猿の惑星・征服の紹介:1972年アメリカ映画。「猿の惑星」シリーズ旧五部作の第4作です。前作の事件で両親を失った猿人の子・シーザー。約20年後、逞しく成長したシーザーは、猿の軍団を率いて遂に人類に反旗を翻します。
監督:J・リー・トンプソン 出演者:ロディ・マクドウォール(マイロ/シーザー)、ドン・マレー(ブレック知事)、ナタリー・トランディ(リサ)、ハリー・ローズ(マクドナルド)、リカルド・モンタルバン(アーマンド)ほか
映画「猿の惑星・征服」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「猿の惑星・征服」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「猿の惑星・征服」解説
この解説記事には映画「猿の惑星・征服」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
猿の惑星・征服のネタバレあらすじ:起
1991年。約20年前の事件で両親を失った猿人の孤児マイロ(ロディ・マクドウォール)はサーカス団長のアーマンド(リカルド・モンタルバン)に匿われ、逞しく成長していました。コンピューターが発達したこの時代、未知のウイルスにより犬や猫は既に絶滅、代わって猿が人間のペットとなり、やがて奴隷としてこき使われるようになっていました。ある日、アーマンドと共にある街を訪れたマイロは、猿が人間から虐待を受ける現状を目の当たりにします。
猿の惑星・征服のネタバレあらすじ:承
マイロは思わず大声を上げてしまい、警察が動き出す事態に。アーマンドはマイロを逃がすため自ら警察に出頭し、マイロは他の奴隷の猿に紛れて脱出します。約20年前の事件を知るブレック知事(ドン・マレー)は警察署長コルプ(セバーン・ダーデン)にアーマンドの取り調べを命じ、事情聴取の結果遂にアーマンドはマイロを匿ったことを白状し、コルプや警官らと揉み合いになり、窓から落下して死亡します。
猿の惑星・征服のネタバレあらすじ:転
一方、奴隷猿に紛れ込んだマイロはブレック知事に買われ、新たに「シーザー」と名付けられます。シーザーはブレックの側近であるマクドナルド補佐官(ハリー・ローズ)に仕えますが、アーマンドの死を知ると復讐を誓い、他の奴隷猿たちに密かに武器の調達を指示します。ブレック知事はシーザーが言葉を話す猿ではないかと疑い、コルプに逮捕を命じます。シーザーは猿に理解を示すマクドナルドに助けられますが、やがて逮捕されてしまいます。
猿の惑星・征服の結末
ブレック知事はシーザーを処刑しようとしますが、マクドナルドにより助けられます。シーザーは仲間の猿たちと共に人類への反乱を決意、遂に軍団を率いて挙兵します。シーザー軍は通信網を破壊し、ブレック邸を制圧すると、勢いに載って都心部に進行し人間の軍と衝突します。シーザーは人類への復讐を訴えますが、復讐の無意味さを説くマクドナルドの訴えを聞き入れます。そしてシーザーは、地球は「猿の惑星」になったと勝利宣言をするのでした。
「猿の惑星・征服」は、1990年のアメリカが舞台。
人間たちが猿を奴隷のように扱い、成人し改名したシーザーが、反乱を起こすというもの。
1965年に実際に起きた黒人暴動を、猿に置き換えて描いている。
1970年代初頭の公民権運動の高まりの中、黒人の差別問題を映画にすることはタブーだった。
だが、SFである「猿の惑星」なら、黒人を猿に置き換えて見せることが出来る。
人間の奴隷にされたシーザーが、怒りを爆発させて革命を起こすこの映画は、アメリカの黒人の観客のカタルシスを得たのだ。
監督のJ・リー・トンプソンは、リアリティーにこだわり、後半は暴力と血にまみれた映像となる。
そのため、シリーズ中で一番ダークな作品になっていて、製作費があれば、もっと面白い映画になったかも知れないと思える映画だ。
脚本家ポール・デーンの、暴力が世の中を変えることは出来ない、権力がシフトしても、復讐の連鎖で暴力は終わりがないのだという主張が、一番反映された作品だと思う。