ブッチ・キャシディ -最後のガンマン-の紹介:2011年スペイン映画。アメリカン・ニューシネマの傑作「明日に向って撃て!(1969年)」の主人公、ブッチ・キャシディが実は生きていたという設定で描かれる西部劇。ボリビアで1人老境を生きるブッチ・キャシディは、ジェームズ・ブラックソーンと名を変えて静かに暮らしていた。老いた彼は帰郷を決意し、全財産を馬に積んで出発する。しかしスペイン人技師エドゥワルドの銃撃で馬ごと財産を失ってしまった。ブラックソーンはエドゥワルドが大金を隠しているという鉱山へ向かうが、その後ろには追っ手が迫っていた。
監督:マテオ・ヒル 出演者:サム・シェパード(ジェームズ・ブラックソーン(ブッチ・キャシディ))、エドゥアルド・ノリエガ(エドゥワルド)、スティーヴン・レイ(マッキンリー)、マガリ・ソリエル(ヤナ)、ニコライ・コスター=ワルドー(若き日のブッチ)ほか
映画「ブッチ・キャシディ 最後のガンマン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ブッチ・キャシディ 最後のガンマン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ブッチ・キャシディ -最後のガンマン-の予告編 動画
映画「ブッチ・キャシディ 最後のガンマン」解説
この解説記事には映画「ブッチ・キャシディ 最後のガンマン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ブッチ・キャシディ -最後のガンマン-のネタバレあらすじ:1.最悪の出会い
舞台は1927年、ボリビア。老人がアメリカに住む青年ライアンへ手紙を書いています。老人の名はジェームズ・ブラックソーン。山奥で牧場を経営しながら細々と暮らしています。しかしその正体は、20世紀初頭に北米を騒がせた伝説的強盗団のリーダー、ブッチ・キャシディ。1908年、相棒のサンダンス・キッドと共に死亡したと思われていた彼ですが、実は生き延びていたのです。名前を変えてボリビアで暮らしてきましたが、終焉の地を故郷と決めてアメリカへ帰ることにしました。愛人ヤナに別れを告げ、全財産を馬に積んで出発したブラックソーン。ところが荒野を渡っている最中、突然の銃声に馬が驚いて逃げてしまいます。銃撃したのはエドゥワルドというスペイン人でした。彼はブラックソーンに「俺を尾けてる奴らだと思った」と弁明します。エドゥワルドは大富豪パティーニョの金を盗み、それをすず鉱山に隠したことで追われていました。ブラックソーンは金の山分けを条件に、エドゥワルドを助けてやることにします。
ブッチ・キャシディ -最後のガンマン-のネタバレあらすじ:2.鉱山へ
ブラックソーンはエドゥワルドを連れて小さな居酒屋に寄り、銃と酒、そしてラバを調達しました。エドゥワルドが金を隠した鉱山は8年前から無人のすず鉱山です。技師であるエドゥワルドは、すずが残っていないか調査するため所有者のパティーニョに雇われました。鉱山に入ったブラックソーンとエドゥワルドは無事金を手に入れ、迫る追っ手からも何とか逃げおおせます。大仕事をやり遂げた2人はようやく打ち解けました。ブラックソーンは一休みするため、エドゥワルドを連れて牧場へ帰ることにします。その道すがら、ブラックソーンは昔を思い返していました。――1905年、アメリカを離れアルゼンチンのサンフアンにたどり着いたブラックソーンとサンダンス・キッド。追っ手は撒いたものと思っていましたが、探偵社のマッキンリーに見つかってしまいました。このまま逮捕されるかと思ったところへ、仲間でサンダンスの恋人エッタ・プレイスが現れ一瞬で場を制します。3人はマッキンリーの手から逃れ、また旅を始めるのでした。
ブッチ・キャシディ -最後のガンマン-のネタバレあらすじ:3.報復
家に着いたブラックソーンは、エドゥワルドにライアンのことを話します。ブラックソーンはライアンの母を愛していましたが、彼女は2か月前結核で死亡しました。そこでブラックソーンはアメリカへ帰り、会ったこともないライアンと余生を過ごすことにしたのです。翌朝。ヤナを腕に抱いて眠ったブラックソーンの家に、先住民の女性2人がやって来ました。彼女達はエドゥワルドを狙う追っ手です。ブラックソーンは銃撃されて負傷し、応戦したヤナは殺害されてしまいました。追っ手はエドゥワルドが射殺しましたが、ブラックソーンはヤナの死に深く悲しみます。しかし追っ手から逃れるためにはすぐに出発しなければなりません。ブラックソーンは心身に深いダメージを負ったまま、エドゥワルドと逃走を再会しました。痛みに呻くブラックソーンが思い出すのは、エッタとの別れの場面です。――妊娠した彼女は子どもを守るため、1人アメリカへ帰ることにしました。子どもの名前について聞かれたエッタは、「ライアンよ」と答えます。
ブッチ・キャシディ -最後のガンマン-のネタバレあらすじ:4.限界の果ての真実
ブラックソーンとエドゥワルドは、馬でウユニ塩湖を渡り、アンデスを越える計画を立てました。しかし塩湖を渡る旅は過酷を極めます。追っ手が迫る中、ブラックソーンは二手に別れることを提案しました。エドゥワルドに金を持たせ、南東ルートでトゥピサに向かうよう指示します。ブラックソーンは南西ルートを選びました。それぞれ追っ手を撃退し、ボロボロの状態で馬を走らせます。ブラックソーンは遠のく意識の中、1908年のボリビア、サンビセンテでの出来事を思い出していました。そこでブラックソーンとサンダンスは死亡したと思われていましたが、実は人違いで、2人は何とか逃げ延びたのです。被弾し、流血が酷いサンダンスは「故郷に帰ろうぜ」と呟きます。――塩湖を渡りきったブラックソーンは意識を失い、診療所に担ぎ込まれました。目を覚ました時、意外な人物を見つけます。それはマッキンリーでした。彼はブッチ・キャシディ達の死を信じず、ずっと追い続けていたのです。互いに老いたことを噛み締めるマッキンリーは、軍に連絡は入れたものの、ブラックソーンを連行するつもりはありませんでした。ブラックソーンはマッキンリーに用意して貰った隠れ家でしばらく過ごします。ところが突然、血相を変えたマッキンリーが訪ねて来ました。彼はエドゥワルドがブラックソーン=ブッチ・キャシディという騒ぎを知ったこと、そしてトゥピサから西へ逃げたことをまくし立てます。そしてエドゥワルドの卑劣な正体を語りました。エドゥワルドはパティーニョから金を盗んだのではなく、鉱山の権利者である一般の労働者から奪ったのです。パティーニョの横暴に反乱を起こした労働者達は、多数の死者を出した末に鉱山の権利を獲得しました。労働者側についていたエドゥワルドは、信頼を寄せてくれた彼らを裏切ったのです。かつて強盗が狙うのは大富豪や銀行などで、決して弱い立場の者から金を奪ったりはしませんでした。マッキンリーはエドゥワルドに手を貸したブラックソーンへの失望を叫びます。真実を知ったブラックソーンはやりきれない思いに項垂れました。
ブッチ・キャシディ -最後のガンマン-の結末:5.裏切りの報い
ブラックソーンは痕跡を辿りながらエドゥワルドを追いかけます。ブラックソーンの頭を過るのはサンダンスの最期でした。――ボリビア国境、アンデス山脈。出血と寒さで弱ったサンダンスは死を予感していました。そんな彼に頼まれたブラックソーンは、自らの手で相棒を葬ったのです。――エドゥワルドを見つけたブラックソーンは、彼に真実を知ったことを話しました。しかしエドゥワルドは、誰から盗んだかというのは大した問題ではないと言います。ブラックソーンは諭すことさえ諦め、エドゥワルドが動けないよう彼の足を銃撃。銃と馬も奪い、じき追っ手が軍隊を連れて来るだろうと言い残して去りました。しばらくして、エドゥワルドが射殺されるいくつもの銃声が響きます。ブラックソーンはサンダンスやエッタ達と馬を走らせた頃を遠く思い出し、この映画も終わりを迎えます。
以上、映画ブッチ・キャシディ -最後のガンマン-のあらすじと結末でした。
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