藍に響けの紹介:2021年日本映画。私たちはまだ夢中になれる―――。すたひろ原作による漫画『和太鼓†ガールズ』を、『仮面ライダージオウ』の紺野彩夏と『べっぴんさん』の久保田紗友のダブル主演で実写映画化した青春映画です。誰にも言えない想いを抱える環(紺野彩夏)と交通事故により声を失ったマリア(久保田紗友)、二人の女子高生は和太鼓との出会いを通じて人生を大きく変えていくことになります。
監督:奥秋泰男 出演者:紺野彩夏(松沢環)、久保田紗友(新島マリア)、永瀬莉子(江森寿)、板垣瑞生(江森司)、小西桜子(佐伯美鈴)、山之内すず(錦戸亜莉栖)、茅島みずき(道長神乃)、吉田凜音(星野音々)、川津明日香(真柴ヒカリ)、山本亜依(北條幾子)、カトウシンスケ(長谷部圭太)、平田理子(野上りこ)、新野ゆき(中川ゆき)、伊藤雛乃(小林ひなの)、重松りさ(都築りさ)、羽田琴葉(望月ことは)、谷本琳音(長浜りおん)、冴木柚葉(神崎ゆずは)、梶原凪(大橋なぎ)、齋藤はるか(遠藤香織)、黒谷磨世(珠ノ坂愛児園職員)、上野黎也(拓海)、前田織音(琴音)、濱田マリ(星野ひびき)、須藤理彩(松沢遥)、筒井真理子(シスターニッチェ)、吹越満(江森雷太)ほか
映画「藍に響け」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「藍に響け」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
藍に響けの予告編 動画
映画「藍に響け」解説
この解説記事には映画「藍に響け」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
藍に響けのネタバレあらすじ:起
会社経営者の娘である松沢環(紺野彩夏)は、ミッション系のお嬢様学校・聖母珠ノ坂女学園に通う女子高生です。環は将来バレリーナになるという夢があり、環は初等部時代からの幼馴染である友人の佐伯美鈴(小西桜子)、真柴ヒカリ(川津明日香)、北條幾子(山本亜依)らと共に学校での日々を過ごしていました。
富裕層として生きてきた環の状況が一変したのは、父の会社が倒産してからでした。一家は裕福な暮らしから転がり落ち、環はこれまで習っていたバレエを辞めざるを得なくなりました。
環は母・遥(須藤理彩)に内緒で、家計を支えるためにスーパーでアルバイトを始めました。遥はそのことに気付き、環に対して申し訳ない気持ちになりました。環は行き場のない思いを抱えながらも、誰にも打ち明けられずに独りで抱え込んでしまっていました。
そんなある日、下校しようとした環はどこからともなく音の振動がすることに気付きました。環は音に吸い寄せられるかのように音の鳴る方向へと向かい、そこで和太鼓を叩いている新島マリア(久保田紗友)の姿を見かけました。
マリアは交通事故で声帯を損傷し、言葉を発せなくなっていましたが、和太鼓を叩いている時は明るい表情を見せていました。環の姿を見かけたマリアは彼女の太鼓のバチを差し出し、叩いてみるよう促しましたが、そこに和太鼓部部長のの江森寿(永瀬莉子)や部員たちが入ってきたため、動揺した環はその場を立ち去っていきました。
翌日。マリアは和太鼓部員の錦戸亜莉栖(山之内すず)と道長神乃(茅島みずき)を引き連れて環の前に現れ、和太鼓チーム「雷鼓音(ライドオン)」の公演のチケットを渡してきました。「雷鼓音」は寿の父・雷太(吹越満)が創始者兼代表であり、寿の兄で桐ヶ丘高校和太鼓部エースの司(板垣瑞生)もメンバーとして参加している、地元では知らない者のいないプロの太鼓集団です。
マリアたちは環を公演に誘いましたが、環は「太鼓なんてありえない」と断りました。しかし、マリアの熱意に押された環は公演に行ってみることにしました。環とマリアたちのやり取りの様子をたまたま近くにいた寿が見ていました。
藍に響けのネタバレあらすじ:承
「雷鼓音」の圧巻のパフォーマンスに魅了された環は和太鼓の魅力に取りつかれ、自らも和太鼓を叩きたいと思うようになりました。意を決した環は和太鼓部への入部を申し入れましたが、寿から突きつけられた条件は、自分と30分間太鼓を8分音符で叩き続ける勝負をし、勝ったら入部を認めるというものでした。父や兄のDNAを持つ寿に対し、全くの素人である環が挑むのは誰から見ても無謀でした。
それでも環は持ち前の負けん気の強さから勝負に挑む決心をし、バチを手にして叩き始めました。最初のうちは力強く叩き続けていた環でしたが、次第に腕が上がらなくなっていき、体力も奪われていきました。
立っているのがやっとの状態に陥った環はそれでも懸命に太鼓にくらいついていきましたが、30分まであともう少しのところで力尽きて倒れてしまいました。マリアが環の元に駆け寄ると、環が握りしめていたバチには血が滲んでいました。
寿は勝負に負けたのだから入部は認めないと環に伝えましたが、他の部員たちは環の根性を買い、人数が足りないことを理由に入部させるべきだと進言しました。寿は部員たちに押されて渋々環の入部を認めました。
環は翌日から部の練習に加わることになりましたが、最初のうちはバチすら握らせてもらえず、基礎練習として一人でひたすら素振りと声出しをさせられることになりました。疎外感を感じた環は反抗的な態度を取り、寿はやる気があるのかと咎めました。環は「こんな嫌がらせして楽しい?」とやり返し、練習を放棄して部室から出て行ってしまいました。
マリアは環の後を追いかけ、環に素振りと声出しは基本中の基本であり、初心者は基本練習をひたすらこなしてやっと演奏することを許されるのだと伝えました。そしてマリアは自分は声を取り戻すためのリハビリをしていることを打ち明け、マリアに共感を覚えた環は再び練習に戻ることにしました。
藍に響けのネタバレあらすじ:転
それからというもの、環は心を入れ替えてひたすら基礎練習に励みました。やがて環は努力の甲斐あってようやくバチを持つことを許され、部員たちとも打ち解けていくようになりました。部員の星野音々(吉田凜音)の母・ひびき(濱田マリ)は環がバイトをしているスーパーのオーナー夫人であり、環のことを応援してくれました。
そんなある日、和太鼓部はコンクールに参加することになりました。部員たちは一丸となって課題曲の練習に励んでいる最中、環は部室にある写真が掲げられているのに気が付きました。
写真に写っているのは国語教師のシスターニッチェ(筒井真理子)でした。ニッチェは身寄りのないマリアを学園の愛児園に引き取り、親代わりとして愛情を注いできた一方、雷太と共に「雷鼓音」を立ち上げた和太鼓の名手であり、和太鼓のこととなると普段の慈悲深い性格から一転して鬼のスパルタコーチとして生徒から恐れられる存在でもありました。
環はニッチェに和太鼓部の顧問をお願いしてはどうかと提案し、自らニッチェに頼み込みました。ニッチェは最初のうちは断りましたが、雷太からもお願いされ、最終的に顧問を引き受けることにしました。
その日からニッチェの猛特訓が始まりました。ニッチェのあまりのスパルタ指導に音を上げる者も続出、環はそんな脱落者たちに「努力が足りない。モチベーションが低い人とはやりたくない」と言い放ってしまいました。
他の部員たちは環に反発し、環と部員たちとの間には溝が深まっていきました。そんな中、コンクールのコンペが開かれ、センターにはマリア、そして環が選ばれました。センターに選ばれなかった寿は思わず悔し涙を流しました。
和太鼓部は今の自分たちの腕試しとして地元のイベントに出演することにしました。しかし、ニッチェは環が周りとは合わせずに自分のテンポだけで叩いていることを見抜き、「できていると思っているその心が音に出るの」と忠告しました。環は部員たちと共にイベントに出演しましたが、ニッチェの予感が的中し、環のリズムは次第に周りの音とずれていきました。
藍に響けの結末
マリアは声帯リハビリ担当医の遠藤香織(齋藤はるか)の元で声を取り戻すためのリハビリに励んでいましたが、思うようにいかずに苦しんでいました。誰よりも部員たちと一緒に演奏することを望んでいたマリアはギスギスとした部の現状を悲しんでおり、何とかして部員たちの仲を取り持とうとするも「偽善だ」と言われてショックを受けてしまいました。
深く落ち込んだマリアは部活に姿を現さなくなっていきました。
環は海辺でぼんやりと立ち尽くしているマリアの姿を見つけました。環はマリアに「部活に来ないで何してるの? いつまでいじけているつもり」と言い放ち、感情が高ぶってしまったマリアは環と取っ組み合いの喧嘩を始めてしまいました。
マリアはその場から去り、環も家に戻ろうとしましたが、どうしても気になることがあり、部室に立ち寄ることにしました。そこではマリアが太鼓の前に座り込んでいました。環が太鼓を叩くとマリアも叩き始め、二人はまるで太鼓を通じて意思の疎通を図っているかのように感情をぶつけ合いました。
そしていつしか二人の音はひとつに重なり、環とマリアの心は太鼓を通じてひとつにまとまっていきました。環とマリアは部員と和解し、全員で一丸となってコンクールに向けて練習に励んでいきました。
そして迎えたコンクールの当日。環、マリア、そして部員たちはひとつにまとまり、渾身の演奏で会場を魅了しました。演奏を終えた環がステージを降りようとしたその時、マリアが掠れた声で「環、ありがとう」と感謝の意志を伝えてきました。マリアの言葉に環は思わず涙を流しました。
以上、映画「藍に響け」のあらすじと結末でした。
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