ミモザの島に消えた母の紹介:2015年フランス映画。「サラの鍵」(2010)の原作者でもあるタチアナ・ド・ロネによる、2009年のベストセラー小説を映画化。原作タイトルは「A Secret Kept」。30年前に亡くなった母親。その死は、親族の間でなぜか語られることはない。母が海に消えたあの日、一体何があったのか。過去を掘り起こした男が、たどりついた驚くべき秘密とは。主演は「エル ELLE」(2017)のロラン・ラフィット。共演は「イングロリアス・バスターズ」(2009)のメラニー・ロラン。
監督:フランソワ・ファヴラ 出演者:ロラン・ラフィット(アントワーヌ)、メラニー・ロラン(アガット)、ウラジミール・ヨルダノフ(シャルル)、ビュル・オジェ(ブランシュ)、オドレイ・ダナ(アンジェル)、ガブリエル・アジェ(クラリス)、ケイト・モラン(ジーン)ほか
映画「ミモザの島に消えた母」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ミモザの島に消えた母」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ミモザの島に消えた母の予告編 動画
映画「ミモザの島に消えた母」解説
この解説記事には映画「ミモザの島に消えた母」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ミモザの島に消えた母のネタバレあらすじ:起
妻と離婚し、そのため2人の娘達ともたまにしか会えず、セラピーに通っては苦しみを吐き出しているアントワーヌ。彼の心には、30年前に亡くなった母親クラリスのことがつねにひっかかっていました。クラリスは海で溺死したとされていますが、父親のシャルルも祖母のブランシュも、クラリスの話になるとなぜか口を閉ざしてしまうのです。クラリスの命日、アントワーヌと妹のアガットは、子供の頃によく訪れたブランシュの屋敷があるノアールムティエ島、通称“ミモザの島”へと出掛けました。2人はそこでブランシュの元使用人ベルナデッドと再会します。アントワーヌはクラリスのことを尋ねますが、ベルナデッドもまた、何かを隠しているような素振りを見せます。翌日、パリへ戻る途中、アントワーヌとアガットの乗った車が事故を起こします。アントワーヌは軽傷で済みますが、アガットは入院。シャルルと現在の妻アンヌ=ソフィ、そしてアントワーヌの元妻アストリッドが、事故の知らせを聞いて病院に駆けつけます。アントワーヌはアストリッドに夫婦関係をやり直したいと言いますが、きっぱり拒絶されます。アントワーヌは1人、ベンチで涙を流します。その時、目の前に遺体安置所があるのに気づいた途端、30年前、ここで母親の遺体を見つめていた自分の姿を思い出すのでした。
ミモザの島に消えた母のネタバレあらすじ:承
遺体安置所の中へ思わず足を踏み入れたアントワーヌ。職員のアンジェルに声をかけられます。アンジェルは、開けっぴろげで朗らかな女性でした。言葉を交わし、打ち解けた2人は電話番号を交換します。工事現場で働くアントワーヌは、松葉づえで職場復帰しますがなかなか仕事がスムーズにいきません。日常に戻ってもやはりクラリスのことが気になり、ブランシュを訪ねて昔のエピソードを聞いたり、子供時代のアルバムを借りたりとひたすら情報収集に努めます。そんな中、アントワーヌは、長女のマルゴが女友達とキスしているのを目撃して狼狽します。ある日、アントワーヌは再びベルナデッドを訪ね、クラリスの思い出話を聞き出そうとします。しかしベルナデッドは詳しい話など何ひとつすることなく、ただブランシュに渡してほしいとクラリスの遺品が入った箱を差し出します。箱の中には手紙や眼鏡、そしてスイス製の古い腕時計が入っていました。アントワーヌが周囲にクラリスのことを聞いてまわっていると知り、シャルルは激怒します。アントワーヌも父親に反論し、親子の溝はますます深まってしまいます。アントワーヌはアンジェルと付き合うようになり、一緒にベルナデッドの家を訪れて置き手紙を残します。シャルルはアントワーヌに和解を求め、今の生活のことを考え、前に進みたいという旨を伝えます。
ミモザの島に消えた母のネタバレあらすじ:転
アントワーヌは、クラリスの腕時計の裏にジャン・ウィズマンという名が刻印されているのに気づきます。これは母親の不倫相手なのか?そう思ったアントワーヌですが、シャルルに聞くと、その時計は中古で買ったもので、ジャンは前の持ち主の名前だろうとの答えです。仕事に身が入らないまま、アントワーヌはついに解雇されます。マルゴはアントワーヌに自分が同性愛者であることを告白する勇気が出ず、そのつらさをアガットに打ち明けます。姪の告白に、アガットは過去の一場面を思い出します。幼い頃、クラリスが女性とキスしている姿を目撃していたのです。アガットからその話を聞いたアントワーヌは、ジャンはジーンと読む女性名かもしれないと考えます。クリスマスが近づいたある夜、アントワーヌとアガットはついにジーン・ウィズマンのいる場所をつきとめます。彼女は昔、クラリスが絵を習っていた先生でした。ジーンは、アントワーヌとアガットに昔のことを聞かせます。ジーンは、クラリスと出会ってすぐに恋愛感情を抱きます。ジーンの気持ちを知ったクラリスは戸惑いますが、ジーンがノアールムティエ島までクラリスを追ってきたことで互いの気持ちは燃え上がります。2人は密かに駆け落ちの約束をしますが、すぐにクラリスから「子供達には父親が必要。もう二度と会わない」という手紙が届き、その後、会うことはないまま彼女の死を知ったのでした。
ミモザの島に消えた母の結末
クリスマス。シャルルの家に家族が集まりました。アントワーヌは、クラリスとジーンが仲睦まじく映っている昔の写真をわざとシャルルとブランシュに手渡します。シャルルの顔色が変わり、ブランシュも無言。アントワーヌとシャルルは大ゲンカになり、そのまま家を飛び出したアントワーヌをアンジェルとマルゴ達が追います。その後、ブランシュが心臓発作で亡くなります。祖母の死を知らされなかったアントワーヌは、憤りを感じながら葬儀へと出掛けます。そこに来ていたベルナデッドと彼女の夫が、アントワーヌに真実を話したいと言います。この30年間、ベルナデッドは秘密の重みに耐えかねてきたのです。クラリスが亡くなったあの日、クラリスとジーンの仲を知ったブランシュは怒りを露わにし、クラリスに無理やりジーンへ別れの手紙を書かせていました。ブランシュはベルナデッドに、この手紙を対岸のホテルにいるジーンに渡すよう命じます。ベルナデッドは大急ぎで車を走らせ、干潮のうちにホテルを往復。ジーンに手紙を届けます。ところがその直後、ジーンに会いに行こうとしたクラリスが1人で車に飛び乗り、潮の満ち始めた危険な海の中へ走り出します。結局、クラリスはそのまま溺れてしまったのです。全てを聞いたアントワーヌとアガットは大きなショックを受けます。アガットに責められ、シャルルはうなだれて語ります。クラリスの死を知り、ブランシュを問い詰めたが知らぬふりをされ、警察にも言わなかった。わかってほしいと。その夜、アントワーヌとアガットのもとに、ジーンからメールが届きます。その画像には、幼いアントワーヌとアガットの手を引き砂浜を歩きながら微笑む、美しいクラリスの姿がありました。
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