市民ケーンの紹介:1941年アメリカ映画。オーソン・ウェルズが25歳で初監督・初主演した傑作。批評家の投票による映画史上のベストワンに何度も選ばれ、後の映画作家にとって教科書というべき存在になっている。アカデミー賞では脚本賞のみを受賞。
監督:オーソン・ウェルズ 出演:オーソン・ウェルズ(チャールズ・フォスター・ケーン)、ドロシー・カミンゴア(スーザン・アレクサンダー)、ジョセフ・コットン、エヴェレット・スローン、アグネス・ムーアヘッド、ほか
映画「市民ケーン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「市民ケーン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「市民ケーン」解説
この解説記事には映画「市民ケーン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
市民ケーンのネタバレあらすじ:1
様々な鉄柵に囲まれ、人を寄せ付けない大邸宅、ザナドゥ。そこの主であるチャールズ・フォスター・ケーン。長らく病床にあったこの新聞王はその夜息を引き取りました。「バラのつぼみ」という謎の言葉を残して……。ニュース映画が彼の生涯を紹介します。それを試写したある新聞社。このヒューマンインタレストに満ちた奇矯なケーンという人物に対し、その内面を探る企画を立てます。そして記者が彼について詳しい内情を知る人物を訪ねてゆくのです。まず彼が訪ねたのは、元妻のひとりスーザン。しかし飲んだくれの彼女からは何も聞き出せません。記者は続いて銀行家のサッチャーが記した回顧録を調べにゆきます。彼は少年時代からケーンの後見人でした。
市民ケーンのネタバレあらすじ:2
その回顧録によると、ケーンの家は宿屋を経営していましたが、宿泊費代わりに受け取った権利書のせいで大金を得ることに。心ならずも母親と引き離され、ケーンはサッチャーに従って高等教育を受けます。そして仲間たちと新聞経営を始めるのでした。最初は高邁な理想を掲げた経営手法もケーンの考えに従ってゴシップ中心となり、仲間たちは呆れて離れてゆきます。しかし、低級な大衆の興味に媚びた編集方針は売上には貢献、ケーンはさらに大金持ちとなりました。大統領の姪と結婚したケーンは政治家への野心を見せますが、愛人の存在が明らかとなって落選。妻と離婚後にその愛人と再婚し、歌手志望の彼女のために劇場まで建てます。しかし彼女主演の歌劇公演は酷評の嵐となり、歌手の希望はご破算。それでも主演を続けさせようとする利己的なケーンに彼女は却って反発します。2人で住むために建造された大邸宅ザナドゥも、愛情のない生活ではただのだだっ広い空間でしかありません。
市民ケーンの結末
やがて我慢できなくなった妻はケーンを置いて出てゆきました。贅沢な調度品の部屋を無茶苦茶にしてしまうケーン。それからの彼は隠遁者となり、人前には出なくなったのです。それらの内情を知る関係者を訪ねたあと、記者は遺品整理の進むザナドゥへ。結局ケーンの最後の言葉の意味はわかりません。諦めて記者が立ち去ったあと、ガラクタとして燃やされる雪ゾリ。それはケーンが少年時代、まだ貧しかった頃に遊んでいたものでした。そしてそこに描かれたバラのつぼみの絵……。
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