愛の讃歌の紹介:1967年日本映画。瀬戸内海の日永島の船着き場の前にある『待帆亭』で働く春子は、一人息子の竜太と恋人同士です。竜太は父の仙造と折り合いが悪く、父から離れる為ブラジルへ行くと言い出します。竜太の子供を妊娠していた春子は、それを告げず竜太を送り出し…という内容の豪華俳優陣が出演する松竹映画の人情ドラマです。フランスの作家マルセル・パニョルの三部作のうちの一つ『ファニー』を翻案し、映画化したものです。
監督:山田洋次 出演者:中山仁(亀井竜太)、倍賞千恵子(立花春子)、伴淳三郎(亀井仙造)、有島一郎(吉永伊作)、千秋実(船長)、太宰久雄(備後屋)ほか
映画「愛の讃歌」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「愛の讃歌」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
愛の讃歌の予告編 動画
映画「愛の讃歌」解説
この解説記事には映画「愛の讃歌」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
愛の讃歌のネタバレあらすじ:起
瀬戸内海の日永島の船着き場の前にある『待帆亭』は、連絡船の船長、郵便屋など近所の男たちが集まる切符売り場のある食堂です。経営者の仙造と一人息子の竜太、そして娘同然のように面倒見てきた春子がいます。幼い妹二人の面倒を見る春子は竜太と恋人同士です。
ある日、竜太が連絡船で神戸から帰って来ます。少し様子のおかしい竜太は春子に「ブラジルのサンパウロに行く」と告げます。止める春子に竜太は「毎日親父の言うとおりにする生活は嫌になった。自分一人で生きたい」と強く決心した様子でした。
話を聞いて送り出す覚悟をした春子でしたが、竜太が出発当日になって「やっぱりサンパウロに行くのをやめる」と言い出します。春子は「私が引きとめたことで、歳をとってから後悔されるのは嫌だ、決心したことだから早く行って!」と突き放します。
丁度そのころ、仙造は近くの女店主の店に行っていました。妻を亡くした仙造は15年間、男やもめで竜太を育ててきました。そして竜太は連絡船に乗り、ブラジルへ旅立ちます。
愛の讃歌のネタバレあらすじ:承
帰ってきた仙造は、竜太が何も言わずブラジルへ行った事で怒る狂います。しかし仙造は竜太の事を心配し、いなくなって40日たっても手紙が来ない事にいら立っていました。
そこへ郵便屋が竜太からの手紙を持って来ます。照れる仙造は春子に「声を出して読んでくれ」と頼みます。聞いた仙造は竜太が元気にしていることに安心します。そして春子に自分の想いを告げようと手紙を書いてもらいます。
その後、竜太からは手紙が来なくなり、心配し過ぎた仙造は体を壊します。竜太の子供を妊娠していた春子は、医者の伊作のもとで出産し、子供に竜介と名付けます。
病で弱る仙造と、竜介と二人の妹の面倒を見る春子を見ていた伊作が、春子と竜介、更に妹二人を引き取ると言い出します。その言葉に甘えた春子は伊作の家で一緒に生活を始めました。
1年半がたち、伊作が「仙造の体はかなり悪くなっている」と告げます。そんな時、竜太が連絡船で帰って来ます。船の中で父と春子の話を聞いていた竜太は、仙造を見舞い話をし、伊作の家に行きます。
愛の讃歌のネタバレあらすじ:転
春子に会った竜太は、竜介を抱きます。その時、竜介が自分の子供だと気づきました。春子に「何故言ってくれなかったんだ。僕はサンパウロを引き揚げ大阪へ行く。竜介と一緒に行こう」と春子に言います。
横にいた伊作は「竜介は養子にもらったんだ。渡せない」と言います。竜太は「僕の子供だから連れて行って何故悪いんだ」と言います。伊作は再び「竜介をワシにくれ」と言います。
ふすまの陰で聞いていた仙造が怒り「種だけ撒いたものが偉そうに言うんじゃない。どれだけ苦労して育ててくれたと思っているんだ。お前は親と言えない」と竜太を怒鳴りつけます。
船着き場で竜太は春子に、「サンパウロにいた時、春子の事が気になりながらも毎晩父の事を考えていた」と自分の気持ちを話します。そして竜太は連絡船に乗り、大阪へと旅立ちました。
翌朝、起きて来ない仙造の様子を見に行った春子は、竜太からの手紙を握りしめて死んでいる仙造を見つけました。
愛の讃歌の結末
仙造の葬式も終わり、伊作と昔のように暮らしている春子の元へ、竜太から手紙が来ます。春子が伊作に「竜太さんから手紙が来た」というと、伊作は電話局に電話をし、竜太のいるところの電話に繋いでもらうよう頼みます。
そして伊作は「竜太に電話が繋がったら、竜介を連れて大阪に行くと言いなさい。死んだ仙造は、竜太と春子、そして孫の竜介と一緒に暮らすことを夢見ていたはずだ」と言って、自分の想いを春子に告げます。交換手から電話があり竜太が出ると、春子は竜介と大阪へ行くことを話します。
やがて出発の日が来ます。多くの人が別れを告げにきました。春子は二人の妹の事を伊作に「頼みます」と言います。伊作は「そんなこといいから早く船に乗りなさい」と言います。
船長の合図で船が出港すると、春子は皆に「ありがとう」と言います。伊作はさびしそうに春子を見つめていました。
以上、映画「愛の讃歌」のあらすじと結末でした。
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