サウンド・オブ・サンダーの紹介:2004年アメリカ,ドイツ映画。科学の発達により、人類はタイムトラベルが出来る様になっていた。強欲なハットンは、「タイムサファリ社」を立ち上げタイムトラベルをビジネスとしていたのだ。それが、これから起きる大事件に発展するとも知らずに。
監督:ピーター・ハイアムズ 出演:エドワード・バーンズ、キャサリン・マコーマック、ベン・キングズレー、ジェミマ・ルーパー、デヴィッド・オイェロウォほか
映画「サウンド・オブ・サンダー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「サウンド・オブ・サンダー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「サウンド・オブ・サンダー」解説
この解説記事には映画「サウンド・オブ・サンダー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
サウンド・オブ・サンダーのネタバレあらすじ【タイムトラベル3つの規則】
規則1「過去にはどんな些細な変化も起こしてはならない」少しの変化が過去に影響を及ぼし現代も変えてしまう。
規則2「過去に何も残さない」そのため、狩りの銃は凍った液体窒素の玉を使用していた。
規則3「過去から何も持ち去らない」過去に存在していた生物を一つ持ち帰るだけで全ての生態系が狂ってしまう。
サウンド・オブ・サンダーのネタバレあらすじ【過去へのタイムトラベル】
2055年、人類がタイムトラベル出来るシステムを、「タイムサファリ社」が作り上げていた。タイムサファリ社ではそのシステムを使って、金持ちを相手に恐竜退治の遊びを行っていた。そのトラベルとは、決まった時間と場所へ行き、通路の上から時間通りにやってくる恐竜を打ち殺すというゲームだった。生態系を壊さない為に、狩りに使う恐竜はその時間に沼に足を取られて身動き出来なくなった所を噴火によって初めから死ぬ運命にある恐竜だった。ライアン博士は過去へ行きコンピューターでDNAを分析し、絶滅した動物を復元をするという夢があった。2055年には、ライオンなどは絶滅し最後に捕獲された野生の動物がワニだった。そのワニも38年前に死滅しハンターたちが動物園の動物を殺しだし、ウィルスの流行で絶滅に拍車がかかり、DNAも破壊されクローンも作る事が出来なかったが「TAMI」のおかげで、少しずつではあったがライアン博士の動物達の復元も夢ではなくなってきていた。
サウンド・オブ・サンダーのネタバレあらすじ【TAMIの産みの親】
メインシステムの名は「TAMI」と言い、タイムサファリ社が作った事になっていたが、本当はソニア・ランドという女性が作った物だった。ソニアは科学者で、不可能と言われていたタイムトラベルを可能にするという夢の為に、持っている技術を全て「TAMI」に費やして作ったシステムだったが、研究に資金を出してくれたCJNという会社に騙され研究が終わり、「TAMI」が出来上がった途端に特許を取られてしまいソニアは追放された。そのCJNのオーナーで「タイムサファリ社」の創設者がチャールズ・ハットンだった。ライアンは安全の元で狩りを行っていると言うが、ソニアは「TAMIを過信しないで」と忠告する。少しでも過去の生態系を変えてしまう様な事があれば、現代を大きく変えてしまう危険があるからこそ、ソニアはタイムトラベルを一刻も早く辞めさせたがっていた。ソニアもライアンの夢に賛同はしてくれたが、ハットンが金の亡者である事に危険を感じていたのだ。
サウンド・オブ・サンダーのネタバレあらすじ【タイムトラベルの事故】
ライアンの銃に液体窒素の液が漏れた事で、ショートして銃が撃てなくなっていた。ライアンが銃を撃たないと、他の銃は動かない設定となっていた。それは余計な物を撃って生態系を怖さいない為の措置だった。いつも通りにタイムトラベルの場所まで行き、いつも通り恐竜がやってきた。しかしライアンの銃が作動しない事により、現場はパニックに陥る。客達には「茂みに隠れていて下さい」と指示をし、銃を直す間ライアン達は恐竜の気を引くためにライトで照らし、自分の方へ誘導する。なんとか銃を直し、恐竜を沼に沈める事が出来た。
サウンド・オブ・サンダーのネタバレあらすじ【異変が起きる】
事故が起きた翌日、地球はちょっとした異変に襲われていた。真冬だというのに異常気象で、真夏並みの暑さになり湿度が90%もあると、ニュースで報道されていた。また魚が大量に岸に打ち上げられるなどおかしな事が起きていた。分厚い壁を破って植物が生えてくるなど、現代では信じられない状況が起こってきたのだ。その日もいつもの様にタイムトラベルを行うライアン達だったが、いつもとは違う何かの異変を感じていた。すると既に恐竜が死んで沼に沈んでおり、5分後に噴火するはずの火山が爆発したのだ。慌ててタイムトラベルマシーンに乗り込み現代に戻ってくると、技術者のルーカスが「TAMIのミスだ、現地到着が5分遅れた」と報告した。ライアンは「TAMI」に「時間が5分遅れた、どういう事だ」と問うと「TAMI」は「計算は間違っていません、正確な座標と時間に送りました」と言った。
サウンド・オブ・サンダーのネタバレあらすじ【タイムサファリ社閉鎖】
問題が起きたタイムトラベルは、「TAMI」をシャットダウンしタイムサファリ社を閉鎖した。ライアンは前回のトラベルで何かあったのだと感じ、その事をハットンに言うが、6500万年もの前に少しくらい何かが起きても問題ないだろうと甘い考えを持っていた。それよりもタイムトラベルが出来なくなった事で会社が倒産する事ばかり心配していた。ライアンはただ一人、この異変が分かるソニアの元へと向かった。そして事故があった事、事故が起きたのが白亜紀である事を報告した。するとソニアは「戻ってから24時間経った?」とライアンに聞く「ああ、その通りだ」とライアンが答えると、ソニアは窓の水滴を拭いて外を見せた。するとタイムウェイブ波が押し寄せてきて二人を吹き飛ばした。「今のは何?」とライアンが聞くと「時間の波よ、今のが第一波」と言う。するとその時、外で女性の悲鳴が聞こえ、そこには大量の虫に襲われる女性が立っていて、虫達が一斉に部屋へと侵入してきてライアン達も虫に襲われるが、窓を突き破り何とか逃げる事ができた。
サウンド・オブ・サンダーのネタバレあらすじ【タイムウェイブの波の説明】
外へ出ると街中が木や植物に覆われていた。ソニアはタイムウェイブは次から次へと押し寄せてくると言い、最初は小石を池に投げた時の様に小さく、そして段々と大きくなり、6500万年分もの生物の進化がうねりとなって押し寄せてくると言うのだ。まずは気候の変化、次にもっとも原始的な植物、それから次第に複雑な生物へとアップしていくと説明した。ライアンは大きなため息をつき「最後の波で何が変わる?」と問うと、ソニアはきっぱりと「人類が変わる、それでおしまい」と言った。
サウンド・オブ・サンダーのネタバレあらすじ【修復を試みる】
次の波が来る前に、一刻も早く修正をする必要があった。ソニアとライアンは「タイムサファリ社」へとやって来て、タイムトラベルのシステムを使って問題のあった時まで戻って、狩りをやめさせ引き換えさせるのが、この変調を止める唯一の方法だとハットン達に伝える。タイムサファリ社は「上手く行く保障はあるのか?」と心配していたが、ソニアは「保証はない、でも何もしなければ破滅は免れない」と言った。「TAMI」を作動させ、再びタイムトラベルを試みるが、波紋の様に広がるタイムウェイブが原因で、白亜紀にはタイムスリップ出来ずに戻ってくる。すると次のタイムウェイブがやって来て、また街が変貌を遂げた。
サウンド・オブ・サンダーのネタバレあらすじ【原因を突き止める】
何が過去を変えたか映像で確かめる。しかしトラベルに出かけた2人が隠れた茂みまでは遠すぎてレコーダでは分からなかった。しかし、過去から戻って来た時に、出かける前よりも1.3グラム増加している事が分かった。つまり、過去から1.3グラムの何かを持ち帰って来てしまったのだ。ソニアは「あり得ない、バイオフィルターがあるから有機物は一切通さないはず」と断言する。するとハットンが「いつもは用心しているから必要ないかと、あれは電力をくうから」と電源を切っていた事を告白した。大切な装置を切っていたせいで、ようやくこの事件が起きてしまった事が分かった。後はそれが、誰が持ち帰ったかという事だけだった。
サウンド・オブ・サンダーのネタバレあらすじ【元の世界へと戻す方法】
ソニアが、タイムウェイブの波が起きているリングは突き抜ける事は出来ないが、変化が起きる前の過去にならワームホールを作れるはずだ。したがって6500万年前ではなくその一年前に行きスリングショットでそこからまた1年飛ばせば白亜紀へと行けるはずだと言う。しかしそれにも問題はあり非常にエネルギーを使う為、向こうで説明している暇はないというのだ。ライアンが「どれくらい居られるんだ」と聞くと、ソニアは「確かじゃないけど15秒から20秒」だと言うと、ライアンは「確かな事はないのか」とキレる。するとソニアは「あるわ、確かな事は何もないって事」と言う。だからこそ、原因が何なのか先に突き止めてから行かなければいけなかった。
サウンド・オブ・サンダーのネタバレあらすじ【1人目の探検者エックルズを探しに】
まずはやたらと怖がっていた、エックルズの元を訪れる事にした。ソニアが「外へ出たら植物にも気を付けて、絶滅しないで6千万年もの間進化し続け、より強くなっているはず」と忠告する。また恐竜から進化した何らかの動物も居るはずだと言う。外へ出ると、けたたましい鳴き声が聞こえて来た。そして大きな足跡を見つける。先を急ぐライアン達に植物が襲いかかる、そしてペインが植物の毒にやられてしまう、その間にも鳴き声の主が迫って来ていた。それはついに姿を現した。まるでマントヒヒが大きく凶暴に尚且つ強く進化したものの様だった。ペインは毒が回り、もう一歩も動けなかった、すると自分は置いて行ってくれと言う。そしてヒヒ達の餌食となってしまうのだった。何とかエックルズの家へと辿り着き、荷物を調べたが何も変わった物は見つからなかった。
サウンド・オブ・サンダーのネタバレあらすじ【2人目の探検者ミドルトンを探しに】
エックルズに車を借り、ミドルトンが居るという会社へと向かう。しかしそこは毒を出す植物で、沢山の人が亡くなっていた。そこで毒に侵されたミドルトンを見つけるが、既に精神状態がおかしくなっており、銃を打ってきたのだ。何とかトラベルに使用した荷物を見つけると、なんと靴の裏に蝶が一匹踏み潰されてへばり付いていたのだ。「たった一匹の蝶のせいなの?ただの虫よ」と言うジェニーに、ライアンは「虫は卵を産む、ミドルトンは虫を殺したんじゃない、進化を壊したんだ」と説明した。急いで車に乗り込み「サファリ社」へと向かうが、コウモリの様な大きな鳥に襲われ、仲間の一人が連れ去られてしまった。その時、また第3波「タイムウェイブ」がやって来た。
サウンド・オブ・サンダーのネタバレあらすじ【重要な課題】
過去を正せば全て元に戻り、死んだペインも戻ると言うライアンに、ソニアが「その先はどうするの?過去を直せても変化の無かった状態に戻ってまた一から繰り返すだけ、ハットンの「タイムサファリ」そのものを辞めさせなければ」と警告する。時の流れを正した後、戻って来たらこの事実そのものも忘れてしまうからである。どうこの事を元の状態に戻した後、伝えるかが重要な課題だった。タイムトラベルは人類に多大な影響を与える事を分からせる為に、ライアンはその記憶を残す為に何とか考えると言うのだ。
サウンド・オブ・サンダーのネタバレあらすじ【タイムトラベル】
サファリ社に戻ってくるとそこは水に浸かっており、またハットンも亡くなっていた。「TAMI」と必要な機材を持ち出し、必要なポータブルを求めて3キロ先にある大学まで向かう。外にはヒヒ達が待ち構えていた為、地下鉄の線路を使う事にしたが、そこにも得体の知れない大きな巨大魚がおり、ジェニーまでもが食べられてしまうのだった。何とか大学へと辿り着くが、ヒヒ達がすぐそこまで迫って来ていた。急いで「TAMI」を作動させ、タイムトラベルスーツに着替えたライアンを過去へと送る。ライアンを送り出した後、最後のタイムウェイブがやってきて、ソニアは半漁人の様な奇妙な生き物へと変化してしまった。
サウンド・オブ・サンダーのネタバレあらすじ【何もかも元通りに】
タイムトラベルに成功したライアンは、事故が起きたまさにその真っ只中にいた。ライアンは恐竜に襲われている探検隊の一人ジェニーに、「僕をホロビズで撮れ」と声を掛ける。ライアンが二人居る事に混乱するジェニーだったが、タイムトラベルの様子を撮る機械ホロビズでライアンを撮り続けた。ライアンは、ハットン達がバイオフィルターを切っていた事や未来で起きた事、そして戻ったら誰にも言わずにディスクを渡す様に素早く指示する。その時、逃げてきたミドルトンが蝶を踏みそうな所を食い止め、ライアンは消えてしまう。元の世界へと戻ると、そこは何もなかったかの様な日常に戻っていた。何も覚えていないライアンにジェニーは、もう一人のライアンに言われた通りにディスクを渡した。ディスクを見たライアンはソニアの元へと向かい、「サファリ社は辞めた」と告げ、ソニアが恐れていた現実がこのディスクに詰まっていると言った。ソニアは訳が分からないといった様子で「誰に貰ったの?」と問うと、ライアンは「僕にだ」と告げると、ソニアはようやく何かを悟ったかの様に、ライアンの言葉に耳を傾けるのだった。
「サウンド・オブ・サンダー」感想・レビュー
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バタフライ エフェクト
人間の無知と傲りが世界を滅ぼす
タイムサファリ社のツアーの内容がかなり規制されたものであり、タイムトラベルは金持ちしか利用出来ない高価の商品である事など、妙なリアリティーを感じました。確かにこんな事が将来出来る様になるかもと思わせてくるのが、ミソです。幅の狭い通路があり、その空間にしか歩く事が許されないというのも面白いと思います。後半はひたすらタイムウェイブが押し寄せてきて、激しく変貌していく都市を鑑賞。たった1羽の蝶でこんなに世界が変わるとは!とても考えられませんが面白かったです。