アリー/ スター誕生の紹介:2018年アメリカ映画。ウェイトレスとして働きながら、ドラァグ・クイーンの仲間たちと共に細々とライヴをこなすアリー。国民的人気を誇るミュージシャン、ジャクソンとの偶然の出会いが彼女の未来を大きく変える。ショービジネスの華やかな世界に一気に放り込まれたアリーの運命的な恋、そして栄光と葛藤を描く。クリント・イーストウッドが映画化を期待し企画した作品を、ブラッドリー・クーパーが初監督・主演として引き継いだ。アリー/ スター誕生は1937年「スタア誕生」のリメイク作品として4度目の映画。
監督:ブラッドリー・クーパー 出演:ブラッドリー・クーパー(ジャクソン・メイン)、レディー・ガガ(アリー)、アンドリュー・ダイス・クレイ(ロレンツォ/アリーの父)、デイブ・シャペル(ジョージ・"ヌードルス"・ストーン)、サム・エリオット(ボビー)、アンソニー・ラモス(ラモン)、ラフィ・ガヴロン(レズ・ガヴロン)、ルーカス・ネルソン&プロミス・オブ・リアル(ギタリスト/ジャックのバンド)ほか
映画「アリー/ スター誕生」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「アリー/ スター誕生」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
アリー/ スター誕生の予告編 動画
映画「アリー/ スター誕生」解説
この解説記事には映画「アリー/ スター誕生」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
アリー/ スター誕生のネタバレあらすじ:起
たくさんの人が埋め尽くすカントリー系音楽フェス。ジャックことジャクソン・メインの歌声は会場を熱気で包みました。ライブが終わり、鬱々とした表情を浮かべながら、ふらりと小さなドラァグ・バーを訪れます。
ドラァグ・クイーンたちの悪くない歌を聴きながら浴びるように酒を飲んでいたジャックの手が、ひとりの女性の歌声に惹きつけられ止まりました。その女性はアリー。昼間はウェイトレスとして働き、夜は小さなライブをこなし歌手になることを夢見ていました。
彼女の天性の才能に惚れたジャックはライブ後に外に連れ出します。しかし、ジャックは世界的人気を誇るミュージシャン。どこに行っても名前を呼ばれ勝手に写真を撮られ、失礼な態度に耐えられなくなったアリーは盾突き怪我をしてしまいます。
手当のために立ち寄ったマーケットのパーキングで、ジャックは自分自身のことを話し始めます。それに応えるように即興で歌うアリー。「心の穴を必死に埋めてきたのね」その美しい歌声はパーキングに響き渡りました。
アリー/ スター誕生のネタバレあらすじ:承
後日、自身のコンサートにアリーを招待したジャックは、無謀にもステージにアリーを押し上げます。自信もなく緊張に震えながら、それでも必死に大観衆の前で歌ったアリー。その歌唱力はすぐに話題となり瞬く間に有名となります。
そして互いに激しい恋に落ちていきました。共にライブを楽しみ、幸せな時をすごす2人。そこへ、レズ・ガヴロンが現れ、アリーはインタースコープ・レーベルと契約することが決まりました。
こうしてソロとして少しずつ軌道に乗り始めていくアリーとは反対に、ジャックは幼少期のトラウマによる難聴とアルコール依存症に襲われていきます。兄でマネージャーを務めるボビーの忠告も聞かず、常にギリギリの精神状況でステージに立つ日々が続きました。
アリー/ スター誕生のネタバレあらすじ:転
そんな中、ツアーで訪れた故郷メンフィスで会った旧友、ジョージ・"ヌードルス"・ストーンの後押しによりジャックとアリーは結婚しました。アリーは今や最も勢いのある新人歌手となり、SNL(サタデー・ナイト・ライブ)に出演することもできました。
自信をなくしそうになる瞬間でもいつもそばで支えてくれたジャックでしたが、心では嫉妬を抱え酒や薬物により状態は悪化していきました。そこへ舞い込んできたニュース。アリーはアーティストとして最高の名誉であるグラミー賞にノミネートされました。
晴れの舞台。ついに新人賞としてアリーの名前が呼ばれ、拍手喝采の中ステージへ上がりました。感謝のスピーチを述べるアリー。するとそこへ泥酔したジャックがステージ上へ現れました。支離滅裂な言葉はマイクに拾われ、会場から呆れ声が発せられます。失禁しパンツをみるみる濡らしていく様まで晒し、アリーの面目を潰してしまう結果となってしまいました。
アリー/ スター誕生の結末
これがきっかけとなり、ジャックはアルコール依存者のためのリハビリ施設へ入り、更生しようと努力を始めます。アリーはそんなジャックを信じ、心から支えました。
日常に戻れる日も近くなってきたある日、アリーはレズに再びジャックと共に歌いたいと提案しますが、レズはあっさり拒否。アリーは「これからのツアーをキャンセルする」と言い放ったのでした。
後日、アリーの帰りを待つレズはジャックに向かい「アリーの成功を邪魔するな」と忠告。それを聞いたジャックはベルトを片手に持ちガレージへ入りシャッターを下ろすと、そこから出てくることは二度とありませんでした。
のちに開かれた夫ジャックの追悼コンサート。アリーが歌ったのは、彼がリハビリ施設入所中に、ノートに挟まれた歌詞を発見した曲でした。葛藤に苦しんでいた最中に書かれた歌詞。「もう君以外愛すことはできない」と夫を思いながら歌うアリー。歌声は悲しくホールに響くのでした。
以上、アリー/スター誕生のあらすじと結末でした。
「アリー/ スター誕生」感想・レビュー
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んちょっとつまんなかったような気がします。曲は心響くのですが、ストーリーが普通過ぎた。映画『ボヘミアン・ラプソディ』に比べたら…
まあ、普通に見るんだったらいいんじゃないかな? -
レディー・ガガの大ファンです。もともと好きでしたが、この映画を見てガガの演技力に惚れました。初めてジャクソン・メインとライブで共演するシーンは何度もCMで流れていましたが、映画館で見ると背中からざわざわした感動が溢れました。最後のシーンも大好きです。号泣しました。この映画の曲は何度も聞き返します。
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私にとっては望外の最高の一本となった。この作品は技術的なことや手法などの細部よりも、骨太の物語性が秀逸ではないかと思う。そして米国人の心意気や気骨がダイレクトに私の胸に刺さった。基本的には男と女の愛の物語なのだが、彼等を取り巻く人々の描写にも味わい深さが際立っている。ジャックを演じこの映画を撮ったブラッドリー・クーパーが最高に素晴らしかった。彼は、ジャックと言う不器用で救いようのない【ダメ男のナイスガイ!】を見事に演じ切った。この映画を見て男である私がむさ苦しいヒゲの男に魅せられた。汗と埃にまみれたむさ苦しい男の爽やかさ。ジャックと言う男を自然体で演じたブラッドリー・クーパー。彼はジャックを通してダメ男とナイスガイ、むさ苦しさと爽やかさと言う対極にある価値観をひとりの男に見事に結実させたのである。ジャックと言う男の孤高の美学と誠実な生き様に心打たれた訳である。勿論レディー・ガガの歌唱力を含めた存在感と人間的な魅力は圧倒的であり、ブラッドリーの名演と共にとても贅沢な仕上がりを見せてくれる。酒と女性と孤独は個人的にも相通じるところ大であり、おおいに共感できる。若かりし頃にコンサートやエンターテイメントのビジネスに関わった経験があるので尚更共感!舞台裏はいつも大変なのである。
映画を見て泣くことがない私が終始号泣でした。2人の愛の形が素敵で、スターなのに何故か共感すらところがあって。苦しくて泣いて。それでもやっぱりスターで。その素晴らしさに泣いて。スターの仕草や行動、言葉一つ一つが沁みました。スターというのはスターという言葉だけではなく魂とか本物をどれだけ出せるかなのかなと思いました。