ヴィーガンズ・ハムの紹介:2021年フランス映画。完全菜食主義者であるヴィーガンを、肉屋を営むヴィンセントとソフィの夫婦が偶然殺害し、その肉を販売して大好評を得たことで、夫妻がもう二度と後戻りの出来ない道を突き進むことになります。人間の本質的な点をついたブラックコメディホラーです。
監督:ファブリス・エブエ 出演:マリナ・フォイス(ソフィ)、ファブリス・エブエ(ヴィンセント)、ジャン=フランソワ・キ エレイ(マルク)、ヴィルジニー・ホック(ステファニー)、リサ・ドゥ・クート・テイシェイラ(クロエ)、ヴィクトール・ムトレ(リュカ)、ほか
映画「ヴィーガンズ・ハム」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ヴィーガンズ・ハム」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ヴィーガンズ・ハム」解説
この解説記事には映画「ヴィーガンズ・ハム」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ヴィーガンズ・ハムのネタバレあらすじ:起
肉に対して強いこだわりを持つ肉屋のヴィンセント(ファブリス・エブエ)、結婚30年となりますが冷め切った関係の妻ソフィ(マリナ・フォイス)と暮らしています。
肉屋の経営もままならず破綻寸前となったある日、ヴィーガンだという動物の覆面を被った集団に襲われてしまいます。ヴィンセントはどうにか一人を取り押さえ、覆面を取り男の顔を見ますが、男も必死になり暴れたため、取り逃がしてしまいます。
何日か経ち、ソフィの友人ステファニー(ヴィルジニー・ホック)に招待され、夫マルク(ジャン=フランソワ・キ エレイ)が肉屋として成功しているステファニー宅を訪れます。
ヴィンセントは肉を量産するために薬を使用しているマルクのやり方があまり好きではなく、マルクの話も自慢話ばかりなので嫌気がさしていたヴィンセントは、ソフィと帰り道で口論してしまいます。それが原因で、翌日ソフィから離婚届を突き出されてしまいます。
ヴィーガンズ・ハムのネタバレあらすじ:承
訳が分からないヴィンセントでしたが、街で先日襲われたヴィーガンの一人を発見し、逆上してしまい後先考えず男を車で轢き殺してしまいます。我に返りソフィに相談すると、かつて猟奇殺人を実行した犯人が死体を解体しゴミ箱に捨てたことを思い出したソフィが、ヴィンセントにもそれを実行するよう指示します。
仕方なくヴィンセントは死体を食肉解体し、酷く疲れたヴィンセントは眠ってしまいます。
ヴィンセントが目を覚ますと、開店時間になっていました。ソフィはいつものように豚肉を加工して作ったハムを店頭に並べます。しかし、それは豚肉ではなくヴィーガンの死体からできたものでした。皮肉にもその日のハムはすこぶる好評で、評判となります。
皆からどこから仕入れたのか問われたヴィンセントは、イランの農場から仕入れたと嘘をついてしまいます。その後もヴィーガンの肉は好調に売れ、やがて肉がなくなってしまいます。ヴィーガンの肉を加工したハムが売れると判断したソフィは、あろうことか次のヴィーガンを探すようヴィンセントに指示しました。
乗り気でないヴィンセントを強引に説伏せ、次のヴィーガンを探すことになったヴィンセントは、ヴィーガンを誘き寄せるため動物殺害反対の運動を始めます。その運動に興味を持った1人のヴィーガンに誘われ、ヴィンセントとソフィは肉屋襲撃に参加することになりました。
ヴィーガンズ・ハムのネタバレあらすじ:転
襲撃のメンバーにはヴィンセントの店を襲ったカミーユも参加していました。カミーユにどこかで会ったか問われましたが、2人はシラを切ります。襲撃のターゲットとなったのはマルクの肉屋でした。嫌がるソフィとは対象的に、ノリノリになったヴィンセントはマルクの肉屋を破壊しまくるのでした。
結局ヴィーガンの肉が手に入らなかった2人には、もう1つ悩みの種がありました。それは娘のクロエ(リサ・ドゥ・クート・テイシェイラ)の恋人リュカ(ヴィクトール・ムトレ)がヴィーガンで肉屋の2人をことあるごとに罵倒することでした。
ヴィーガンのハムを売れば経営難は脱せるのに、未だ煮えきえらないヴィンセントに痺れを切らしたソフィは、ヴィーガンの男を誘惑して自宅へ連れてきました。ソフィはヴィンセントに男を殺すよう命じますが、ヴィンセントは嫌がります。
しかし、男と話をしようとしたヴィンセントが、男からソフィの事を侮辱されたことで逆上し、男を殴り殺してしまいます。男をハムにして販売すると、やはり大盛況となりました。
このことで吹っ切れたヴィンセントは、ヴィーガン狩りを進んでやるようになったのです。ある日、ヴィーガンを探しに行った場所にリュカがいて、さらにカミーユもいたため、肉屋であることがバレてしまいました。
数日後、ターゲットに決めたヴィーガンのウィニーを襲いますが、殺しそこねてしまいました。しかし、その後心臓発作でウィニーは死んでしまいます。ヴィンセントはウィニーを調理してステファニーとマルクに振る舞います。
ヴィーガンズ・ハムの結末
しかし、肉の中にウィニーの使っていたペースメーカーが見つかり、ステファニーたちに怪しまれてしまいました。するとヴィンセントは、ステファニーを罵倒しマルクの耳を噛みちぎって帰りました。その頃からヴィンセントは、人の肉を食べたことで日に日に凶暴になる自分に悩むことになります。
ある日、リュカが突然訪ねてきました。心変わりしたリュカは肉屋であるヴィンセントを罵倒してきたことを謝罪しにきたのです。そんなリュカをソフィは殺そうとしたので、ヴィンセントは止め、リュカを逃がしました。
それ以降、ヴィンセントはヴィーガンのハムを売ることをやめたのです。結局肉屋の売上は以前のように客足は遠くなりました。そのことで喧嘩したヴィンセントとソフィ、ヴィンセントは頭を冷やすため散歩に出かけます。
ソフィが一人になっている間に、密かに狙いを定めていた人物がいました。カミーユです。仲間を引き連れてソフィを襲います。そこにヴィンセントが散歩から帰ります。そこから形勢逆転した2人はカミーユたちを次々と殺していきました。
数日後、ステファニーとマルクの証言を元に、ヴィンセントたちの殺人が明るみになることになりました。
終身刑を言い渡された2人は、30人ものヴィーガンを殺した殺人鬼として伝説となったのです。裁判に立ったソフィは、唯一の後悔はウィニーのペースメーカーだったと証言するのでした。
以上、映画「ヴィーガンズ・ハム」のあらすじと結末でした。
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