エンド・オブ・トンネルの紹介:2016年アルゼンチン,スペイン映画。シニカルで不条理な展開が度胆を抜いたオムニバス映画「人生スイッチ」(2014)で知られる、アルゼンチンの名優レオナルド・スバラグリア。今作では、車椅子生活でありながら、頭脳戦で強盗団と渡り合おうとするインテリ男を熱演している。奇抜な発想と緻密なストーリーが話題を呼んだ、クライム・サスペンス。
監督:ロドリゴ・グランデ 出演者:レオナルド・スバラグリア(ホアキン)、クララ・ラゴ(ベルタ)、パブロ・エチャリ(ガリレト)、フェデリコ・ルッピ(グッドマン)、ワルテル・ドナード(カナリオ)、ローラ・フェエンザ(レネ)ほか
映画「エンド・オブ・トンネル」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「エンド・オブ・トンネル」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
エンド・オブ・トンネルの予告編 動画
映画「エンド・オブ・トンネル」解説
この解説記事には映画「エンド・オブ・トンネル」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
エンド・オブ・トンネルのネタバレあらすじ:起
妻子を事故で亡くし、自らも車椅子で生活するホアキン。家族の思い出あふれる広い屋敷に、飼い犬のカシミールと暮らしています。世間に背を向け、孤独に浸る毎日。唯一の安らぎであるカシミールもすでに老い、ほとんど寝たきり状態です。愛する犬がいつか安楽死できるよう、ホアキンは睡眠薬を用意します。貯金もそろそろ底をつき、屋敷が差し押さえの危機に瀕した頃。ホアキンは、二階の部屋の賃貸広告を出します。同居人となったのは、ベルタという若い女性とその娘ベティ。ストリッパーをしているというベルタは、明るく奔放。一方ベティは自閉症ぎみで、一言も口をききません。2人を疎ましく感じるホアキンでしたが、毎日顔を合わせるうちに、次第にベルタと気心が知れるように。しかし、ホアキンには秘密がありました。1日の大半を地下室で過ごす彼ですが、その目的は監視と盗聴。ここ最近、ホアキンの家の地下から謎の作業音が聞こえていました。元エンジニアの彼にとって、原因を調べることなど容易です。地下では数人の男達がトンネルを掘っていました。彼らの目的は、トンネルをつなげた銀行から現金を強奪することだったのです。
エンド・オブ・トンネルのネタバレあらすじ:承
ホアキンはベルタと親しくなっていきますが、ベティは彼を無視し、カシミールとだけ心を通わせています。親子に情が移ったホアキンは、地下の件をベルタに話そうと決めます。ところがその後、監視映像の録画を見て驚きます。ベルタが隠れ家で男達と会話していました。リーダーのガレリトは彼女の恋人。ホアキンの家に住み込んだのも、彼の注意をそらすためだったのです。ガレリトは凶暴な男でした。気に入らない子分には拷問を加え、容赦なく殺してしまうのです。自分を騙していたベルタに、激しい怒りを感じたホアキン。彼女に睡眠薬を飲ませ、ベッドに縛り付けて問い詰めます。ベルタはガレリトを愛している様子で、「金の一部は俺がいただく」というホアキンの言葉に反発します。ガレリト達がいない間、ホアキンは車椅子を降りてトンネル内を這い、作業の状況を把握します。ある時、地下穴を見つけたベティが中へ入り込み、ガレリト達の隠れ家に迷い込んでしまいます。モニターに映るベティの姿を見て、ホアキンは真っ青になります。
エンド・オブ・トンネルのネタバレあらすじ:転
その直後、隠れ家にガレリト達のボスが現れます。彼らは、クリスマスの花火と同時にトンネル出口を爆破し、銀行に侵入するつもりです。ボスが去り、無事に戻ったベティをホアキンが抱きしめます。ベルタは依然としてホアキンの計画に反対です。意を決したホアキンは、彼女にある音声データを聞かせます。それはカシミールにささやきかけるベティの声を、こっそり録音したものでした。ベティは、ガレリトに性的虐待を受けているとカシミールに打ち明けていました。そのショックで口が利けなくなっていたのです。憤りと悲しみで泣き叫ぶベルタ。ホアキンは言います。「俺が君達を助ける。だから手を貸してくれ」。決行日の夜8時。金庫に侵入した男達は、ロッカーから次々と現金を取り出します。でも一番下のロッカーだけ空です。一足先に侵入したホアキンの仕業でした。作業を終えた男達は、トンネル出口を爆破させます。しかしホアキンが起爆剤の場所を変えていたため、仲間の女がトンネル内に閉じ込められます。爆発で破裂した排水管から、大量の水が噴き出しました。ホアキンは溺れた女を助けようとしますが、逆に引きずり込まれそうになり見殺しにします。ホアキンの地下室にも水が溢れ出します。
エンド・オブ・トンネルの結末
町は浸水で大騒ぎになり。警察と消防隊がやって来ます。ホアキンの屋敷に、あのボスの男が調査のふりをして現れました。ホアキンに携帯番号を教え、何かあったら連絡をくれと立ち去ります。次にやって来たのは、警察を語ったガレリト一団。睡眠薬を打たれ、ベッドで眠っているベルタを発見したガレリトは逆上。ホアキンに拳銃を向けて「何もかも話せ」と詰め寄ります。そこへ再び、ホアキンに携帯で呼び出されたボスがやって来ます。状況は一気に混乱し、激しい撃ち合いが勃発。そこへよろよろと現れたベルタが、ガレリトを射殺します。生き残ったボスは、ホアキンが隠していた金を奪うと車で逃走。運転中、いきなり眠気に襲われて衝突事故を起こします。彼は、ホアキンの屋敷でカシミール用の睡眠薬入り菓子を口にしていました。車は大破し、ボスはその場に倒れます。数日後。ホアキンは荷物をまとめ、カシミールを連れて屋敷を後にします。彼の傍らにはベルタとベティがいます。何も言わないベティですが、ホアキンの手をぎゅっと握ります。
この映画の感想を投稿する