モンテーニュ通りのカフェの紹介:2006年フランス映画。各界のセレブ御用達のカフェには悩みを抱えるお客がいた。新人の給仕ジェシカと関わるうちに彼らは少しずつ悩みに向き合い始める。
監督:ダニエル・トンプソン 出演:セシル・ドゥ・フランス(ジェシカ)、ヴァレリー・ルメルシェ(カトリーヌ・ヴェルセン)、アルベール・デュポンテル(ジャン=フランソワ・ルフォール)、クロード・ブラッスール(ジャック・グランベール)、クリストファー・トンプソン(フレデリック・グランベール)、ダニ(クローディ)、ほか
映画「モンテーニュ通りのカフェ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「モンテーニュ通りのカフェ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「モンテーニュ通りのカフェ」解説
この解説記事には映画「モンテーニュ通りのカフェ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
モンテーニュ通りのカフェのネタバレあらすじ:起・パリに集まった人々
祖母の話に引かれパリへやって来たジェシカは、シャンゼリゼ通りにほど近い、ホテル、劇場、ホール、ブランド店などでにぎわう界隈、唯一のカフェで働かせてくれないかと頼んだ。女性は雇わない主義だったものの、試用期間としてジェシカはカフェの給仕としてことになった。
近くのホールでリハーサルを行っていたピアニストは、マネージャーの妻との関係に悩み、劇場で舞台に立つテレビ女優は自分の仕事に悩み、オークション会場では人生の終わりに自分の持ち物をすべてオークションに出す富豪が準備を始めていた。
モンテーニュ通りのカフェのネタバレあらすじ:承・ジェシカと関わる中で
向かいのホールのピアニストへ軽食を届けたジェシカが、クラシック音楽はあまりわからないと言うと、きらきら星がモーツァルトの曲だと教えてくれた。劇場では、フェドーの脚本の解釈について演出家と今日もそりが合わない女優カトリーヌに、援護射撃。そして、オークション会場を通ろうとしたジェシカはひとつの彫刻作品が妻との思い出の品だと富豪のグランベールに教えてもらった。
グランベールが息子のフレデリックに自分が生きているうちに収集品は全部売ることを話すと、フレデリックは思い出の彫刻も売ってしまうことや、連れ歩ている女性ヴァレリーについても複雑な思いを抱いていた。
宿のないジェシカは夜フレデリックと出会いこのあたりに部屋がないか聞くと、彼はここを通り過ぎる毛皮の女性たちみたいにパパを探せばいいとあしらわれた。彼女はその夜、ホールのシャワー付きの楽屋で眠った。朝起きると鍵がかけられしまい、何とか通用口から表へ出るもそこは屋上だった。
ピアニストはテレビの収録を放って、病院のエントランスでピアノを弾いていた。そこにはたくさんの患者が聞きにやって来ていた。
モンテーニュ通りのカフェのネタバレあらすじ:転・それぞれの転機
ピアニストがホールへ戻り、妻兼マネージャーに、自分が病院や刑務所などを回って演奏をしたい、家も湖のほとりが良いと吐露すると、今まで支えるために何でもしてきたけど、主婦はできそうにないと返されてしまった。
ホテルの部屋を探しているジェシカがロビーでジュースを飲んでいると、グランベールの連れていた女性とフレデリックが話しており、彼らがグランベール氏の知らないうちに関係を持っていて、フレデリックは妻にも離婚されていたことを知った。
カトリーヌは、来仏している映画監督の所に送られていたテレビドラマの映像が目に留まり、ジェシカがいろんな顔のある女優だと言うと、興味を持ち、ディナーのに誘い、新しいサルトルに関する映画について話した。するとカトリーヌは彼女のサルトルとシモーヌ、ボーヴォワールについての持論を展開してしまい、たぶん理解されなかったと落ち込んでホールの管理人の部屋に行った。そこにジェシカも一晩世話になることになった。
一方、ホールから逃げ出したピアニストが壁を破って入って来たオークション会場で、彼はグランベール親子と会いについて語り合った。
夜になってもソファで眠れないジェシカは外に出た、そこで再びフレデリックと出会い、父とピアニストの去ったオークション会場に飾ってあるベッドで、二人は夜を過ごした。
モンテーニュ通りのカフェの結末:それぞれの道へ
コンサート、舞台、オークションが同時に行われる今夜は忙しいとあらかじめ店長からのお達しがあった。そんな中、ジェシカはカフェを辞めると店長に告げた。それらが始まる前に、ホールの管理人を送る会が行われた。そしてジェシカにはマコンから祖母がパリに来ていた。
コンサートで協奏曲の途中で演奏を辞めるとタキシードを脱ぎ捨てTシャツ姿で演奏を再開し、拍手喝采だった。しかし客席に妻の姿はなく、もらった花束をジェシカを待つ祖母に渡した。夜の街で花束に添えられた手紙を読もうとすると、妻がやって来てそれを破りセーヌ川に捨て、抱き合った。
カトリーヌは監督も見に来ている中、舞台の成功を収め、監督から改めてシモーヌ役を演じて欲しいという事と脚本の手直しを手伝ってくれるように頼まれた。
オークション会場では、息子が思い出の彫刻を買い戻そうと気付き落札される前に出品を辞め息子に渡した。
ジェシカは高級ホテルを祖母のために予約し、かつてホテルの掃除婦をしていた祖母の夢を叶え、自分はカフェで待つフレデリックの元へ行った。彼は両親の彫刻を持って彼女を待っていた。
カフェの給仕となったジェシカは、出会った人々に何か舞台的なアドバイスをしたわけではない。けれど、それぞれに行き詰まっていた彼らがが、いわゆるセレブや業界人に囲まれていた彼らが、素人のジェシカに掛けられた一言はそれぞれが行動を起こしたり、悩みに立ち向かうには十分新鮮な一言だったに違いない。