アメリカン・サイコの紹介:2000年アメリカ映画。衝撃的な内容で話題となったブレット・イーストン・エリスの小説を映画化。80年代ニューヨーク、27歳のパトリックは一流企業の副社長で、高級マンションに住み美しい婚約者にも恵まれるものの、心の中には深い闇があった。突然襲ってくる衝動に動かされ夜の街をさまよってはホームレスや娼婦を殺害するのだった……。クリスチャン・ベールとレオナルド・ディカプリオが主役争いをしたことで有名なサスペンス映画。連続殺人鬼を演じた、クリスチャン・ベールが醸し出す異様な狂気が話題となった。
監督:メアリー・ハロン 出演:クリスチャン・ベイル(パトリック・ベイトマン)、ウィレム・デフォー(ドナルド・キンボール)、ジャレッド・レトー(ポール・アレン)、グィネヴィア・ターナー(エリザベス)、ほか
映画「アメリカン・サイコ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「アメリカン・サイコ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
アメリカン・サイコの予告編 動画
映画「アメリカン・サイコ」解説
この解説記事には映画「アメリカン・サイコ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
アメリカン・サイコのネタバレあらすじ:起
パトリック・ベイトマンは、若くして成功を収めている男性です。彼は優秀な仕事ぶりを発揮し、エグゼクティブとして日々活躍していました。そんな彼は、超一流品ばかりを身につけ、恋人は誰の目をも引く美しい容姿を持つ女性、更に愛人もいる、など誰が見ても成功者の人生を送っていました。しかし、表向きは常に穏やかな彼でしたが、常に何にも本心からは興味の持てない、何かが欠けた毎日に退屈を感じてもいました。
アメリカン・サイコのネタバレあらすじ:承
そして、彼は明らかな異常者でもありました。パトリックと同じく、優秀な男性であるポールを、パトリックは疎ましく思っていました。そんな彼を、常に頭の中で、酷く残酷な方法で殺していたのです。パトリックは、その穏やかな表情の裏で、常に殺人衝動を抱いていたのです。今までは頭の中で留めていたその殺人衝動。しかし、とうとうパトリックの我慢の限界が訪れます。ちょうど私生活や仕事でフラストレーションが溜まっていたパトリック。
アメリカン・サイコのネタバレあらすじ:転
そんなパトリックは、ある日街で娼婦を買います。そして自宅へとその娼婦を招いたパトリックは、今まで自分の脳内に思い描いていた理想の殺人を、酷く満足げに実現させたのです。そして、そのことをキッカケに彼の衝動は益々抑えられないものとなっていきます。しかし、その殺人衝動が満たされたのも、その娼婦を殺した一瞬だけでした。暫くすると、彼はまたその衝動な頭を悩まされることとなります。それ以降、パトリックは人知れず残酷な殺人を続けていきました。しかし、パトリックは自らのその狂気を恐れるようになっていきます。そして、自ら警察に捕まることを望んだのでした。
アメリカン・サイコの結末
パトリックは自らの犯行を弁護士に打ち明けますが、弁護士はパトリックの冗談だと考えまともに取り合ってくれません。そして、パトリックの周りの人間は、皆が皆自分にしか興味のない、無関係を貫く人ばかりでした。それ故に、パトリックが起こした事件は最終的に未解決のままで、本人が希望しているにも関わらずパトリックは逮捕されずに終わってしまいます。そして、パトリックはこの先も自らの欲求に苦しみ続けるのでした。
以上、映画「アメリカン・サイコ」のあらすじと結末でした。
誰もが羨む身分と立場を持っていても、人には決して言えない欲望が心に沸き起こり、治まることを知らないという理知的な面と猟奇的な面といった相反する部分の描き方が非常にドライに、シュールに描かれている映画です。主人公のパトリックを始め、「ヤッピー」と呼称される若きエリートたちは誰よりも特別な存在でありたいと望みながら、不思議と一様に同じ顔で同じ服装で同じ立ち居振る舞いを行っています。こういった描写の連続に、段々と個性と無個性の区別さえ曖昧になる感覚が強くなり、まるで主人公のパトリックが見ている世界そのものを私たちも垣間見ている様に錯覚してしまう程です。一度だけではなく二度三度と見直したくなる映画としてお勧めしたいです。