映画「三人の妻への手紙」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
三人の妻への手紙の紹介：1949年アメリカ映画。3人の妻たちに共通の友人から手紙が届く。あなたたちの夫の誰か一人と駆け落ちします。これは冗談？それとも…。J・L・マンキーウィッツが第22回アカデミー賞監督賞・脚色賞を受賞した、社会風刺の入ったコメディ。マンキーウィッツは翌年『イヴの総て』で両賞を連続受賞し、第二次世界大戦後のアメリカ映画を牽引する。
監督：ジョセフ・L・マンキーウィッツ 出演者：ジーン・クレイン（デボラ・ビショップ）、アン・サザーン（リタ・フィップス）、リンダ・ダーネル（ローラメイ・ホリンズウェイ）、カーク・ダグラス（ジョージ・フィップス）、ポール・ダグラス（ポーター・ホリンズウェイ）、ジェフリー・リン（ブラッド・ビショップ）、セルマ・リッター（セイディ・デュガン）、セレステ・ホルム（アディ・ロス[声のみの出演])、ほか
この解説記事には映画「三人の妻への手紙」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
5月第1週の土曜日、ニューヨーク郊外の町の高級住宅街に住む仲良しのデボラ、リタ、ローラメイは遊覧船でピクニックに行く子供たちの付き添いのボランティアをする予定。
その朝、デボラの夫ブラッドは、5月第1週の土曜日の晩は仲間と社交クラブのディナーダンスに行くのが習いなのに、今日は会議で帰宅できないかもしれないと言う。
一方、リタの夫で教師のジョージは学校が休みなのに釣りにも行かず、なぜかいいスーツを着て家を出た。そして、船着き場でローラメイはデボラとリタにアディ・ロスが突然引っ越したことを教える。
アディ、リタ、ブラッド、ジョージ、ローラメイの夫のポーターは古い友人だった。船が出ようという時に郵便配達夫が3人にアディからの手紙をもってくる。「あなたたちの夫の一人と駆け落ちします」という文面。公衆電話から夫に電話をかける間もなく、3人を乗せた船は動き始める。まさかと思いつつ、3人はそれぞれ夫との関係で問題を抱えていた。
船上でデボラは結婚間もないころを回想する。
デボラとブラッドは海軍で知り合い、除隊後結婚して、3年前の5月第1週の土曜日にブラッドの郷里に戻って来た。デボラはブラッドの友人たち（ジョージ、リタ、ブラッド、ジョージ、ポーター、ローラメイ、等）と初めて会う予定だが、貧しい農家の出のデボラは地元社交界のつきあいが不安。着ていくドレスも4年前に買ったものしかない。不安を慣れない酒で紛らわす。
とりわけ、ブラッドの元ガールフレンドで、気品と趣味の良さで男たちの憧れの的のアディ・ロス（結婚したが既に夫と別れていた）の存在が気になる。デボラは社交クラブで酔っぱらったうえにドレスが破ける失態を演じる。
ドレスを修理して戻って来たデボラが見たのはアディと和やかに話す夫の姿だった。
もうすぐお昼時。ピクニックの昼食の準備の手を休めて、リタは最近の出来事を思い出す。
3年ほど前に始めたラジオドラマの脚本の仕事で、リタは教師の夫よりずっと多くの収入を得ていることを気に病んでいた。その晩は、多くのラジオ番組の責任者であるマンレイ夫人とその夫をディナーに招いた。
彼女が教養豊かなジョージを気に入れば、ジョージにもラジオの仕事をあてがってもらえるというのがリタの魂胆で、客をもてなすためにメイドのセイディにもやかましくする。その時、アディから貴重なレコードのプレゼントがジョージに届く。リタはその日が夫の誕生日であることも忘れていた。
その晩、マンレイ夫人はアディのプレゼントのレコードを割ってしまった上に、自分の担当した低俗なラジオドラマを2時間聴き続ける。一緒に招待されたポーターとローラメイも退屈する。
帰り際にマンレイ夫人からラジオ番組について意見を求められたジョージは、ラジオの商業主義について意見を披露して客を怒らせ、リタの計画は水の泡となった。
ローラメイはリタに、夫が駆け落ちしても私は全てを得たから平気よと虚勢を張る。
彼女は母と妹と3人で電車が通ると家全体が揺れる家に住んでいた。フィップス家のメイドのセイディは家族の友人だった。ローラメイは彼女の勤める百貨店の経営者のポーターをものにしようと手管をつくす。ポーターはローラメイに夢中になるが、結婚に一度失敗してこりているし、彼女が金目当てであるのもお見通しだ。そして部屋には理想の女性アディ・ロスの写真が飾ってあった。
結婚は無理と考えたローラメイは会社も辞める。だが、ローラメイを忘れることのできないポーターは、大晦日の夜に彼女の家に現れてプロポーズした。しかし、結婚後二人は自分の気持ちに素直になれず、いがみ合っていた。
ピクニックが済んで帰宅したリタは、ジョージがいてほっとする。演劇指導の初日ということでスーツを着て出かけたことがわかる。一方、ブラッドはその日帰らないことがわかる。
社交クラブで、ブラッドが駆け落ちしたと信じてリタの気が立っていることを知ったポーターが真相を話す。ポーターがアディと駆け落ちするはずだったが、思い直してやめたのだった。
ローラメイは今の話は聞かなかったことにするわと言って、ポーターと仲直りのダンスをするのだった。
以上、映画「三人の妻への手紙」のあらすじと結末でした。
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