オール・ザ・キングスメンの紹介:1949年アメリカ映画。1949年アメリカ映画。ウイリーは高潔な人物で民衆から”正直者”と呼ばれていました。しかし度重なる不遇が彼を変えていきます。理想と現実は果たして共存し得るのでしょうか?際限のない欲望に取り付かれたひとりの男の物語。
監督:ロバート・ロッセン 出演:ブロデリック・クロフォード(ウィリー・スターク)、ジョン・アイアランド(ジャック・バーデン)、マーセデス・マッケンブリッジ(サディ・バーク)、ジョン・デレク(トム・スターク)、ジョアン・ドルー(アン・スタントン)、アン・シーモア(ルーシー・スターク)、シェパード・ストルードウィック(アダム・スタントン)、ほか
映画「オール・ザ・キングスメン(1949年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「オール・ザ・キングスメン(1949年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
オール・ザ・キングスメンの予告編 動画
映画「オール・ザ・キングスメン(1949年)」解説
この解説記事には映画「オール・ザ・キングスメン(1949年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
オール・ザ・キングスメンのネタバレあらすじ:起
ジャック・バーデンはクロニクルという新聞社の記者です。彼は今日も次の記事を書くべく妙案を練っていました。しかしその途中で編集長に呼び出されます。次の記事のネタとしてある人物を取材してこいというのです。その人物の名はウイリー・スターク。彼はカノマ郡の会計に立候補していました。ただし彼は州政府はもちろんカノマ市の役人達にすらコネがなく逆に嫌われてさえいました。なぜか?彼は横領や賄賂が蔓延る現在の政治家を弾劾しより市民に近い立場から改革しようとしていたのです。その結果、市民には人気がありますが為政者側からは煙たがれる存在となっています。しかし彼は諦めず今日も街頭で演説しています。「学校設備への投資などが必要なのに政治家は自分の懐にしか興味がない」と。彼に共感した市民からつけられたあだ名は”正直者”。彼はそのあだ名に恥じない高潔な人物でした。そしてそんな彼の活動が邪魔な行政側は妨害行為をしていました。そんな中ジャックはウイリーに取材を申し込むことになります。ウイリーの家族は妻ルーシーと養子のトム、そしてウイリーの父の3人です。皆ウイリーを誇りに思っていますが選挙では落選するだろうと予想しています。トムはチラシ配りを手伝っていますが度々妨害されていますし、家には石が投げ込まれるといった嫌がらせが日常茶飯事です。そんな彼らを取材したジャックは新聞社に戻り勇気ある正直者と称賛する記事を書きます。編集長に記事を渡し本来の予定である長期休暇に入るジャック。彼は久しぶりに故郷へと向かいます。故郷で義理の父や母、友人のアダム、そして恋人のアンやその叔父の判事に囲まれ休暇を楽しむジャック。そして休暇が終わり新聞社に戻るとウイリーの落選を編集長から聞かされます。
オール・ザ・キングスメンのネタバレあらすじ:承
ルーシーは落選を期にウイリーに法学の勉強を勧めます。そして月日は流れウイリーは法学士の免許を取ることに成功。そんな折、カノマ市立小学校で階段が崩落。子供たちに多数の死者が出るという事故が起こります。これにより以前のウイリーの主張が正しかったと認める市民が現われ、ウイリー自身も一気に脚光を浴び始めます。一方、選挙前である今の時期、次の当選が危うい現州知事は対立候補の票が割れるようダミー候補の擁立を画策、その候補にウイリーが挙がっていました。数日後。突然、有力者の訪問を受けうろたえるウイリーはその推挙で州知事に立候補することに。選挙対策にサディら現州知事の回し者とジャックを向かえ選挙活動に尽力するウイリー。しかしもともと当選させる気のないサディの計画に乗せられたウイリーは本来の調子が出せません。そんな彼にサディとジャックはこれが現州知事が当選するための作戦でありウイリーは当て馬であることを告げます。これを聞いた彼は憤慨しいつもより荒々しい調子で市民に語り掛けます。次第に勢いを増すウイリーを見て弾圧を始める現州知事。ジャックもウイリーの記事を書かないよう言われ新聞社を退職します。ウイリーは結局落選しました。しかしジャックに対して彼は”勝つ方法”を勉強したと告げるのでした。そして4年後。
オール・ザ・キングスメンのネタバレあらすじ:転
選挙で勝つ方法。それはお金のばら撒きであり権力の行使だと確信するウイリー。手段を選ばず有力者を抱き込み、市民には金をばら撒いて強引な手法で票を稼ぐウイリー。それらは彼が嫌っていた為政者の常套手段でした。そしてジャックも彼のもとに。ジャックは自身の家族やその友人の有力者に声を掛けます。ジャックの知人である判事を検事長に推挙すると約束するウイリー。また友人アダムに病院の建設を約束。どんな相手とも取引する。こうして州知事ウイリーは誕生するのでした。そんな彼でしたが最初の気持ちを失ってはいませんでした。高速道路の建設、無料の病院施設の設置、学校設備への投資などかつて夢見た理想の政治を実現させていったのです。しかし彼も人間でした。忙しい毎日の中、妻ルーシーとの関係は壊れ正式に秘書になったサディとの関係もギクシャクし始めた頃、アンと知り合い恋に落ちます。ですがウイリーを脅かす出来事が起きます。人事で選んだ官僚の汚職が発覚したのです。火消しに追われるウイリー。これまでの強引な手法に嫌気がさした側近も離れ始めます。そこにもうひとつの爆弾が投下されました。ウイリーの息子トムのことです。トムは大学へ進学、大学ではアメフトのチームで活躍するようになっていました。しかし両親の関係がこじれる中で生活が荒れていきました。ある時、高速道路で飲酒運転をして事故を起こすことに。そして一緒に乗っていた女性が死亡。ウイリーの人生に陰りが見え始めていたのでした。
オール・ザ・キングスメンの結末
死亡した被害者家族のヘイリーといつもの強引さで和解しようとするウイリー。しかし息子トムは飲酒を認め自分で罪を償うと言い始めます。しかしウイリーは納得しません。少し揉めた後ヘイリーを部下と共に送り出します。そして何故かこの後ヘイリーは行方不明に。疑惑の声が民衆に広がります。そんな中トムは大学で所属するアメフトの公式試合に出場することに。しかしトムは事故が原因で体調が良くありませんでした。それでも疑惑の声を恐れたウイリーにより無理矢理出場することに。しかしラフなプレイに巻き込まれたトムは意識不明の重体に。医師であるアダムの診断では意識不明から回復しても麻痺が残るであろうこと、そして手術が必要であることを伝えられるウイリー。手術の執刀医をアダムに頼みます。その後も精力的に動くウイリー。病院建設現場や自分を主人公にしたドキュメンタリー映画の視察等々。そんな中、久しく実家に帰るウイリー。州知事らしく側近を従えて。仲の良い家族を装うウイリー達。息子のトムも一時より回復して車椅子で参加。そこにラジオの一報が流れます。ヘイリーが死体で見つかったと。ウイリーは容疑者ですがまだ州知事です。限りなく黒ではあるものの手続きが必要なのです。かつての側近だった元検事長であり現判事はウイリーに対して弾劾決議を実行しようとしていました。ウイリーは決議を否決にするため、民衆を扇動しデモ隊を組織。また従わないものには制裁や圧力などあらゆる手段を実行しますがウイリー側の票数が足りません。そしてついにウイリーは事の始まりである判事を脅すネタをジャックに提供させようとします。ジャックはある約束で判事の秘密を知っていました。しかし彼は判事に直接確認するまではと提供を拒否します。ウイリーはここでも強引に話を進めます。判事の秘密を知る人間は二人でした。ジャックともう一人、判事の姪アンです。彼はアンから秘密を聞き出すとそれを判事に突きつけ自分に味方するよう脅迫します。判事自身も覚えていないような不正の証拠でしたがそれを後悔した判事は自殺します。その場にいたジャックとアン、そしてアダムはウイリーと決別します。そして翌日ウイリーの弾劾の採決結果が多数のデモ隊の集う中、発表されます。結果はウイリーの勝利でした。しかしウイリーの真実を知るアダムはウイリーに向け銃を発砲。”世界をこの手に”そんな野望を抱いたウイリーのあっけない最期でした。
以上、映画オール・ザ・キングスメン(1949)のあらすじと結末でした。
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