バグジーの紹介:1991年アメリカ映画。愛する一人の女のため、何も無かった砂漠にネオン煌めくオアシス「ラスベガス」を作った実在の人物ベンジャミン・“バグジー”・シーゲルの野望を描いたヒューマンメロドラマです。主演・製作をしたウォーレン・ベイティの野心作で、第49回ゴールデングローブ賞作品賞などを受賞した秀作です。
監督:バリー・レヴィンソン 出演:ウォーレン・ベイティ(ベンジャミン・“バグジー”・シーゲル)、アネット・ベニング(ヴァージニア・ヒル)、ハーヴェイ・カイテル(ミッキー・コーエン)、ベン・キングズレー(メイヤー・ランスキー)、エリオット・グールド(ハリー・グリーンバーグ)、ジョー・マンテーニャ(ジョージ・ラフト)、リチャード・C・サラフィアン(ジャック・ドラグナ)、ビービー・ニューワース(フラッソ伯爵夫人)、ほか
映画「バグジー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「バグジー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
バグジーの予告編 動画
映画「バグジー」解説
この解説記事には映画「バグジー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
バグジーのネタバレあらすじ:起
1930年代、ベンジャミン・“バグジー”・シーゲルという一人の男がいました。バグジーは妻と娘二人と家庭を持つ、一見普通のマイホームパパでした。しかし、このバグジーはその甘いマスクとダンディな身のこなしからは想像もつかない男でした。彼は女好きで、ニューヨークの暗黒街でその名を轟かせていた冷酷で殺しも厭わないギャングでした。ただ、バグジーというこの男には、金銭感覚というものがありませんでした。
ある日、兄貴分であるマイヤー・ランスキーから縄張りを広げる命を受けたバグジーは、ハリウッドに乗り込みました。できるだけ穏便に事を進めるようにと指示を受けたバグジーはまず、幼馴染みで映画スターとなったジョージ・ラフトを通じ、ハリウッドの社交界に出入りすることにしました。そこでバグジーは、まだ新人女優であったヴァージニア・ヒルという女性と出会いました。バグジーは一目で彼女を気に入り、積極的にアプローチをかけました。最初は疎ましく思っていたヴァージニアでしたが、気性が激しい二人は反目し合いながらも、いつしか激しい恋に落ちていきました。
バグジーのネタバレあらすじ:承
ある日、仕事でネバダ州南部のラスベガスに赴いたバグジーは、そこで一軒の古びたカジノ店を訪ねました。砂漠の辺鄙な場所にあるその店は一見、利益を得ていないように見えましたが、実はしっかり利益をあげている店でした。何もない荒野まで付き合わされたヴァージニアは、家庭を持ち二重生活を送っているバグジーに不満をぶつけました。耐えかねたバグジーは車を止め、心を落ち着かせようと荒野にひとり、立って、夕陽を眺めました。そこでバグジーはある事を思いつきました。あの古びたカジノ店でも利益があがるのなら、ここにアメリカ最大のカジノつきホテルを建設すればいいと思いつきました。
一仕事終えたバグジーは娘ミリセントの誕生日のため、帰宅しました。ケーキを作り誕生日を祝おうとするバグジーのもとに、ランスキーたちがやって来ました。バグジーが無断であの古びたカジノ店を取り壊したためでした。バグジーはやって来たランスキーたちに、ラスベガスにカジノつきのホテルを作れば、金だけでなく、ネバダ州自体を支配できると、自身のアイデアを打ち明けました。ランスキーたちはとんでもないバグジーのアイデアに驚きながらも、やってみる価値はあると考えました。
ランスキーたちが帰った後、バグジーが娘のために作ったケーキのろうそくの炎はもう消えていました。娘たちはへそを曲げ、自室に閉じこもってしまいました。肩を落とすバグジーに妻エスタ・シーゲルが離婚話をしてきました。妻エスタはバグジーが浮気をして、離婚を考えていた事に気づいていました。バグジーは離婚をしました。
バグジーのネタバレあらすじ:転
バグジーのこの壮大なアイデアは、ランスキーたちの承認を得て、100万ドルという予算でスタートしました。バグジーは愛するヴァージニアのニックネームにちなみ、ホテルの名前を「フラミンゴ」と名づけました。金銭感覚に疎いバグジーは、自分が納得いくまで建築デザインなどを変更させました。そのため予算は、当初の額から倍に膨れ上がっていきました。バグジーはヴァージニアを信じ、金銭面の管理を彼女に任せました。バグジーの仲間のギャングのボスたちは、そんなバグジーのやり方に不満を抱きました。しかし、バグジーは彼女を全面的に信じ、彼女を侮辱する者には容赦なく制裁を加えました。
建設中のある日、バグジーは裏切った友人のハリー・グリーン殺害の罪で逮捕されてしまいました。表にも顔が効くバグジーは収監されましたが、刑務所内での食事の拒否も許され、自分のシェフに食事を作らせました。また無条件での電話使用も認めさせ、愛するヴァージニアを友人に監視させ、毎日連絡を入れさせるなど、優雅な刑務所生活を送りました。様々な方面からの力で、結局、バグジーは無罪放免で釈放されました。その時、建築費用は600万ドルまで膨れ上がっていました。ランスキーはバグジーに金を工面するように忠告しました。バグジーは全ての資産を売り飛ばし、金を都合しました。バグジーはクリスマスにオープンするように、工事を急がせました。一匹狼のミッキー・コーエンの協力もあり、ホテルは確実に完成へと近づいていきました。
そんなある日、バグジーはヴァージニアが200万ドルという建設費用の金を横領していることを耳にしました。バグジーはそんな話を信じませんでした。しかし、バグジーのもとにうら若き女性がホテルで働きたいと言って来た日、それに嫉妬したヴァージニアは金を横領したのかと問うバグジーを罵倒して立ち去っていきました。その頃、密かに組織は会合を開き、200万ドルの横領にバグジーが絡んでいるのではないかと考えました。ただ、旧知の仲であるランスキーだけが、反論しました。「恋に目がくらんでたんだ。いつでも女が最優先。それがベンなんだ。…ベンの生まれついての欠点は金への執着がないことだ。この事業でも金の事は頭になかった。夢を追ったんだ。…もしバグジーが絡んでいたら、私が始末をつける」と。
バグジーの結末
そして、遂にホテルが完成しました。予定のクリスマスの日、ホテル「フラミンゴ」はオープンしましたが、その初日は大雨が降り、目玉ゲストのハリウッドスターのクラーク・ゲーブルらも来ず、人気は散々でした。バグシーは落胆しながらも、来てくれたゲストたちにホテルの一時的閉鎖と必ずいつか再開させることを訴えました。挨拶が済むとランスキーから電話がかかってきました。直ぐにロスに行き、組織の人間に会えということでした。嫌な予感がしたバグジーは、ランスキーに「何があってもヴァージニアを守ってやってくれ」と頼み、約束させました。
大雨の空港からバグジーがロスへ発とうとしていたとき、ヴァージニアが戻って来ました。バグジーは喜びました。ヴァージニアは自身が金を横領していたことを打ち明け、その金をバグジーに返しました。バグジーは彼女に訳を尋ねましたがはっきりとした返事はありませんでした。しかし、ヴァージニアの瞳はバグジーだけを愛していると訴えていました。そんな彼女の瞳を見たバグジーは小切手を破り捨て、ヴァージニアに「直ぐに帰ってくる」と言い、彼女を抱きしめました。二人は雨にうたれながら、抱き合いました。
ヴァージニアがバグシーを見たのは、これが最期となりました。ロスの自宅に帰ったバグジーは、無惨にも背後からの銃弾を浴びせられ、最後には頭を貫かれ暗殺されてしまいました。バグジーが殺され、ホテル「フラミンゴ」が組織のものとなったことを聞かされたヴァージニアは、声を失いました。
「バグジー・シーゲルの死の1週間後、ヴァージニア・ヒルは不明金を全額、マイヤー・ランスキーに返し、その後、オーストリアで自殺しました。1991年現在、600万ドルをかけたバグジーの夢“ラスベガス”は総額1000億ドルの金を産み出しています。」
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