チャドの紹介:1984年アメリカ映画。地下に潜む怪物「チャド」と人間の戦いを描くホラー作品。ソーホーの町では、住人が忽然と消える事件が頻発していた。妻が行方不明になった刑事のボッシュは、無料食堂を開いているシェファードと共に事件の解明に挑む。調べを進めていくと、町の地下に放射性物質が捨てられていたことが判明。その影響で地下に住んでいた浮浪者達が突然変異を起こし、人間を食らう怪物「チャド」と化してしまったのだった。チャドを滅ぼすべく動くボッシュ達だったが、私利私欲に満ちた権力の壁が立ち塞がる。
監督:ダグラス・チーク 出演者:ジョン・ハード(ジョージ・クーパー)、キム・グライスト(ローレン)、ダニエル・スターン(A・J・シェファード)、エディ・ジョーンズ(オブライエン局長)、クリストファー・カリー(ボッシュ警部)ほか
映画「チャド」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「チャド」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
チャドの予告編 動画
映画「チャド」解説
この解説記事には映画「チャド」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
チャドのネタバレあらすじ:失踪事件
舞台は1980年代のアメリカ、ダウンタウンのソーホー。夜、犬の散歩をしていたカービーはマンホールから伸びてきた異形の腕に掴まれ、地下に引きずり込まれてしまいます。ここ2週間の間に行方不明者は増加しており、カービーの夫で警部のボッシュは捜索に乗り気でない風を装っていました。局長のオブライエンから、失踪事件について調べるなと命令されているからです。
そんな折、数人の浮浪者が失踪したと届けを出した男性がいました。彼の名前はA・J・シェファード、5年前にボッシュが逮捕した男性です。ボッシュがシェファードを訪ねてみると、彼は浮浪者相手に無料食堂を開いていました。
シェファードによると、行方不明になったのは全員地下に住んでいる浮浪者です。町の地下には昔の下水道が残っており、迷路のようなその場所に住んでいる者が少なからずいました。そして彼らは最近皆一様に、武器を欲するようになったそうです。
地下に住む浮浪者の1人ミセス・モンローは、警官から銃を奪おうとして捕まってしまいました。身元引受人になったのは、写真家のジョージ・クーパーです。彼は以前浮浪者の写真を撮影して評価されており、その際に知り合ったのでした。
ジョージはミセス・モンローに連れられ町の地下に向かいます。案内された場所では、ミセス・モンローの弟ビクターが酷い傷を負って寝ていました。彼の足は何かに食いちぎられたような傷になっています。ビクターは銃を欲した理由について、「やっつけるのさ」「ここにいる化け物だ」と話しました。
チャドのネタバレあらすじ:地下に潜む謎
ボッシュはミセス・モンローとジョージが事件を解明するヒントになると睨み、シェファードと共に調べてみることにします。シェファードの案内で地下へ潜ると、ガイガー=ミュラー計数管が落ちているのを見つけました。スイッチを入れてみると強い反応があります。
ちょうどその頃、夜道を孫娘と一緒に歩いていた老人が得体の知れない怪物に襲われ食い殺されました。怪物は全身溶解しているかのような皮膚を持ち、目が爛々と光っています。警察に保護された孫娘の話を聞いたボッシュは、シェファードを連れジョージのアパートを訪ねました。あいにく留守だったため、部屋に侵入してビクターの怪我の写真を入手します。
その後、ボッシュはオブライエンに掛け合って会議を開いてもらいました。出席者の中には原子力規制委員会のウィルソンの姿もあります。ボッシュとシェファードがウィルソンを問い詰めると、はじめは誤魔化そうとしていた彼も、諦めて一連の事件の真相を話し出しました。
実は原子力規制委員会は地下に放射性物質を運び込み、そこに放置しているというのです。その影響で地下に住んでいた浮浪者達が突然変異を起こし、人喰いヒューマノイド「チャド」と化してしまったのでした。
そんな中、ガス会社から連絡が入ります。チャドの死体が発見されたというのです。
チャドのネタバレあらすじ:迫る危機
チャドの死因は、ガス漏れによる窒息死と考えられました。ボッシュはまだチャドが地下に潜んでいる可能性を考え、火炎放射器で武装した警官を向かわせます。しかし皆殺しにされてしまい、いよいよ危機感を強めたボッシュは、市民に公表すべきだと主張しました。
ところがどうしても表沙汰にしたくないウィルソンは、地下にガスを送って退治すると言い出します。ボッシュは、チャドは近い内に地上に出て来るだろうと確信しました。
一方、帰宅したジョージはビクターの写真がなくなっていることに気付きます。失踪事件を追っている記者マーフィーの仕業だと思い込んだジョージは、彼を駅に呼び出しました。しかしマーフィーは、写真は警察が持っていると話します。話を信じないジョージを連れ、マーフィーは地下に入りました。途端にチャドに襲われ、食い殺されてしまいます。
ジョージは慌ててその場を逃げ出し、ビクター達のもとに走りました。すると浮浪者が食い散らかされており、ビクターがチャドになろうとしています。ビクターを射殺したものの、今度はミセス・モンローに襲われるジョージ。それを助けてくれたのはシェファードでした。彼はウィルソンの手の者によって地下に閉じ込められ、出口を探している最中だったのです。
地下にはまだ数体のチャドが潜んでおり、シェファードはそれを目撃していました。
チャドのネタバレあらすじ:事件の真実
地上ではボッシュの危惧通り、チャドによる殺戮が始まっていました。ウィルソンは町中のマンホールの上に車を停めさせ、ガスを送り込みます。苦しみながら歩くジョージ達は、放置された放射性物質の山を見つけました。しかしすぐにおかしいと気付きます。実際は、放射能汚染物質が乱雑に捨てられていたのです。
ウィルソンは国の研究所から出た汚染物質を、町の地下に捨てていたのでした。ジョージとシェファードは何とかボッシュと連絡を取ることに成功し、ウィルソンの悪事を伝えます。ボッシュは2人を救出するため、指定したマンホールに乗っていた車をどかしました。
しかしその直後、ウィルソンに銃撃されてしまいます。ウィルソンは更に、やっとの思いで這い上がって来たジョージとシェファードまでも車でひき殺そうとしました。倒れているボッシュを見たシェファードは彼の拳銃を拝借し、ウィルソンを銃撃。マンホールに車のタイヤがはまった途端、ガスによる爆発の炎が車を包みました。
シェファードは何とか生きていたボッシュと健闘を称え合います。
チャドの結末:終わらない恐怖
それからしばらくして、一連の事件は地下の大規模なガス漏れという説明がなされました。日常が戻ったソーホーの町。
しかしチャドは生き残っていました。彼らが再び地上に姿を現し、このパニックは続編「ゾンビ・パラダイス/ゾンビが街にやってきた!(1988年)」へ継承されます。
以上、映画「チャド」のあらすじと結末でした。
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