け、同僚で友人でもあるキーズの部屋の録音機を使って一人語りを始めます。それは自動車保険の更新のため、ある顧客の家を訪れたところからです。
その家の主ディートリクスンには、フィリスという後妻がいました。フィリスから死亡保険の詳細を聞かれたネフは、どうやら彼女は夫を殺すつもりらしいと判断します。
深夜の告白のネタバレあらすじ2
協力を持ちかけられるものの、最初は拒否するネフ。しかし、フィリスが自分の部屋に現れて性的な魅力で誘惑してくると、ネフは陥落してしまい、夫殺しに加担することに同意します。ネフは職業柄保険の特徴をよく知っており、倍額保険金を狙って計画を練ります。
フィリスは、足の骨を折ったディートリクスンを無理やり説得、うまく大学の同窓会のため列車で向かわせることに成功します。ディートリクスンを駅まで送るフィリスの運転する車には、ディートリクスンと同じ扮装をしたネフが忍び込んでおり、クラクションの合図とともにディートリクスンは殺害されます。
深夜の告白のネタバレあらすじ3
ネフは松葉杖をつきながらディートリクスンを装って列車に乗り込みます。ネフは展望車に乗り合わせた男がいなくなった隙をついて列車の最後尾から飛び降り、フィリスと共にディートリクスンの死体を線路に運び、松葉杖を置いて立ち去ります。なりすましによるアリバイ工作を行うという手口でした。
思惑通り、ディートリクスンの死は事故死として処理されかけます。しかし、ネフの同僚の調査員キーズが列車から落ちるという死の手段に疑問を抱きます。それに足を折ったことでも保険の請求がないのが不審で、おそらく妻が勝手に保険をかけたのでは、とフィリスを疑い始めるのです。
不安にかられるフィリスはネフの部屋にまで相談に訪れますが、そこへキーズが来るという危ない機会もありました。
深夜の告白の結末
キーズはやがて、フィリスには共犯者がおり、二人が共謀してディートリクスンを殺したのだと推理しますが、それを証明することはできません。
ネフが困惑しているところへ今度はディートリクスンと前妻の子ローラがやって来て、フィリスが父を殺したに違いない、と告げます。ローラによれば、自分の母を殺したのも当時看護人だったフィリスだというのです。
さらに、フィリスが自分を殺そうとしていることを知ったネフは彼女と会い、フィリスが取り出した拳銃を奪って殺します。しかし、その前に自分も撃たれていました。傷に耐えながら、ネフはオフィスに来たのです。
長い告白が終わると、そばにはキーズが立っていました。どうやらネフは生きたまま逮捕されることになるようです。
以上、映画「深夜の告白」のあらすじと結末でした。
この「深夜の告白」は、なかなか凝った構成のサスペンス映画だ。
「郵便配達は二度ベルを鳴らす」のジェームズ・M・ケインの原作を、名匠ビリー・ワイルダー監督とハードボイルド小説作家のレイモンド・チャンドラーが脚色している。
フレッド・マクマレーが演じる保険勧誘員のウォルターと、バーバラ・スタンウィックが演じる人妻のフィリスが組んだ、保険金殺人の映画だ。
深夜の保険会社のオフィスで、ウォルターは、テープレコーダーに向かって、事件の顛末を吹き込むのだった。
エドワード・G・ロビンソンが演じる上司のキースに、報告するわけだが、ウォルターは肩に傷を負っており、どう話が展開するのか、気を持たせる導入部がうまいし、当時はテープレコーダーも珍しいもので、とても洒落ている。
バーバラ・スタンウィックは、お色気で迫る悪女役が、とても似合っていて、謎解きよりも、完全犯罪の成否を、観る者にハラハラさせながら、見せていく語り口が、さすがビリー・ワイルダー監督、とてもうまいと思う。