黒水仙の紹介:1946年イギリス映画。パウエルとプレスバーガーのコンビがヒマラヤ山の女子修道院に住む尼僧たちの人間模様を描いた異色作。ジャック・カーディフによるテクニカラーの撮影は映画史上最も美しいもののひとつとされている。
監督:マイケル・パウエル、エメリック・プレスバーガー 出演:デボラ・カー(シスター・クローダー)、フローラ・ロブソン(シスター・フィリッパ)、ジーン・シモンズ(カンチ)、デヴィッド・ファーラー(ディーン)
映画「黒水仙」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「黒水仙」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
黒水仙の予告編 動画
映画「黒水仙」解説
この解説記事には映画「黒水仙」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
黒水仙のネタバレあらすじ:起
カルカッタにあるカトリックの女子修道院に暮らす尼僧クローダーは、修道院長に呼び出され、ある新しい女子修道院への赴任を命じられます。そこはヒマラヤの山中にあり、クローダーはそこの院長になる予定です。高位にいる尼僧の中には年齢が若すぎると反対する人間もいましたが、彼女の勤勉さを買われての抜擢人事でした。早速、クローダーはフィリッパ、ルースなど、4人の尼僧仲間とともにヒマラヤへ。
黒水仙のネタバレあらすじ:承
修道院となる建物は、領主トゥダ・ライの寄付によるものです。そこは彼の父親が以前愛人たちを住まわせたという後宮でした。そのせいか内部にはどこか尼僧たちの心を乱す雰囲気が漂っており、静かな生活を望んでいた彼女たちにとって相応しいとは言えません。それでも進取の気性に富むライの希望もあって、子供や女性のための学校や医療施設も併設し、地元民のために奉仕する活動に精を出すことになります。
黒水仙のネタバレあらすじ:転
しかし、文化の違いや環境から来る孤独感は癒やし難く、彼女たちの信仰心まで揺らぎ始めるのです。やがて、領主の元で働くイギリス人・ディーンの存在が、さらに重く彼女たちの生活に影響してきます。他に白人がいないこともあって、ただでさえ男性的魅力のある彼に、ルースはもちろん、院長であるクローダーまでが心惹かれるものを感じてしまいます。結局、それが悲劇を産むことに。元々精神が不安定で、もはや信仰生活を捨てるつもりになっていたルースがディーンの住居を訪れ、彼に愛を告白。しかし色恋沙汰に興味のない彼は彼女を追い返してしまいます。
黒水仙の結末
クローダーとディーンの仲を邪推していたルースは、恋が実らなかったことでクローダーへの憎しみをつのらせる結果となり、ちょうど鐘をつくために敷地内の高い崖の縁にいた彼女を突き飛ばす行為に出ます。クローダーは危うく転落死するところを縄にぶら下がり助かりますが、突き飛ばしたルースの方が足を滑らせ、落下。不祥事があったことで修道院経営は中止されることとなり、落胆を覚えながら尼僧たちはカルカッタへ戻っていきます。
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