ベジャール、バレエ、リュミエールの紹介:2002年スイス映画。リヨンで公演される光をテーマにした新作の振付まっただ中のモーリス・ベジャール。迷路からなかなか抜け出せない作品は果たして完成するのか。
監督:マルセル・シューバッハ 出演:モーリス・ベジャール、ジル・ロマン、エリザベット・ロス、小林十市、クリスティーヌ・ブラン、ジュリアン・ファヴロー、オクタヴィオ・スタンリー、モーリス・ベジャール・バレエ団
映画「ベジャール、バレエ、リュミエール」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ベジャール、バレエ、リュミエール」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ベジャール、バレエ、リュミエール」解説
この解説記事には映画「ベジャール、バレエ、リュミエール」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ベジャール、バレエ、リュミエールのネタバレあらすじ:起・光を振りつける
自分は振付家以外にはなれない。映画監督になりたかったダンサーが、振付家になっていたと語るベジャール。1960年の「ボレロ」から40年経った今、新作「光」の製作に取り組んでいる。音楽に合わせ振付の指導を行う氏は、ヴィジョンははっきりあるけれど、振付が迷路から抜けず、言葉にできない。音楽をかけながら、ダンサーと一緒に振付を考えている。今は曲に振付ているけれど次はわからない。バッハとバルバラ、ブレル。基がしっかりしていれば音楽にも、物語にも振りつけることができる。今回は光がテーマで振付をしている。
ベジャール、バレエ、リュミエールのネタバレあらすじ:承・ベジャールの振付
光はリュミエール兄弟ゆかりの地、リヨンの古代ローマ劇場で公演される。 すべての芸術作品に光は必要。生まれて初めて光を発見する。それが誕生するという事だと考える氏の作品は、まだどう完成するかわからない。登場人物も増えるだろうし、振付もまだ完成していない。 氏は振付をする時にメモを取らない。ダンサーの動きを掴むのにそれは邪魔なもの、氏にとって、準備されたものは嘘でしかない。 迷路の出口でさまよっている氏は、衣装デザインのジャン=ポールと衣装についての打ち合わせを始めた。二ヶ月を使い、試作した衣装で実際にダンスをしてからも、衣装と振付には手直しが入った。 スタジオには純粋な光があると氏は言う。歌手のバルバラとの友情は彼女が死ぬまで35年続き、彼女は彼にとって黒い光だった。 振付の動きを探す時、鏡を見て踊る。水泳と同じで、音楽が水でその中で泳ぐ時、自然な動きが出ると考えているからだった。 ゲーテは死ぬとき、「もっと光を」と言った。自分が死ぬ時が来たら若い人にもっとダンスをと言いたいと氏は語る。
ベジャール、バレエ、リュミエールのネタバレあらすじ:転・新作発表会見で
会議室で行われた会見で、新作の光がまだ答えを探している段階、まだ完成していないと氏は隠すことなく話した。今回の作品でまた驚かせてくれるのかという記者の質問に、驚きが無ければやめているとキッパリ言った。 模索中のまま、スタジオのあるローザンヌの郊外マレーの劇場で「光」の試演を開始した。作品は弱い所を補って強くなってはいるけれど、まだ完成ではなかった。 未完成の作品の試演は、手直しができると言う点で、映画におけるカメラテストのような意味合いがあった。 また、衣装はなしの音楽とダンサーだけの公開練習も行い、拍手を送られた。振付師ベジャールはダンスを辞めたわけではなく、振付の都合で踊らないだけで、舞台を踏んでいる。 映画を発明したリュミエール兄弟も登場させ、楽しい舞台にさせたいと言う氏は、根っからの映画ファンで、バレエと同時に映画を学んだ。パリやブリュッセル、ローザンヌではシネマテークに通い、映画を見ていた。それは自分が生まれる前の作品が多かった。
ベジャール、バレエ、リュミエールの結末:初演まであと十日
初演の十日前、リヨンの古代ローマの野外劇場にダンサー達のシルエットが映される。日が落ちるまで練習しても満足しない。やがて土砂降りの雨が降り始め、舞台が滑るからと、練習は中止した。 なかなか止まない雨の中、ダンサーと振付はできているけれど、通し稽古ができていないので作品のリズムを掴み切れていない。舞台にはリュミエール兄弟の他に、リヨンで生まれサン=テグジュペリの名作から、星の王子さま役の少年も増えた。 6月19日、舞台は初日を迎え、盛大な拍手がベジャールに送られた。拍手を送られる時、みなが氏をベジャールと呼ぶ。その時ベジャールは、自分の別の名であるビムに白紙を送った。1927年1月1日、マルセイユでモーリス・ベジャール、が誕生したまたの名をビム。家族のフィルムの中で、ビムは楽しそうに踊っている。
この映画の感想を投稿する