この愛のために撃ての紹介:2010年フランス映画。妻を誘拐された男性が巨大な悪に立ち向かう姿を描いたサスペンス作品。看護助手のサミュエルは、妊娠中の妻ナディアと共に幸せな日々を送っていた。ところがある日、正体不明の男によってナディアが誘拐されてしまう。解放の条件として誘拐犯が要求したのは、サミュエルが勤める病院の入院患者サルテを外に連れ出すことだった。最愛の妻のため、すぐに行動を起こしたサミュエル。ところがサルテはある殺人事件の容疑者であり、サミュエルは共犯者として警察に追われる羽目になってしまう。
監督:フレッド・カヴァイエ 出演者:ジル・ルルーシュ(サミュエル)、アレナ・アナヤ(ナディア)、ロシュディ・ゼム(サルテ)、ジェラール・ランヴァン(ヴェルネール)、ミレーユ・ペリエ(ファーブル)ほか
映画「この愛のために撃て」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「この愛のために撃て」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
この愛のために撃ての予告編 動画
映画「この愛のために撃て」解説
この解説記事には映画「この愛のために撃て」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
この愛のために撃てのネタバレあらすじ:謎の患者と誘拐事件
舞台は現代フランス、パリ。看護助手として総合病院に勤めるサミュエルは、妻ナディアと共に慎ましくも幸せな毎日を送っていました。ナディアは出産を間近に控えており、サミュエルも気が抜けない日々です。
そんなある日、病院にバイクで撥ねられたという男性が意識不明の状態で担ぎ込まれてきました。彼の名前はサルテ。2人組の男に追われていたようですが、詳細は分かりません。サミュエルはサルテの人工呼吸器が何者かによって切断されたところに居合わせ、咄嗟の処置で彼の命を救いました。この事件の担当である殺人課の刑事部長ファーブルは、何か思い出した時のためにと自分の連絡先をサミュエルに教えます。
その後、帰宅したサミュエルは突然殴られ気絶してしまいました。携帯電話の着信音で目覚めると、ナディアの姿がありません。携帯電話からは「黙って話を聞け」と知らない男の声が聞こえてきました。ナディアはサミュエルを脅すための人質として、男に拉致されてしまったのです。
この愛のために撃てのネタバレあらすじ:誘拐事件の真相
誘拐犯の目的は、3時間以内にサルテを病院から連れ出すこと。サミュエルは混乱しつつも急いで行動に出ました。レントゲンを撮ると偽ってサルテをベッドごと移動させ、アドレナリンを投与して意識を回復させます。そしてナディアを解放しろと怒鳴りますが、今起きたばかりのサルテにも状況が分かりません。
2人はひとまず誘拐犯の要求に従うため病院を出ました。入れ違いでやって来たファーブルとそのチームは、サルテが消えたことに慌てます。指紋照合の結果、サルテが強盗の常習犯で、とある殺人事件の容疑者だと判明したのです。誘拐犯と連絡を取ったサルテは、詳しい事情を聞き出しました。誘拐犯の正体は弟のリュックで、サルテを助けるためにサミュエルを利用したそうです。サルテを狙う男達についてはまだ分かっていません。
サルテはまず傷の手当てをするため、ストラスブール通りのアジトへサミュエルを連れて行きました。サミュエルはサルテの目を盗んでファーブルと連絡を取り、詳しい事情を説明します。彼女はすぐに行くと約束してくれましたが、現れたのはファーブル達と対立する警部ヴェルネールとそのチームでした。遅れてやって来たファーブルを射殺したヴェルネールは、部下にサミュエル達を始末するよう指示して出て行きます。混乱するサミュエルとサルテは、一瞬の隙をついて反撃しヴェルネールの部下から情報を引き出しました。
この愛のために撃てのネタバレあらすじ:ヴェルネールの企み
事の始まりは実業家フランシス・メイエールが殺害された事件。あれはメイエールの息子から依頼され、ヴェルネールとそのチームが行った殺人でした。ヴェルネールは強盗の常習犯であるサルテにメイエール殺しの罪を被せ、口封じに殺害しようと目論んでいるそうです。メイエールの書斎には防犯カメラがあり、犯行の瞬間をとらえたビデオデータがありました。それはUSBに保存され、現在ヴェルネールが持っているそうです。
情報を聞き出したサミュエルとサルテは、到着したファーブルの部下達から逃れるため二手に分かれてパリの街を逃げ回りました。何とか逃げ切った2人はリュックが隠れているパンタンの冷蔵倉庫で合流します。しかし倉庫は既にヴェルネールの襲撃を受けており、リュックは殺害されナディアは再び連れ去られてしまいました。怒りと憎しみに震える2人。サルテはUSBを手に入れるため、サミュエルはナディアを奪還するために、ヴェルネールの居城である警察署に侵入することにします。
この愛のために撃てのネタバレあらすじ:奪還と復讐の潜入作戦
サルテは裏社会のつてを頼り、明日、街のあちこちで一斉に騒ぎを起こして欲しいと依頼して回りました。約束の時間、パリは作戦通り大混乱に陥ります。ひったくり、強盗、襲撃事件に放火。それらの対処に追われる警察は上を下への大騒ぎで、その混乱に乗じてサミュエル達は署に潜り込みました。
サミュエルはナディアを、サルテはUSBを探します。サミュエルはヴェルネールの部下に殺害されそうになっていたナディアを救出し、無事を喜んで抱き合いました。夫妻はそのまま逃げようとしますが、無理を重ねたナディアが出血し動けなくなってしまいます。そこをファーブルのチームに見つかりました。ナディアは救急車で病院に運ばれ、サミュエルは捕まって連行されてしまいます。
その混乱の中、サミュエルは警察署から出ていこうとするサルテに気付きました。首尾よくヴェルネールからUSBを奪ったサルテは、それをサミュエルのポケットに忍ばせていたようです。USBがファーブルのチームの手に渡り、ついにヴェルネールの罪は白日の下に晒されました。
この愛のために撃ての結末:日常と断罪
7年後。平和を取り戻したサミュエルは、2人目の子どもを妊娠中のナディアと、事件後に生まれた娘と共に幸せな日々を過ごしていました。ところがふと目にしたテレビで、ヴェルネールの死を知ります。
彼は昨日の朝に仮釈放され、宿泊先のホテルで首を吊った状態で発見されたそうです。自殺と見られていますが、実際はサルテがヴェルネールの前に現れていました。しかしそれを知る人間はいません。サミュエルはナディアに呼ばれ、はっと顔を上げました。彼が笑顔を浮かべて日常に戻り、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「この愛のために撃て」のあらすじと結末でした。
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