夜の来訪者の紹介:2015年イギリス映画。裕福な実業家一家に現れた謎の来訪者が、一家全員がひとりの貧しい女性のを追い詰め、死に追いやった事実を暴き出すさまをミステリアスに描いた社会派ドラマ。英の劇作家J・B・プリーストリーの同名戯曲の映画化。
監督:アシュリング・ウォルシュ 出演:デヴィッド・シューリス、ソフィー・ランドル、ミランダ・リチャードソン、ケン・ストット、ほか
映画「夜の来訪者」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「夜の来訪者」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「夜の来訪者」解説
この解説記事には映画「夜の来訪者」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
夜の来訪者のネタバレあらすじ:起
裕福な実業家のバーリング家では、娘のシェイラとクロフト卿の子息ジェラルドの婚約を祝う食事会が催されていた。
そんな中突然グール警部と名乗る来訪者が訪れ、3時間前にエヴァ・スミスという女性が病院で自殺し、残された遺書と日記には一家との関わりが記されていたため事情を聞きに来たのだと告げる。グールはまずアーサーに写真を見せ、彼女との経緯を語らせる。
2年前、エヴァはバーリング社で働く数多くの女性社員の1人だったが、最低賃金に耐え兼ねて社員数人で賃上げ交渉を行い、その後ストライキに発展した。アーサーはエヴァに仲間を呼び戻せば昇格させてやると懐柔を試みるが撥ねつけられたことで、スト明けに彼女だけを解雇したのだった。
2年も前のことで自殺には無関係だというアーサーにグールは、その後解雇されたエヴァがなんとか高級デパートのブティックの職を得たものの、顧客のクレームによってわずか1月半でその店も解雇されていたことを話すと、今度はシェイラの顔色が変わる。
夜の来訪者のネタバレあらすじ:承
そのブティックはシェイラもよく訪れる店で、その日母シビルとドレス選びをしていた彼女は母親への苛立ちを接客に当たったエヴァにぶつけ、言いがかりをつけたあげくことさらに騒いで支配人にエヴァの解雇を要求したのだった。
そして次にジェラルドが、ブティックも解雇され、生活に困窮したエヴァがその後デイジーと名前を変えたと聞いて驚愕する。ジェラルドはパブで男に絡まれているエヴァを助けたことがきっかけで、貧しいが美しい彼女を囲うようになったがそれもつかの間、数か月過ごせるだけの金を与えて彼はエヴァを捨てた。
次にグールはシビルに写真を見せ、見覚えがないというシビラにグールは婦人慈善団体の会員である彼女が審議会の議長を務めた時にエヴァが訪れた事実を突きつける。問い詰められた彼女は妊娠したエヴァが偽名を使って現れ支援を求めてきたが、彼女の言い分を嘘だと決めつけて申請を却下したことを話す。
夜の来訪者のネタバレあらすじ:転
悪いのは彼女を妊娠させた男で公的に追及すべきだと言い放つシビルだったが、その男とはエリックで、写真を見せられた彼は涙ながらに彼女との関係を語り始める。
サラと名乗ったエヴァとパブで出会ったエリックは家族と違って自分の話を聞いてくれる優しく美しいエヴァに心から惹かれて関係を続けた。そして1月前、エヴァの妊娠を知ったエリックは結婚を申し込むがエヴァは身分違いを慮って断り、渡された金も会社から流用したものだと知ると受けとらずに彼から身を引いたのだった。
エヴァに対するそれぞれの行いを責め合う家族をグールは全員が彼女の死に加担したことを忘れるなと一喝し、エヴァのように追い詰められた人間はまだ多く存在しており、今回の教訓が活かせないなら、その報いは己に降りかかってくるだろうと言い残してグールは屋敷を去って行く。
夜の来訪者の結末
残された一同はグールの警察官としての態度に不審なものを感じ、アーサーが警察へ問い合わせると該当する警察官はおらず、病院への電話で今夜自殺した女性もいないことが分かる。
アーサー、シビル、ジェラルドは対面を保てることに安堵して一杯食わされたことを笑いあうが、罪悪感を拭えないシェイラとエリックは両親らの姿を苦々しい思いで見ていた。
その頃、アパートで日記を書き終えたエヴァはグールと名乗った来訪者の言った通り消毒液を煽って自殺を計り、病院に運ばれたが来訪者に見届けられてこと切れる。そしてバーリング家の電話が鳴り、今夜女性が自殺した件で警察が事情聴取に訪れることを告げられるのだった。
以上、映画「夜の来訪者」のあらすじと結末でした。
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