オール・セインツ 幸せのはじまりの紹介:2017年アメリカ映画。信じる先には、幸せが待っている…。奇跡の実話を映画化した感動のヒューマンドラマです。ビジネスマンから牧師となった男が大赤字で閉鎖寸前の教会とミャンマーからの難民の救済に挑むことになります。撮影は実際に実話の舞台となったアメリカ・テネシー州のオール・セインツ教会で行われています。
監督:スティーヴ・ゴーマー 出演者:ジョン・コーベット(マイケル・スパーロック)、カーラ・ブオノ(エイミー・スパーロック)、バリー・コービン(フォレスト)、チョンダ・ピアス(ルース)、ネルソン・リー(イエ・ウィン)、グレゴリー・アラン・ウィリアムズ(エルドン・トンプソン主教)、マイルズ・ムーア(アティカス・スパーロック)ほか
映画「オール・セインツ 幸せのはじまり」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「オール・セインツ 幸せのはじまり」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
オール・セインツ 幸せのはじまりの予告編 動画
映画「オール・セインツ 幸せのはじまり」解説
この解説記事には映画「オール・セインツ 幸せのはじまり」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
オール・セインツ 幸せのはじまりのネタバレあらすじ:起
ここはアメリカ・テネシー州の自然豊かな田舎町、スマーナの郊外にあるキリスト教・聖公会の教会“オール・セインツ教会”。
マイケル・スパーロック(ジョン・コーベット)はつい最近までニューヨークで営業マンとして働いていましたが上司に反発したことから退職して牧師に転職、赴任先としてこのオール・セインツ教会に妻で元ジャーナリストのエイミー(カーラ・ブオノ)と息子のアティカス(マイルズ・ムーア)を伴ってやってきました。
しかし、マイケルを紹介する礼拝に集まった人々は数えるほどで、この教会にはピアノも聖歌隊もなく、マイケルもこの地に長く留まるつもりはありませんでした。
マイケルがこの地に赴任してきたのには訳がありました。この教会は85万ドルの負債を抱えて極度の財政難に陥っており、マイケルは営業マン時代のスキルを買われて教会の備品、土地などの財産を処分して閉鎖することを求められていたのです。しかし、マイケルは備品の処分の準備を進めつつも、この教会を再建できる手立てはないか探っていました。
そんなある日、この田舎町の役所に、ミャンマーの内戦から逃れてきた少数民族カレン族のイエ・ウィン(ネルソン・リー)らが、15組もの難民家族に住まいと仕事を与えてくれるよう申請していましたが、役所から快い返事は返ってきませんでした。イエたちは役所の掲示板でオール・セインツ教会のことを知り、早速教会とマイケルに助けを求めました。
オール・セインツ 幸せのはじまりのネタバレあらすじ:承
インターネットでカレン族が置かれている状況を知ったマイケルは地元の有力者に呼びかけて何とか何人かを食肉工場の職に就かせることに成功しますが、今度は食料手当を打ち切られてしまいます。難民たちは教会の裏庭を耕して畑を作り、マイケルは不動産関係者に対して物件明け渡しまでの間は農作物の栽培を許可してもらえるよう懇願しましたが、教会跡地にショッピングセンターを建てる予定の関係者は雇用が増えると譲らず、しびれを切らしたマイケルは独断で教会を売らないと宣言しました。
その夜、マイケルは裏庭の農作物に目をやると空から大粒の雨が降り出し、脳裏に“神の啓示”が舞い込んできました。それは教会の土地を畑にして農作物を作り、それをカレン族の食糧とすること、そして余った作物は売って教会の赤字の穴埋めに使うことでした。早速マイケルはエイミーに構想を打ち明け、主教の説得に乗り出しました。教団を説得するにはカレン族信者を含む全ての教会員の署名が必要であり、マイケルはイエたちと賛成票を取り込むのに躍起になりました。しかし、教会の協力者であるフォレスト(バリー・コービン)は農業の厳しさと労働者の過酷な労働を訴え、マイケルを詐欺師呼ばわりしました。
オール・セインツ 幸せのはじまりのネタバレあらすじ:転
マイケルは苦渋の末にフォレスト抜きで計画を進めることにしました。一方でエイミーとアティカスは教育を通じてカレン族の子供たちとの交流を深めていき、聖歌隊を組んで一緒に音楽を奏でるようになっていきました。
最初はマイケルの計画に消極的だった聖公会の上層部もカレン族の切実な現状を訴えるイエの言葉に心を動かされ、翌年1月までの期限付きで一時的に教会の売却を中断することになりました。目標は感謝祭までにどれだけ収穫を上げられるか。マイケルとイエたちの挑戦が始まりました。
マイケルとカレン族は早速穀物の種を蒔き、ピックアップトラックに載せた水タンクから水を撒き、カレン族は食肉工場での勤務の合間を縫って農作業に汗を流しました。しかしこの年は雨が少なく、マイケルたちは想定以上の多忙に追われてスケジュール調整にも支障が出てきました。エイミーはマイケルとは違ってあまり神のお告げを信じるタイプではないのですが、畑も聖歌隊も神の恵みだとしてマイケルを励ましました。やがて地元の住民やマイケルの知人たちも水撒きの設備を提供するなど少しずつ協力を始めていき、最初は非協力的だったフォレストもイエの仲介を得てマイケルたちに協力することにしました。フォレストもまたイエたちと同様に戦争を体験した身であるのです。
オール・セインツ 幸せのはじまりの結末
周囲の人々の協力あって、農作物もあともう少しで収穫といったところまでこぎつけました。ところが、天気予報では小雨とあった天気は急激に荒れ始め、大きな嵐と洪水がオール・セインツの農場に襲い掛かりました。マイケルと仲間たちはギリギリまで農作物を収穫しましたが、農場は甚大なダメージを受けてしまい、作物の出来も決して良いものではありませんでした。
教会の存続もいよいよ絶望的となり、マイケルは主教らと共に最後のミサを行いました。なぜ神は洪水を起こしたのか理解できないマイケルでしたが、この農場づくりを通じて白人・黒人・アジア系などの人種、キリスト教の各宗派や仏教、無宗教などの宗教の垣根を超えて、いつの間にか人々がひとつの目的に向かって団結していることに気が付きました。
その夜、マイケルやカレン族たちは最後の宴を開きました。そこで主教が思わぬサプライズ発表をしました。それはオール・セインツ教会の存続が決まったこと、教会の負債は教団が責任を持つということでした。しかし、主教は存続と引き換えに自ら身を引くこととなり、マイケルも新たな赴任地としてニューヨークの聖トーマス教会に異動することになりました。
現在、マイケルは聖トーマス教会の副牧師となり、夫婦の間には新たに女の子も誕生しました。イエはオール・セインツでカレン族のために働き続けています。
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