ファッションが教えてくれることの紹介:2009年アメリカ映画。美しい構図の写真、まるで蝶の様に彩られたモデル達とは裏腹に、地道な作業が必要とされるファッション業界のオモテとウラを見事に切り取ったドキュメンタリー映画です。
監督:R・J・カトラー 音楽:クレイグ・リッチー 出演:アナ・ウィンター
映画「ファッションが教えてくれること」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ファッションが教えてくれること」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ファッションが教えてくれること」解説
この解説記事には映画「ファッションが教えてくれること」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ファッションが教えてくれることのネタバレあらすじ:起
840ページ、総重量5ポンド(約2kg)これまでに出版された雑誌の中でも最大のサイズになった2007年9月号の「ヴォーグ」が制作される過程を収めたドキュメンタリー映画。映画「プラダを着た悪魔」のヒットにより有名になった、アメリカ人女性の10人の内の1人は読むとされているヴォーグの編集長アナ・ウィンターの9月号締め切り5ヶ月前から話は始まります。
ファッションが教えてくれることのネタバレあらすじ:承
準備に向けて混乱するヴォーグ社内にてスタイリストが選んだコーディネイトを却下する厳しい女性が‥彼女こそファッション界全体に影響力のあるヴォーグ編集長アナ・ウィンターだった。プロ中のプロの仕事に対して厳しくダメ出しし、社内にて不満が出ていたとしても自分の信念に従って決断していく強い上司として9月に向けて準備が進められていました。
ファッションが教えてくれることのネタバレあらすじ:転
細かなスケジュールを縫って、ランスルーよりアナに認められたブランドのコレクションは9月号のページとしてホワイトスクリーンに貼られてゆきます。特集記事の制作を依頼されているアナの旧知の同僚グレイスは現代の輝度の高い、硬い印象の写真ではなく、柔らかいクラシックなタッチのスナップを制作しますが、アナの感性に合わず却下。グレイスは昔からアナと仕事をする中で彼女がわからなくなる時があるとアナに対しての不満を漏らしつつ、この世界でやっていくためには常に前を向いて仕事をこなして行かなければならないと葛藤する。徐々に埋められるホワイトスクリーン、とうとう雑誌の顔とも言える表紙の撮影に入る。
ファッションが教えてくれることのネタバレあらすじ:結
今世界中のトレンドとなっているセレブの顔とも言えるシエナを表紙に据えることを決めていたアナはイタリアの写真家マリオに仕事を依頼する為イタリアに飛んだ。コロッセオをバックに撮る案、マリオからの提案などを確り話し合っていたのだが、完成品として送られてきた枚数は少なく、予定していたコロッセオでの撮影もキャンセルされており、どれも表紙には使えないというトラブルが発生する。この時締め切りまで10日を切っていた。そんな窮地を救ったのは旧知の同僚グレイスでした。締め切り一週間前にもかかわらずグレイスは完璧に近い写真をディレクションします。長年共に仕事をし、お互いの力量に信頼があるからこその間際の方向転換。結果的に歴史に残る一冊の雑誌が完成しました。その後の完成披露パーティーをこなしたアナは早くも次の号の特集に着手するのでした‥
「ファッションが教えてくれること」感想・レビュー
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「美しさが欠乏している」、「ジャケットは新しいコート」など、ファッション好きな人にはたまらないセリフが沢山。しかし、2人の主人公、アーティストとキュレーターにフォーカスが定まっていくにつれ、映画はより本質的になっていきます。
謎のベールに包まれた、アナ・ウィンターを中心とするヴォーグのめまぐるしい日々を鮮やかに描いた作品です。いやはやしかし、アナの多忙さ、孤独さ、そして冷徹なまでの決断力には舌を巻く他ありません。長い付き合いの友人でもある部下の提案でもバッサリ却下。誰に何を言われようとも我が道をゆくまさにクイーンですが、実の娘に向けるまなざしは柔らかく、意外な素顔を垣間見た思いです。引退が近いとささやかれて久しいですが、一体誰が彼女の後任を務められるのか…