死海殺人事件の紹介:1988年アメリカ映画。名探偵エルキュール・ポアロが難事件に挑むミステリー作品。死海に面した聖地クムランで、大富豪の未亡人が毒殺された。関係者は皆彼女を憎んでいて動機は十分にある。しかしそれぞれの証言を組み立てると辻褄が合わない。ポアロは灰色の脳細胞を駆使し、事件の謎に挑んでいく。原作はアガサ・クリスティの小説『死との約束』。
監督:マイケル・ウィナー 出演者:ピーター・ユスティノフ(エルキュール・ポアロ)、パイパー・ローリー(エミリー・ボイントン)、ジョン・ギールグッド(カーベリー大佐)、ローレン・バコール(ウェストホルム卿夫人)、キャリー・フィッシャー(ナディーン・ボイントン)ほか
映画「死海殺人事件」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「死海殺人事件」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
死海殺人事件の予告編 動画
映画「死海殺人事件」解説
この解説記事には映画「死海殺人事件」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
死海殺人事件のネタバレあらすじ:二つの遺言状
舞台は1937年ニュージャージー州、ボイントン邸。大富豪エルマー・ボイントンが死去し、後妻エミリーが夫の遺言状の内容を顧問弁護士ジェファーソン・コープから聞き出していました。遺産は全てエミリーに譲られるという内容でしたが、エルマーは亡くなる直前に二つ目の遺言状を作成していました。遺産は家族全員で平等に分けるという内容に不服を訴えるエミリー。彼女はコープが不良株で儲けた過去を持ち出し脅しにかかります。エミリーは以前刑務所で看守として働いており、色々と情報を持っていたのです。コープは保身のため二つ目の遺言状を暖炉で燃やしてしまいました。満足したエミリーは子ども達を部屋へ呼びます。前妻の子であるレノックス、レイモンド、キャロル、そしてエミリーの実の娘ジネブラ。更にレイモンドの妻ナディーンが集まった席で、一つ目の遺言状が伝えられました。信じられない、と子ども達はショックを受けます。彼らはエルマーが遺言状を書き直したことを知っていたのです。エミリーは家族をヨーロッパ旅行に誘い、各地の聖地を訪問しようと提案しました。
死海殺人事件のネタバレあらすじ:ヨーロッパ旅行
トリエステに到着したボイントン一家。レイモンドはそこで学校を卒業したばかりの医師サラ・キングと出会い惹かれていきます。心臓病を患うエミリーは看護学校を出たナディーンを常に側に置き、水にジギタリスを数滴とかして服用していました。自分を奴隷のように扱うエミリーを憎むナディーンはいつまでも自立出来ないレノックスを見限り、コープとの恋に走ります。一家はエルサレムに向かう豪華客船に乗り込みました。その船には名探偵エルキュール・ポアロの他、キング医師、英国の国会議員ウェストホルム卿夫人、その友人ミス・クイントンらも乗っています。
死海殺人事件のネタバレあらすじ:殺人事件
エルサレムに到着した一行。ポアロは旧友カーベリー大佐の歓迎を受けます。翌日、それぞれ聖地を観光しますが、エミリーは子ども達を厳しく監視し勝手な行動を許しません。レイモンドとの仲を邪魔されたキング医師は「あなたは鬼ババだ」とエミリーに詰め寄りました。エミリーは「私は決して――忘れないのよ」と、自身の抜群の記憶力について話します。その後一行はクムランを訪れ、ポアロは大佐と共に一旦アクレへ向かいました。エミリーはジネブラにテントで昼寝するように命令し、他の子ども達には散歩するよう提案します。そしてレイモンドにウェストホルム卿夫人に話があるという伝言を頼みました。散歩中ナディーンはコープに夢中で、レノックスはすぐに引き返してしまいます。キング医師との交際を真剣に考えるレイモンドもエミリーに直談判するためキャンプに戻っていきました。6時頃帰って来たキング医師は、エミリーが椅子に座ったまま死亡しているのを発見します。死亡推定時刻は午後4時頃。クムランへ戻って来たポアロはエミリーの手首に針を刺したような傷跡を見つけ、殺人事件だと断定します。事実、キング医師の鞄から注射器が盗まれており、ジギタリスの瓶も空になっていました。
死海殺人事件のネタバレあらすじ:調査開始
ポアロは早速聞き取り調査を始めます。まず、皆が散歩に出たのは午後3時15分頃。エミリーに呼ばれたウェストホルム卿夫人は彼女の元へ向かいますが結局口論に終わります。夫人はエミリーがアラブ人の男に八つ当たりしていたようだと証言し、その男の詳しい服装を説明しました。夫人とクイントンが散歩に出かけたのが4時頃。キャンプに戻って来たレノックスはエミリーから時計の時刻合わせを頼まれ、4時15分にして彼女の手首に時計をつけたそうです。4時30分、コープと生きる決意を固めたナディーンがエミリーの元へ行きますが激怒され逃げ出します。コープは5時頃キャンプに戻って来ました。その15分後、キャロルがジネブラのテントへ行き彼女を起こします。レイモンドがエミリーと会話した時刻は5時30分。そして6時にエミリーの死亡が発覚します。死亡推定時刻は4時。これでは辻褄が合いません。
死海殺人事件の結末:真犯人
翌日、関係者全員を集めたポアロはそれぞれの嘘を暴きます。ポアロはレノックスがエミリーに話しかけた時点で、既に彼女は殺害されていたと考えていました。レノックスは犯人がナディーンだと勘違いし嘘をつきました。ナディーンは愛するレノックスに自立を促すため、コープに浮気する振りをしていました。犯人が夫である可能性を考え偽証したナディーン。レイモンドとキャロルも互いが犯人だと勘違いし、庇うために嘘をついていました。その後ジョージ6世の戴冠式に場所を移しパーティーに集った一行は、ウェストホルム卿夫人とクイントンを除き同じテーブルに着きます。そこでポアロはウェストホルム卿夫人が犯人だとほのめかしました。犯人がわざわざ注射器を使用したのはエミリーがジギタリスを水にとかして飲んでいる習慣を知らなかったからです。そしてエミリーと夫人のテントは200メートル離れており、アラブ人の細かい服装など見えるはずがありません。夫人は白いシーツを被ってアラブ人のように見せかけエミリーを殺害。夫人はかつてエミリーが看守を務める刑務所に服役していました。それを思い出したエミリーの口を塞ぐために毒殺したのです。その夜ウェストホルム卿夫人は拳銃自殺を遂げました。自殺だと捜査が入ってしまうため、ポアロは銃の暴発事故ということにして欲しいと大佐に頼みます。その後、ボイントン家の子ども達はそれぞれの道へ旅立っていきました。ポアロと大佐はそれを笑顔で見送り、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画 死海殺人事件のあらすじと結末でした。
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