愛と青春の旅だちの紹介:1982年アメリカ映画。自堕落な元兵士の父と、それに反発するかのように海軍に入隊する息子。ある海軍士官生の青春と成長を、士官養成学校での厳しい日々や育まれる仲間との友情、そして町工場の女とのロマンスを通じて描いた作品です。
監督:テイラー・ハックフォード 出演者:リチャード・ギア(ザック・メイヨ)、デブラ・ウィンガー(ポーラ・ポリフキ)、ルイス・ゴセット・ジュニア(エミール・フォーリー軍曹)、デヴィッド・キース(シド・ウォーリー)、ロバート・ロッジア(バイロン・メイヨ)ほか
映画「愛と青春の旅だち」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「愛と青春の旅だち」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
愛と青春の旅だちの予告編 動画
映画「愛と青春の旅だち」解説
この解説記事には映画「愛と青春の旅だち」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
愛と青春の旅だちのネタバレあらすじ:起
青年ザック・メイオ(リチャード・ギア)は、シアトルで元海軍兵だった父バイロン(ロバート・ロッジア)と二人暮らしです。自堕落な日々を送る父は、この日も自宅に娼婦を連れ込んでいました。
少年時代、父の赴任先であるフィリピンで過ごしたザック。父は酒と女に溺れ、母を自殺に追い込んでしまいました。ザックは現地の子供からいじめを受けるなど、過酷で悲惨な少年時代を歩んできました。
ある日、ザックは長年の夢だったパイロットになるべく海軍士官養成学校の飛行士課程に入りたいと告げます。父は軍隊に入って苦労するのはバカげていると嘲笑いますが、ザックの決意は変わりませんでした。
愛と青春の旅だちのネタバレあらすじ:承
シアトル近くのレーニエ基地にある海軍士官養成学校に入学したザックら34人の士官候補生を待ち構えていたのは、鬼教官として恐れられるフォーリー軍曹(ルイス・ゴセット・ジュニア)の厳しい指導でした。
この飛行士課程は13週間に渡って過酷な訓練が課せられ、これに耐え抜いて試験に合格した者だけが少尉に昇進できるのですが、脱落者も多いサバイバルレースです。ザックらはケーシー(ルイス・アイルバッチャー)ら女性を除いて全員丸刈りにされ、フォーリーは徹底的に候補生に罵声を浴びせました。
ザックは純朴な青年シド(デイヴィッド・キース)や、妻子持ちのペリーマン(ハロルド・シルベスター)と同じ部屋で共同生活を送り、親交を深めていきます。
最初は生い立ちの暗さゆえに周囲に心を閉ざしていたザックでしたが、フォーリーの非常に厳しいしごきを受け、任意除隊(DOR)までちらつかされると、追い詰められたザックは「僕はここしか居場所はない」と言い、その日から心を開くようになっていきました。
愛と青春の旅だちのネタバレあらすじ:転
やがて、訓練も4週目が過ぎ、候補生は束の間の休息として地元住民との懇親パーティーに参加することになりました。フォーリーは、このパーティーに参加する若い娘たちは士官候補生をひっかけようと狙っているから注意しろとクギを刺します。
ザックはポーラ(デブラ・ウィンガー)という女性と、シドはリネット(リサ・ブロント)と知り合い、休日を利用してデートするようになります。ポーラとリネットは町の製紙工場で働いていました。
ポーラはザックの抱える心の影が気になりながらも本気で惚れるようになり、ザックも彼女を愛するようになりますが、ポーラの父もかつて士官候補生だったと知り、彼女もまた玉の輿を狙っているのではと感じるようになります。
愛と青春の旅だちの結末
ある日、シドはリネットから妊娠したかもしれないと告げられます。シドは彼女との結婚を決意して任意除隊を申請、結婚指輪を持ってリネットの元へ行くと、彼女から「士官としか結婚しない、除隊ならお断り」と指輪と突き返します。
もてあそばれたシドはそのまま姿を消してしまいます。心配したザックはシドがいるモーテルを突き止め、駆け付けたところ、既にシドは自殺していました。
ザックはショックのあまり、シドの任意除隊を受け付けたフォーリーに食ってかかり、二人は大乱闘となりますが、最終的に止められ、ザックは無事卒業の日を迎えます。
卒業生の1人1人に敬礼するフォーリーに、ザックは「君のことは忘れない」と感謝の気持ちを伝えます。その後、ザックは製紙工場に行き、ポーラを抱きかかえました。
以上、映画「愛と青春の旅だち」のあらすじと結末でした。
「愛と青春の旅だち」感想・レビュー
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昨日まで何をしていたのか分からない連中が13週の訓練で少尉になってしまうのか?
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逆だ、昨日まで何をしていたのかわからない連中でも13週間の訓練で矯正するんだ。耐えきれないやつは自ら辞め、または辞めるよう追い込み振るいにかけていくんだ
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この過程は 少尉を養成するのが目的で 飛行訓練その他は任官してからになると読みました、、とにかく飛行士官となる少尉を短期で育成のため 訓練は空前絶後の厳しさだそうです。。航空機操縦訓練はさらに何年もかけるのでこの13週は心構えと不適格者のふるい落としの目的もあるのでしょう(^◇^;) 印象に残ったシーンは 軍曹が少尉に辞令が出た元候補生たちに 先に敬礼して敬語になるという けじめのしーんでした。。軍曹が主役でも良いかもでしょう! 陸自時代も部隊研修で大卒に候補生方が一時期来られますが 候補生時は意外とこちらもナアナア気味ですが 卒業して幹部の章つけて配属された時は こちらは直立不動でお迎えした記憶があります(^_^)
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あ 原題は 士官である前に紳士であれ だそうですね!
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ラブロマンスの王道 何度観ても感激する。
アメリカ海軍のパイロット養成機関(海軍士官学校(海軍兵学校)ではありません))が舞台となっていますが、肝心の飛行機での訓練シーンが登場しないという不思議な映画でもありました。私の記憶ではプールを使った緊急時の脱出訓練くらいしかそれらしいシーンが回想できないのです。全体の印象では将校ではなくあくまでも新兵のブートキャンプのようでした。ストーリーに関しては単純明快です。恵まれない出自の青年が海軍の一兵士だった実父を見返すために海軍の航空士官を志し、最終的には様々な経験と試練を経て見事にその途を切り開くのですが。テーマはあくまでも青春物語でした。鬼の黒人教官との数多くの出来事、親友の不慮の死、そして恋人との関係等々。父が原因で母を喪った青年は父を嫌悪しており、人間関係をとても醒めた目でしかみられない点に共感と憐れみを感じました。まあ、誰でもそうなりがちですけど。青年は狡猾で最初のうちは自分の利益しか考えられないはぐれ者でした。とても重い責任を担うことになる航空士官の適性を欠く候補生を強制退学させるべき立場の教官は青年の性質を早くから見抜き、あらゆる手段を使って彼を試してきます。しかしここ以外どこにも居場所のない彼は、軍紀違反を犯した厳しい罰にも耐え抜くのです。これは意外でした。計算高い才能を縦横に駆使して軍隊の余禄を食む無頼漢に成り下がらなかったのはやはりそれなりの資質があったのでしょうね。候補生達の息抜きは訓練所の外での一時。でもそこにも巧妙な罠が。海軍の町の女達にとって、ここから抜け出す一番手っ取り早い補法は将来有望な候補生の妻となること。そのためには彼女達は手段を選ばない。妊娠という既成事実を利用して候補生をがんじがらめに縛りあげる。青年の数少ない味方である親友もその罠にかかり、修了目前で訓練所を去るのですが、相手は実は妊娠はしていなかったのです。私は海軍士官と一緒になりたいの、と結婚の申し出を断られた親友は自ら生命を断ち、青年は心に深い傷を負いました。そして親友の退学を認めた教官との一騎打ちへと発展してしまいました。結果は青年の敗北に終わりましたが教官は除隊するのも卒業するのも青年の意思にまかせてくれました。そして卒業の日。厳しい訓練を終えた候補生達が任官する時が来ました。少尉となる彼らと下士官である教官との立場が逆転するのです。それまでの罵詈讒謗から一転して新たな上官となる元・候補生達へ教官は敬語を使いその門出を祝福しました。青年の番となり、二人の思いの込められた短いやり取りがありました。君のことは忘れない。教官へそう告げ、青年は訓練所を去りました。候補生達がその立場の象徴である候補生の制帽を投げ捨て、青年が向かったのは恋人となった女性の所でした。親友の自殺の原因となった女を友人とする彼女との関係は切れたかのようでしたが、青年は彼女を棄てることなく人生を共に歩む決心をしたのです。製紙工場へ現れた彼の、恋人を抱く姿に周囲の人々は一斉に祝福の拍手を送りました、その中には涙を流しながら二人を祝おうとするあの女の姿も。とてもいい映画でしたね。原題は『一人の士官と一人の紳士』ですが、まさに『愛と青春の旅立ち』でした。タイトルにも思いが込められています。