ケース39の紹介:2009年アメリカ映画。「ブリジットジョーンズの日記」でお馴染みのレニー・ゼルウィガーが児童福祉司の難役に挑む。「サイレントヒル」「ローズインタイドランド」で有名なキュートでダークなジョデル・フェルランドがエミリーを困らせる「いわくつきの」子どもを巧みに演じているのも魅力だ。
監督:クリスチャン・アルバート 出演者:レニー・ゼルウィガー(エミリー・ジェンキンス)、ジョデル・フェルランド(リリス・サリヴァン)、イアン・マクシェーン(マイク・バーノン刑事)、ブラッドレイ・クーパー(ダグラス・J・エームズ)、ケリー・オマリー(リリスの母、マーガレット・サリヴァン)カラム・キース・レニー(リリスの父、エドワード・サリヴァン)
映画「ケース39」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ケース39」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ケース39の予告編 動画
映画「ケース39」解説
この解説記事には映画「ケース39」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ケース39のネタバレあらすじ:起
真夜中に両親が一人娘が寝ているかを確認する為に階段をゆっくり上って眠っている娘を確かめる描写から物語は始まります。その女の子はクマのぬいぐるみを抱き締めながら、自分を凝視する不気味な両親に言いました。「見えてるよ」と。両親は扉をばたんと閉めるのでした。エミリーは多忙を極めるソーシャルワーカーです。児童虐待、アルコール依存症など人々の心の問題を親身に調査して駆けつける仕事をしています。そんな彼女の元に39件目の「リリス・サリヴァン」という学校で居眠りばかりしているクラスで孤立した子どもの身辺について調査するよう上司から頼まれます。エミリーは早速、サリヴァン家を訪問します。ドアを開けた母、マーガレットは不気味で挙動不審、階段から降りてきたリリスは大人しい物静かな子どもで、両親に対してかなり怯えていて、母親と視線が合うだけで怖がって目を背けるところがみられます。父親のエドワードは厳格な雰囲気に加え、娘の事を尋ねられると妻に耳打ちして彼の言葉をマーガレットが通訳のようにエミリーに伝えるのです。明らかに、「見えない虐待」を窺わせる雰囲気がサリヴァン家にはあり、エミリーはリリスの件を引き続き調査する事にしました。エドワードはリリスが学校へ出掛けると自宅に穴を一心不乱に掘り続けています。リリスはその様子を学校へ行く途中にのぞき見し、父親が彼女の視線に気づいて顔を上げると一目散に逃げだすのでした。
ケース39のネタバレあらすじ:承
社会福祉局で両親とリリスを呼び出して話し合いをすることになったエミリーは父親の家庭での態度との違いに益々疑いの目を向けます。父親はよく喋り、リリスを虐待などしていない、この子の玩具を買ってあげたりと自分達は普通に対応していると伝えます。両親は娘にソフトクリームを買ってそれを食べながらリリスは福祉局へと入っていきました。個人面談をリリスとした際に、父親はリリスが何か話そうとすると彼女を睨み付けて見えない「口封じ」をし、リリスは怯えて何も話しません。しかし、両親から離れると彼女はエミリーに「お父さんとお母さん私を地獄へ落とすというの」と涙ながらに訴えます。エミリーはSOSを受け止め、数日してからリリスの学校帰りの時間を見計らって彼女に自分の電話番号を書いたメモを渡します。「何か怖い事があったらいつでも電話していいから」と。事件は起きます。エミリーが彼氏であり、児童臨床心理士のダグラスと会ってから家で寛いでいると、リリスから助けを求める連絡が入ります。エミリーはすぐにサリヴァン家に車を走らせながら刑事のマイクにも携帯から連絡をしますがあいにく留守電です。それでも、エミリーはただならぬ予感を感じてサリヴァン家に向かうのでした。マーガレットとエドワードは眠り込んだ娘を抱き抱えて2階から一階のキッチンへ連れ出すと、間が覚めて暴れ出す我が子に暴力を振るい、押さえつけながらオーブンへ彼女を閉じ込めて命を奪おうとしていました。マイクが遅れて到着し、エミリーと共に中へ入ってリリスの両親と格闘しながらリリスを無事、救出します。リリスの心の傷の深さや「エミリーと暮らしたい」という彼女の希望を周囲に理解してもらったうえで、エミリーは里親が見つかるまでリリスを預かることにしました。リリスも心の傷のケアとしてセラピーを受けるグループに入りながらエミリーと暮らします。恋人のダグラスとも幸せな関係を持ち、エミリーは新しいスタートを切った矢先、第二の事件が発生します。リリスと同じセラピーを受けていた少年が両親を殺すという痛ましい出来事が起こります。さらに少年はエミリーの家から電話があったと聞き、リリスを疑いますが彼女は「何もしていない、信じて」と無実を訴えます。リリスの担当カウンセラーもしているダグラスは彼女と面談した時に、「苦手な物はない。私は私が恐い」という言葉を聞く。そればかりでなく、リリスは相手を操るような態度をとり、「あなたの怖い物は何?」と逆にダグラスに聞きます。ダグラスは子どもの頃に蜂に襲われたことをリリスに話します。そして、彼は浴室で唐突に大量の蜂に襲われて不慮の事故死を遂げてしまいます。ダグラスの葬儀でもリリスは悲しむどころか虚ろで無表情な様子で一点を見つめ。エミリーと手を繋ごうとしますがエミリーはリリスに恐怖を感じてその手を咄嗟に払いのけてしまいます。リリスはその日から態度を変え、徐々に本性をあらわしてゆきます。エミリーが自分を敵視し、怖がっていると勘づくと。良い子のふりをしては叫び声を上げたりして彼女を精神的に支配しようとします。実はリリスには不思議な能力があり、御呪いのように他人に言葉を囁いたり彼女が笑うと必ず彼女と関わった人が死ぬのです。リリスは相手の弱点に付け込んで侵入し、人の痛みを知るとその痛みを利用して持っている特殊能力で自分の心のケアをしようとしたダグラスまで「邪魔者」として排除したのです。リリスの悪魔の矛先は両親の虐待からエミリーと共に助け出してくれたマイク刑事にまで及び、マイクは犬に襲われて亡くなります。こうなると、エミリーはリリスにセラピーを受けることを禁じます。リリスは帰りのエレベーターの中で「何故なの?エミリー」と繰り返して癇癪を起こし、能力でエレベーターの動作を狂わせるなどエミリーを困らせます。
ケース39のネタバレあらすじ:転
エミリーはリリスの母、マーガレットが喋っていた拘置所でのビデオテープを確認します。精神錯乱状態で面会不可だったので、リリスの父親エドワードにリリスの事を知る為に面会へ向かいます。エドワードはエミリーに「漸く気付いたか、あの子は私達の娘じゃない。あの子のせいで親戚が次々謎の死を遂げた。あの子は悪魔だ、殺すしかないと思ってあんなことをした」とリリスをオーブンに入れて虐待した真相を明かします。更に彼は「あんたもあの子の寝込みを見計らって殺した方がいい」と言われます。リリスの里親が見つかりますが。二次被害防止のためにも気の毒だがリリスを殺すことをエドワードはエミリーに告げます。
ケース39の結末
リリスの両親が操られたかのように謎の死を遂げます。母親は精神病棟の部屋の中で燃え盛る自分の腕と部屋に閉じ込められた幻覚を見て混乱しながら命を落とし、父親は他の受刑者と喧嘩の最中に事故死します。さらに、ダグラスが亡くなる直前にリリスが彼に電話をしていたことも分かり、エミリーはリリスの好きなカモミールに睡眠薬を盛って自宅に火をつけ、リリスが寝ている部屋のドアをロープで何度も固定して彼女を置き去りにしたまま家を出ます。しかし、消防士と騒ぎを聞きつけた近所の人のなかにリリスが真っ赤なコートを着て紛れていました。今度は彼女をドライブに誘って車ごと沈めて殺そうとします。真相を知ったリリスは能力を駆使してエミリーの母がかつて彼女を道連れにしようと車に乗せた記憶を呼び起こし、エミリーの心の傷をえぐるのです。しかし、エミリーはそれに屈せず、車ごと海へ飛び込みます。水の中でリリスと格闘しながらエミリーは彼女を投げ落とすことに成功します。その時、水の中から這い上がろうとしたのはいたいけな少女ではなく、悪魔でした。この映画には劇場では未公開の別エンディングがあります。リリスは助かり保護され、新しい里親の元へ引き取られてゆきます。そしてエミリーは子どもを殺そうとした元児童福祉司としてニュースに取り上げられ、拘置所の中でリリスの裏の顔を警察に訴えますが信用してもらえない状況の中で物語は終わります。
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