バロウズの妻の紹介:2000年アメリカ映画。『裸のランチ』等で知られる作家ウィリアム・S・バロウズとその妻ジョーンを軸に、報われない愛を描いたドラマ&ロマンス作品。メキシコで困窮した生活を送っているジョーンは、若いボーイフレンドに執着する夫にやるせなさを抱いていた。そんな折、旧友ルシアンとアレンが訪ねて来る。ルシアンに愛を告げられても、ジョーンが想いを寄せるのはバロウズただ1人だった。報われない愛はやがて悲劇的な結末へと彼らを導いていく。ウォーキング・デッドでダリル役を演じたノーマン・リーダスが出演。
監督:ゲイリー・ウォルコウ 出演者:コートニー・ラヴ(ジョーン・ヴォルマー)、ノーマン・リーダス(ルシアン・カー)、ロン・リヴィングストン(アレン・ギンズバーグ)、キーファー・サザーランド(ウィリアム・S・バロウズ)、カイル・セコー(デイヴ・カマラー)ほか
映画「バロウズの妻」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「バロウズの妻」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「バロウズの妻」解説
この解説記事には映画「バロウズの妻」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
バロウズの妻のネタバレあらすじ:始まりの夜
舞台は1944年のアメリカ、ニューヨーク。アパートの一室では数人の学生が集まり、酒やドラッグを楽しんでいました。参加者のルシアン・カーは不思議な魅力の持ち主で、男女関係なく人を惹きつけています。現在は友人のデイヴ・カマラーから熱狂的な愛を受け困惑していました。共通の友人であるウィリアム・S・バロウズは、最悪の結果になる前にニューヨークを離れるべきだと忠告します。ルシアンは旅立ちの決意をしますが、酒の買い出しでデイヴと2人きりになってしまいました。立ち寄った公園で無理やり犯されそうになったルシアンは、デイヴを刺殺。その後バロウズの助言で自首することにします。時は流れ、1951年のメキシコ・シティー。バロウズはルシアンとも親しいジョーン・ヴォルマーと結婚し、スラム街で貧しい生活を送っていました。子どもも2人授かりましたがバロウズは家庭を顧みず、若いボーイフレンドのリーとグアテマラへ旅行に出かけてしまいます。そこへ久しぶりにやって来たのはルシアンと、友人アレン・ギンズバーグでした。ジョーンは旧友との再会を心から喜び、近所の酒場に誘います。アレンは残ることを希望したため、ジョーンはルシアンと2人で出かけました。そこでグアダラハラの手前にある火山のことを知ったジョーン達は、退屈を晴らすために行ってみることにします。
バロウズの妻のネタバレあらすじ:愛に苦しむ人々
翌朝。子ども達を預けたジョーンは、ルシアン、アレンと一緒に車で出発しました。野宿した次の朝、ジョーンとアレンは眠るルシアンのそばで今後の話をします。アレンは自分達と一緒にニューヨークへ帰ろうとジョーンに提案しました。バロウズはヘロイン使用の容疑をかけられているので帰国出来ません。彼を置いていけないと言うジョーンに、かつてバロウズと関係を持っていたアレンは「彼は“吸血鬼”だ 人を吸い尽くす」と語りました。それでもジョーンはバロウズのことも、子ども達のことも愛しているのです。アレンはルシアンに恋をしていることを明かしました。けれど気付かれれば嫌われてしまうと考え、ずっと黙っているのです。皆愛に苦しんでいると呟くジョーン。その会話を、寝たふりをしていたルシアンが聞いていました。その後溶岩に飲み込まれたという町を見に行ったジョーンは、ルシアンが朝の会話を聞いていたことに気付きます。キスしようと近付くルシアンを拒絶したジョーンは、「あなたは片想いなんかしない」と言いました。帰路に就いたその夜、ルシアンはジョーンに帰国を勧めました。しかしジョーンは、自分達は呪われているから上手くいかないと話します。ルシアンはデイヴの亡霊に、ジョーンはルシアンに。2人は肉体関係を結んで朝を迎えますが、やはりジョーンの心は揺らぎませんでした。自分と子ども達の面倒を見ていく覚悟があるのか尋ねるジョーンに、ルシアンは分からないとしか答えられません。
バロウズの妻のネタバレあらすじ:別れ
一方リーとグアテマラを旅行していたバロウズは、そっけないボーイフレンドに不満を抱いていました。2人は「セックスは週に2回」という契約を交わしており、リーは必要以上にバロウズに近付きたくないようです。愛情を示したいだけだと話すバロウズに、リーは家族を愛してやれと言いました。バロウズは愛とセックスは違うと反論します。ジョーン達はスラム街の家に戻って来ました。バロウズはまだ帰っていません。ルシアンは最後のチャンスに縋るように、一緒に帰ろうとジョーンに訴えました。しかしジョーンの答えは「いいえ」のみ。肩を落としたルシアンとアレンは車に乗り込みます。ジョーンは涙を堪えて去っていく車を見送りました。その後、見計らったようにバロウズが帰って来ます。彼はリーへの不満を吐き散らしました。ルシアンやアレンと会えて楽しかったと話すジョーンに、別れたいのかと尋ねるバロウズ。ジョーンはニューヨークへ戻るかも知れないと伝えました。ジョーンはベッドでバロウズの体に腕を回しますが、邪魔そうに払われてしまいます。「多くは望まない たまに抱きしめてほしいだけ」と呟くジョーンに、バロウズは何も言いませんでした。
バロウズの妻のネタバレあらすじ:ジョーンの覚悟
翌日。銃を売って金を作るために訪れた酒場で、ジョーンとバロウズはリーの姿を見つけます。不躾に旅行の感想を尋ねるジョーンに、部屋は気まずい雰囲気に包まれました。ジョーンが退屈を訴えると、バロウズはウィリアム・テルごっこをしようと言い出します。ジョーンは笑顔で立ち上がり、酒のグラスを頭に乗せました。バロウズは距離を取ってその正面に立ち、銃を構えます。バロウズもリーも冗談だと思っていましたが、ジョーンの本気の目を見て笑いを引っ込めました。ジョーンはバロウズを真っ直ぐ見つめ、「撃ちなさいよ」と言います。震える銃口は発砲直前に少しだけ下を向きました。銃声が響き、血を流して倒れるジョーン。銃弾が撃ち抜いたのはグラスではなく、彼女の頭でした。バロウズは遺体を抱きしめ、狂ったように「助けてくれ!」と泣き叫びます。
バロウズの妻の結末:その後の人生
バロウズは後に、「ジョーンの死がなければ作家にはならなかったろう」と人生を振り返りました。事故後、バロウズは優秀な弁護士を雇い、銃が暴発したと主張して殺人罪を免れました。その後『裸のランチ』に代表される数々の著作を発表。彼は生涯銃の愛好者だったそうです。バロウズらの人生に触れ、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画バロウズの妻のあらすじと結末でした。
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