バトルクリーク・ブローの紹介:1980年アメリカ,香港映画。シカゴに帰ったカンフーの達人のジェリーは、父の店に嫌がらせをするマフィアの手下を痛めつけました。このことでボスに認められたジェリーは、兄の婚約者を人質にとり、テキサスで行われるバトルクリークに出ろとジェリーに迫りました・・という内容のジェッキー・チェン主演のアメリカ進出の初作品です。
監督:ロバート・クローズ 出演者:ジャッキー・チェン(ジェリー)、ホセ・ファーラー(ドミニク)、クリスチーヌ・ド・ベル(ナンシー)、マコ(ハーバート)ほか
映画「バトルクリーク・ブロー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「バトルクリーク・ブロー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
バトルクリーク・ブローの予告編 動画
映画「バトルクリーク・ブロー」解説
この解説記事には映画「バトルクリーク・ブロー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
バトルクリークブローのネタバレあらすじ:起
シカゴでは、バトルクリークという格闘技が行われていました。この格闘技ではマフィアが賭博を行っていました。マフィアのボスであるドミニク(ホセ・ファーラー)の配下の男が、対抗組織のマフィアのボスであるモーガン(デビッド・シェイナー)の配下のビリー・キッス(ハードボイルド・ハガティ)に負けました。
一方、街ではドミニクの手下が、中国人クワン(チャオ・リー・チー)の経営するレストランにショバ代を要求しますが、クワンは一銭も払いませんでした。包丁で脅され、暴行を受けたところへ、息子のジェリー(ジャッキー・チェン)が彼女のナンシー(クリスチーネ・デベル)と帰って来ました。父がやられたと聞いて、ジェリーはドミニクの手下ら3人を痛めつけました。
父のクワンはジェリーに死んだ母との約束だと言って、ケンカをするなと叱りつけました。ジェリーは叔父のハーバート(マコ)の道場へ行きました。ハーバートはカンフーの師匠でジェリーに厳しく教えていました。
ドミニクの家に、甥のデイビットとジョンがやって来ました。ジョンら3人がクワンの息子にやられたことを報告し、デイビットは痛い目に遭わすと息巻くと、ドミニクは決して殺すなと忠告しました。
バトルクリークブローのネタバレあらすじ:承
ジェリーとローラは賞金目当てで、友人のジャグと3人でローラースケートレースに出ました。ここにはデイビットがいて、勝負する2チームに「ジェリーらを負かせたら余分に金を払う」と持ちかけました。レースが始まると、二つのチームはジェリーらのチームの邪魔をし始めました。それでも優勝したのはジェリーたちでした。
一人で帰るジョグが襲われました。ジョグは瀕死の状態で見つかり、ジェリーの兄の病院に運ばれました。ドミニクはジェリーではなく友人を痛めつけたことに怒り、デイビットを責めました。そしてドミニクはジョンに指示し、ジェリーを、カンフーの出来る男二人に襲わせました。ドミニクは、いとも簡単に倒したジェリーを見て感心しました。
ジェリーが父の店にいると、兄のロバートがやって来て、顔を見たことのない婚約者のメイが来るので迎えに行ってくれと頼みました。時間が迫っていたので店の前のタクシーに乗ると、それはドミニクの配下の男でした。出迎えたメイをさらわれたジェリーは、ドミニクの家に呼ばれました。
バトルクリークブローのネタバレあらすじ:転
ドミニクは、テキサスで行われるバトルクリークに出てくれたらメイを返すと言いますが、ジェリーは逆に、優勝したら賞金をもらい、さらに、父の店には出入りしないでくれと言いました。ドミニクは条件をのみました。しかしメイを連れて帰らないと兄が困ると言うと、ドミニクはランという女を準備し、連れ帰らせました。
シカゴに帰ったジェリーはハーバートの特訓を受け始めました。そしてジェリーとハーバートは夜、ドミニクの家に忍び込みました。手下どもを次々倒すと、ドミニクが出てきて、見込んだ通りの男だと褒めました。
ドミニクに冷遇されるデイビットは、ライバルのモーガンに会っていました。「ビリー・キッスが優勝できるようにしたら、ドミニクを引退させてお前を跡目にするよう手を回してやる」とモーガンに言われたデイビットは、ジェリーを負けさせる計画をたてました。
バトルクリークブローの結末
テキサスのバトルクリークが始まりました。ビリー・キッスとジェリーは順当に勝ち進み、翌日の決勝へと進みました。その夜、ハーバートがデイビットに拉致されました。
決勝戦の当日、ナンシーに男が帽子を渡しました。それはハーバートの帽子でした。中に手紙があり『ジェリーが負けたらハーバートを返す』と書かれていました。ジェリーに知らせるも、試合は始まりました。攻撃できないジェリーはビリーの攻撃をかわすだけでした。ハーバードは隙を見て、縛られたままカンフーを使い、逃げ出しました。そしてジェリーに「大丈夫だ」と合図しました。
安心したジェリーはカンフー攻撃で攻め立て、ビリーを叩きのめしました。優勝トロフィーをもらったジェリーはナンシーと喜びを分かち合っていると、ドミニクが近寄って来て『よくやった、約束はシカゴで果たす』と言って帰るのでした。
以上、映画「バトルクリーク・ブロー」のあらすじと結末でした。
この映画「バトルクリーク・ブロー」は、製作総指揮レイモンド・チョウ、監督ロバート・クローズ、音楽がラロ・シフリンという「燃えよドラゴン」の黄金トリオが手掛けた、ジャッキー・チェンのアメリカ進出第1作目の作品だ。
シカゴの中華料理店の次男坊がジャッキーの役だが、香港映画でお馴染みのユーモラスなタッチを生かし、親父をいじめに来たギャングの手下どもと闘う場面からして、やたらと強そうな相手が殴りかかってくるのを、いかにもひ弱そうな恰好でかわすと、それがそのまま鮮やかな攻撃になって相手はダウンといった、愉快なアクションぶりを見せてくれる。
ただ、お話そのものは「燃えよドラゴン」に比べて、全く面白くない。
アメリカ映画では、何度も描かれている”ストリート・ファイト”が中心だからだ。
相手を抱きしめてキスして、背骨を砕いて殺すという残忍な元全米プロレス・チャンピオンのH・Bハガティとテキサスでの選手権大会で対戦するクラスマックスまで、恋人役のクリスティン・ド・ベルをお相手にのんびりと、おトボケの場面を展開していくのは、なかなか楽しめる。
ローラー・スケートレースなんてドタバタのお笑い場面も盛り込んであるし、場面の展開も演出も、香港映画の作品に比べれば遥かにまともな作品なので、アメリカ進出第1作目としては、まずまずだろう。
しかし、ある面では、香港映画的な風土なるがゆえに生かされていた、ジャッキーのユーモラスな魅力が半減していることも確かだ。