女はみんな生きているの紹介:2001年フランス映画。自身も女優であり、フランスで大ヒットを記録したコメディ「赤ちゃんに乾杯!」(1985)の監督として知られるコリーヌ・セロー。彼女がメガホンをとった、女性による、女性のための、女性が大活躍するサスペンス・コメディ。身勝手な夫と息子にふりまわされ、虚しい日々を送っているエレーヌ。しかし、偶然のきっかけで遭遇した謎だらけの娼婦によって、その退屈な人生が輝きと興奮を帯びてくる…。主演は、フランスを代表する名女優の1人であるカトリーヌ・フロ。相手役の娼婦には、本作でセザール賞有望若手女優に輝いたラシダ・ブラクニ。
監督:コリーヌ・セロー 出演者:カトリーヌ・フロ(エレーヌ)、ラシダ・ブラクニ(ノエミ)、ヴァンサン・ランドン(ポール)、オレリアン・ヴィイク(ファブリス)、イヴァン・ラゲリ(トゥキ)、リン・ルノー(ポールの母親)ほか
映画「女はみんな生きている」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「女はみんな生きている」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「女はみんな生きている」解説
この解説記事には映画「女はみんな生きている」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
女はみんな生きているのネタバレあらすじ:起
夫のポールと冷めきった生活を送っているエレーヌ。2人の間には大学生の息子ファブリスがいますが、自分勝手なファブリスは近所のアパートで恋人と同棲中で、都合の良い時だけしか両親の前に顔を見せません。ある晩のこと、ポールとエレーヌは車でパーティ会場へと急いでいました。ひと気のない路地にさしかかった時、いきなり車の前に若い女性が飛び出してきました。女性は追ってきた3人の男に殴られ、血を流しています。驚いたエレーヌは携帯で救急車を呼ぼうとしますが、ポールはやめろと言います。厄介なことには関わりたくないポールは、フロントグラスを叩いて必死に助けを求める女性を完全に無視。何事もなかったように車を出し、女性の血で汚れた車を洗うため、洗車場へと向かいます。つねに事なかれ主義のポールは、はるばる田舎から訪ねてきた自分の母親に会うのすら面倒くさがるような男です。そんな夫の姿に、エレーヌは冷たい視線を向けるのでした。
女はみんな生きているのネタバレあらすじ:承
翌日、あの女性のことが気になって仕方がないエレーヌは、警察に電話をかけて女性が入院中の病院をつきとめます。女性は命に別状ないものの、呼吸器につながれ眠っていました。病院には刑事もやってきて、エレーヌは女性を襲った犯人捜しに協力することに同意します。そのことを知ったポールは、面倒なことになるぞと激怒。ポールに反発するエレーヌは、毎日というもの病院へ通い、女性の看病に努めます。ある日、病院にいたエレーヌは、女性を襲った男達の姿を目撃します。男達は女性の病室を探していました。一方、女性につきっきりで家に帰ってこなくなったエレーヌのおかげで、ポールの日常生活は荒れ果てます。そんな両親の不仲にも、全く関心のない息子のファブリス。彼は同棲中の恋人がいながら、他の女の子とも浮気をしていました。数日後、女性の病室に謎の男が現れ、委任状にサインしろと女性を脅して出て行きます。エレーヌは男の後をつけ、後ろから殴って気絶させます。警察に知らせたおかげで男は捕まりました。女性はノエミという名の娼婦だということが判明します。エレーヌが久々に家に戻ると、部屋の中は荒れ放題。おまけにファブリスとその恋人、さらに浮気相手までが押しかけてポールと暮らしているという始末です。エレーヌがポールともめている間、あの男達が病院に現れ、ノエミを誘拐しようとしました。寸でのところでノエミを救出したエレーヌは、ポールの母親が住む田舎の家へと身を隠します。母親は大喜びし、エレーヌとノエミを優しく迎えます。ノエミはエレーヌに、ある場所に隠し持っている自分のパスポートを取ってきてほしいと頼み、身の上話を始めます。
女はみんな生きているのネタバレあらすじ:転
移民のノエミは、複雑な環境で育ちました。母親は自殺。義母と妹弟がいる大家族で暮らす中、ノエミが16才になった頃、父親はノエミを大金と引き換えに金持ちの老人に嫁がせようとします。ノエミはマルセイユに逃げ出し、トゥキという親切な男と出会います。しかしトゥキは売春組織の人間で、街角に立って客をとるようノエミに命じます。ノエミは娼婦として大金を稼ぎ、頭の良さを生かして裕福な男達を相手に投資を勉強して成功。さらに大富豪の老人ブランシェを手玉にとることで、ブランシェの死後に莫大な遺産を手に入れます。しかしそれを知った組織の連中はノエミを追い、傷めつけて委任状にサインさせようとしていたのです。ポールの母親宅で穏やかに過ごした数日後、エレーヌとノエミはパリへ戻ることにし、エレーヌは空港でポールと待ち合わせます。ノエミはエレーヌに陰からこっそり見張るよう言い、わざとポールにぶつかったふりをして誘惑します。ノエミのことなど覚えていないポールは、優雅なノエミにたちまち一目ぼれ。罠にかかったとも気づかず、また連絡するわというノエミの言葉に有頂天になるのでした。家に戻ったエレーヌは、息子と2人の女の子の世話に追われててんてこ舞いします。ポールは、ノエミからの電話をひたすら待ち続けます。そんな中、エレーヌはノエミから呼び出されます。ノエミは仲間の娼婦に協力を求め、トゥキをはじめとする売春組織の男達を警察に引き渡す計画を立てていました。ノエミの仕掛けた罠に騙されたトゥキ達は警察に取り押さえられ、銃で撃たれて死亡。ようやく自由になれたノエミでしたが、今度は惚れっぽいファブリスに言い寄られ、きっぱりと拒否します。ノエミの望みはただひとつ、自分と同じように金持ち老人と結婚させられそうになっている妹を助け出すことでした。
女はみんな生きているの結末
ノエミは妹のもとを訪ね、自分と一緒に暮らすよう説得します。しかし、父親に束縛されている妹は聞く耳を持ちません。一方、ノエミに夢中のポールは、ノエミに大好きな友達のところに連れていってあげると言われ、大喜びでついて行きます。ところがそれは自分の母親の家。驚きのあまり口もきけないポールに、ノエミは自分があの時の血まみれの娼婦だと真相を明かすのでした。その後、ノエミは海辺に家を買うため不動産を訪れます。それは妹と暮らすための家でした。しかし妹は、身勝手な父親や横暴な兄弟と相変わらず一緒に暮らしています。ついに父親につれられ、政略結婚のためマルセイユに旅立つ日が来ました。ノエミとエレーヌは、大急ぎで港に辿りつきます。船に乗せられそうになっている妹を見たノエミは父親に、妹は自分と生きると強く訴えます。父親は怒りをあらわにしますが、結局、ためらっていた妹もノエミについて行くことを決心します。ラスト、ノエミが手に入れた家の前のベンチに座る、4人の女性の姿が映ります。ノエミとエレーヌ、そしてノエミの妹とポールの母親。彼女達は仲良く肩を並べ、穏やかな海を見つめるのでした。
この映画の感想を投稿する