ベン・ハーの紹介:1925年アメリカ映画。ルー・ウォーレスのベストセラー小説の権利所有者の承諾を得た最初の映画化。イタリアで撮影が始まったが製作は困難を極め数々の逸話を残した。溺れ死んだエキストラがいると噂された海戦シーン等、1959年版に劣らないスペクタクル作品になっている(ウィリアム・ワイラーも1925年版の数多くの助監督の一人だった)。部分的に二色テクニカラーが採用されている。
監督:フレッド・ニブロ 出演者:ラモン・ノヴァロ(ベン・ハー)、フランシス・X・ブッシュマン(メッサラ)、メイ・マカヴォイ(エスター)、クレア・マクドウェル(ベン・ハーの母)、フランク・カリアー(アリウス)、ベティ・ブロンソン(聖母マリア)その他
映画「ベン・ハー(1925年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ベン・ハー(1925年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ベン・ハー(1925年)」解説
この解説記事には映画「ベン・ハー(1925年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ベン・ハーのネタバレあらすじ:救世主の誕生
ローマ帝国の絶頂期、属領のユダヤは圧政に苦しんでいた。12月24日、エルサレムを出てベツレヘムに着いたナザレの大工ヨハネと妻マリアだが宿はどこにもない。かつて羊飼いだったダビデ王が使っていたという洞窟に泊ることになる。夜、明るい星を目指して砂漠を旅してきた三人の博士がマリアから生まれた子供に礼拝する。人々はユダヤの王の誕生を祝った。
だが年月が流れてその子供のことは忘れ去られた。
ベン・ハーのネタバレあらすじ:復讐を誓うベン・ハー
エルサレムの人々は新総督に財産や命を奪われるのはと恐れている。ユダヤの王族であるハー家でも信頼する奴隷のサイモニデスに財宝をアンティオキアに移すことを委ねた。サイモニデスにともなわれて初めてエルサレムに来た娘のエスターのけがをした鳩を街で一人の青年がつかまえてくれる。だが彼女はそれが若主人ジュダ・ベン・ハーと知ることはなかった。
ジュダは新総督の部下としてエルサレムに帰って来た幼なじみのメッサラにとの再会を喜んだが、メッサラが今やローマ人の偉大さを信じて疑うことがないのに失望する。
新総督一行が街をパレードする。屋上からハー一家はそれを見物するが石のタイルが壁から外れ落ち総督に当たってしまう。メッサラ率いる兵士たちが反逆の意思のないジュダや母や妹のティルザを連行する。メッサラに対してジュダは復讐を誓う。
ベン・ハーのネタバレあらすじ:ガレー船
ジュダをはじめとし奴隷としてガレー船の底でオールを漕ぐことになった男たちは砂漠を歩かされる。ナザレで護送の兵士たちは水を飲むが、いじめでジュダには飲ませない。だが、大工の息子が彼に一杯の水を与える。
司令官アリウスがガレー船の底を視察する。彼は一人だけ生きる意欲を失わない奴隷らしからぬ男に気づき声をかける。ジュダは既に三年間オールを漕いで過ごしていた。
艦隊が海賊に遭遇する。戦闘が始まるとオール漕ぎの奴隷たちは鎖につながれるが、アリウスはジュダの鎖を解かせる。海賊船がガレー船にぶつかり、奴隷たちも多く死ぬがジュダは甲板に逃れ、敵に囲まれたアリウスを助ける。
ローマの艦隊が瓦礫に乗って漂流するアリウスとジュダを発見する。アリウスは勝利をもたらした司令官として祝福され、ジュダを自分の養子と宣言する。
ベン・ハーのネタバレあらすじ:戦車競走
アリウス二世となったジュダは競技会で次々と好成績を収めローマで有名になる。しかし母と妹の行方は分からずじまい。直に探すと決めアンティオキアに旅する。富豪となったサイモニデスとエスターに会うが、サイモニデスは母と妹は死んだとあきらめていた。
その地で行われる戦車競走でジュダはアラブ人の族長イルデリムの馬を駆ることになる。最初は競争参加の依頼を固辞していたが、優勝候補がメッサラと知って翻意する。アリウス二世でなく無名のユダヤ人としてエントリーする。死んだと信じていたジュダの出現にメッサラは驚く。ジュダはメッサラを破産させるために彼を挑発し多額の金をレースに賭けさせる。レースで先行したメッサラは、ジュダに並ばれると馬でなくジュダに鞭をふるう。しかしメッサラの戦車の車輪が壊れて彼は重傷を負い、ジュダが優勝する。
復讐を果たしたがジュダの心は晴れない。しかしかつての三博士の一人バルタザールがイルデリムを訪れヨハネとマリアの子が成人したことを話す。彼がローマの圧政から人々を救うはずだと。その男がジュダの希望となった。愛するエスターに別れを告げて旅立ち、ユダヤの王のための軍団を組織し始める。
ベン・ハーの結末:奇跡
ユダヤの新総督ピラトゥは罪の記録のない囚人を解放する。地下牢で見捨てられていたジュダの母とティルザも牢を出される。かつての屋敷に行き、ちょうどエルサレムに帰還したジュダが寝ているのを見るが、伝染病で汚れた姿をジュダに見せたくはなかった。ジュダに遅れて到着したエスターが二人に気づくがジュダには教えないように口止めされる。
ナザレのイエスが捕まえられ。十字架にかけられ群衆の間を歩かされる。ジュダは軍団が間もなく到着するとイエスに呼びかけるが「剣はさやに収めよ。私は人を滅ぼすために来たのではない」というイエスの声がジュダの心に聞こえる。群衆の中にはイエスが病気を治すという話を聞いたエスターが連れてきたジュダの母とティルザもいた。イエスによって二人の病気は治り元のきれいな顔になる。ジュダは二人と再会を果たす。
イエスが処刑され、行軍を止めたジュダの軍団にはイエスの平和を説くことばが伝えられる。イエスは死なず人々の心に生き続ける。
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