抱擁のかけらの紹介:2009年スペイン映画。盲目のハリーはある人物の死を知り、14年間話さずにいた亡き女性の話を語り始めるた。ハリーが監督を辞めた訳が、今、明るみに。
監督:ペドロ・アルモドバル 出演:ペネロペ・クルス(レナ)、ルイス・オマール(ハリー・ケイン / マテオ・ブランコ)、ブランカ・ポルティージョ(ジュディット・ガルシア)、ホセ・ルイス・ゴメス(エルネスト・マルテル)、ルーベン・オチャンディアーノ(ライ・X)、タマル・ノバス(ディエゴ)、ほか
映画「抱擁のかけら」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「抱擁のかけら」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
抱擁のかけらの予告編 動画
映画「抱擁のかけら」解説
この解説記事には映画「抱擁のかけら」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
抱擁のかけらのネタバレあらすじ:起・エルネスト・マルテルの死
盲目の作家、ハリー・ケインはかつてマテオという映画監督だった。彼は道を渡らせてくれた女性に家に上げ新聞を読んでもらい、エルネスト・マルテルの死亡を知った。その女性との情事が終わると、ジュディットがやってくる。彼は次の作品の構想を語るも、却下された。ジュディットの息子のディエゴは、昼は彼の口述筆記をし、夜はDJをしていた。1992年、エルネスト・マルテルの経営するエルマルカピタル社で秘書ををしていたレナは、医者が休暇を取るせいで胃癌の父を帰宅させられた事を、エルネストに相談すると、彼は彼女の父親のために入院先を手配した。レナに執着していた彼は、女優志望だった事や売春をしていた事はすでに調べ済みだった。ハリーの家に、ライ・Xを名乗る若者が脚本を書いてくれるよう頼みに来た。ジュディットを通してくれるよう告げると、後日、父の記憶に復讐する息子の話を書いてくれるように頼み、ハリーがそれを拒否すると、ライはきっと再会すると言って帰った。ハリーはディエゴに、94年の写真の中にライがいるはずだと言って探してもらうと、ライはエルネスト・マルテルの息子だった。そして、同じ引き出しにはリナの写真もあった。
抱擁のかけらのネタバレあらすじ:承・明かされる94年の話
エルネストの息子に会うなと釘を刺し、ディエゴを付き添いに残すと、ジュディットはロケハンへ旅立った。その夜ディエゴはDJをしているクラブで麻薬中毒を起こし搬送された。大事に至らずハリーの家のベッドに着いたディエゴはジュディットがエルネストの息子を怖がる理由知りたがった。14年前、1994年。映画監督マテオの元へ、エルネストの息子と愛人のリナがコメディのオーディションのためにやって来た。リナが映画に出ることに難色を示すエルネストは、結婚しよう乞い、断られると息子に撮影をビデオ記録させ、映画に出資をして牛耳ろうとした。撮影が始まると、映画にかかりきりなレナにエルネストは不満を抱き、無理矢理休暇を取らせて彼女を独占し、読唇術家に息子が記録してきた映像で彼女が言っている事を語らせた。ある夜マテオと会っている所を隠し撮りされている事に怒ったレナが、エルネストの家を出て行こうとすると、彼はレナを階段から突き落とした。脚を骨折してしまった事へ許しを乞うエルネストに、レナはスタジオに連れて行くように言った。撮影が終わるまで別れられず、とにかく撮影を終わらせたいレナはマテオと話し、階段のシーンを撮り直し、撮影は事なきを得た。レナは撮影後も別れなかったが、ある日洗面所で怪我を洗う彼女を見つけたマテオは、どこか遠くへ連れていってと彼女に言われるままに海辺の町へ。そこでマテオは本を書き始めた。
抱擁のかけらのネタバレあらすじ:転・エルネストの反撃
一か月が過ぎ、ジュディットとディエゴが心配になった頃。新聞に自分の撮った映画の宣伝がされ、知らぬうちに上映会が行われ評論家の酷評を受けている事を知った。マテオはジュディットに連絡をしたが、レナといる事に腹を立てていた彼女から連絡はなかった。そしてマドリードに戻り確かめることにした帰路で事故にあった。レナは死亡。マテオは視力を失い、マテオは死んだと自ら呟いた。退院し帰る途中、ジュディットは海岸でマテオとディエゴを車から降ろし、滞在先の支払いに行き、そこで、マテオがハリー・ケインの名で泊まっていた事を知った。彼らが止まっていた家のごみ箱の中にはマテオとリナの写真が破かれ入っていた。海岸に戻り、マテオではなくハリーと呼びかけると彼は返事をした。破られた写真は今もあり、ディエゴはそれを復元しようとした。そして、ジャンヌ・モローの声が聞きたいと言うハリーにテレビを付けると、彼が撮った謎と鞄と女たちが流れ、ハリーはそれがひどいカットばかりを繋いだものだと知った。
抱擁のかけらの結末:ジュディットの真実
ロケハンから帰ってきたジュディットを伴って外食に行くと、当時の事を話し始めた彼女は、エルネストが復讐のために編集の自分とルイスと買収し、ディエゴをアメリカで治療させようとした。しかし、ジュディットはすべてを見届けるためにマドリードでの治療を希望した。彼は最悪のカット選び編集させ、作品を壊した。 二人の行き先はマテオからの電話で知り、送り込んだ息子が事故を目撃し病院へ連絡した。事故とエルネストはまったくの無関係だった。翌朝、ハリーはライに連絡を取り、ジュディットはディエゴの父親はマテオだと明かした。そして14年の時を経て、残されたフィルムを繋ぎ公開しなおそうととりかかり始めた。
以上、映画抱擁のかけらのあらすじと結末でした。
抱擁のかけらのレビュー・考察:再出発と再生
作品の最後、破られた写真がディエゴの手によって再生される。それはエルネストの存在によって一度はダメになった映画を再生する事への布石にも、ハリー、ジュディット、ディエゴの関係を再生する暗喩にも見える。
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