クラッシュの紹介:2004年アメリカ映画。多くの人種が混ざり合う都市、ロサンゼルスを舞台に繰り広げられる人種間の群像劇は、世界中で大ヒットを記録し、アカデミー賞作品賞を受賞しました。
監督:ポール・ハギス 出演:サンドラ・ブロック(ジーン)、ドン・チードル(グラハム)、マット・ディロン(ライアン巡査)、ジェニファー・エスポジート(リア)、ウィリアム・フィクトナー(フラナガン)ほか
映画「クラッシュ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「クラッシュ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「クラッシュ」解説
この解説記事には映画「クラッシュ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
クラッシュのネタバレあらすじ:ある交通事故
ある日のロサンゼルス、黒人の刑事であるグラハムという男は恋人と車で移動をしているとき、交通事故に巻き込まれてしまいます。
クラッシュのネタバレあらすじ:嫌悪と差別
その出来事がおきる前日、銃砲店にやってきたイラン人は、銃砲店の店主から、アラブ系だと思われイラン人は気を悪くしてしまいます。そのまま店を離れた彼に代わって、銃を購入したのは彼の娘だったのです。そのころ、黒人の青年、アンソニーは白人を異常に嫌悪する性格で、友達と一緒に道を歩いていた白人判事を襲撃します。黒人刑事のグラハムは、ある事故現場で黒人警官が白人警官から誤射されていたことを知ります。黒人たちに襲われた判事は、家の鍵を交換することにしました。黒人に襲われながらも、判事であることからなぜ彼らに襲われたのか、不思議に感じます。
クラッシュのネタバレあらすじ:不当な職務質問
白人警官で、人種差別主義者のジョンは、逃亡車があることを無線で聞き、逃亡車と似たような車を見つけたため、その車を停車させます。一緒にパトカーに乗っていた相棒から、違う車であることを指摘されたジョンでしたが、その車に乗っていたのが黒人であったため、職務質問を開始します。ジョンは黒人の妻の身体を触り、相手から不快感を与えると、その場を去っていきました。警官にどうすることもできなかった黒人は妻から不満の言葉を投げつけられました。そんなこんなで警察署に戻ったジョンの相棒は、ジョンの行動に嫌気がさして、上司に彼と組みたくないという事を言います。
クラッシュのネタバレあらすじ:それぞれの家族
黒人のアンソニーたちは、中国人の男を車で轢いてしまい、病院の出入り口に男を置き去りにしました。警官のジョンには、尿道炎で苦しむ父がいました。彼はそんな父を看病しながら日々の勤務を行っていたのです。父は会社を経営していた際、多くの黒人従業員を雇用していたという経緯があるも、現在は少数民族を保護する法律ができたために、そのような黒人は減らすことになっていました。妻が警官に職務質問を受けた男は勤務先でも嫌なことがあり、普段はよく話す間柄も、妻とは話せないでいます。
クラッシュのネタバレあらすじ:再会
ジョンは車両で巡回中に交通事故にあった車に遭遇します。その車はガソリンが漏れ出し、すぐにでも引火しようになっていたため、横転していた車の中にいた女性を引きずりだし、救助します。しかし、その女性は以前に彼が職務質問で嫌がらせを行った黒人女性でした。女性は嫌がりますが、ジョンはなんとか彼女を救出することに成功します。
クラッシュの結末:それぞれの結末
自分の店が荒らされたイラン人は、銃を持ってヒスパニックの男を襲撃しようとしますが、銃弾ははずれ、イラン人は動揺したまま立ち尽くしてしまいました。黒人の青年、アンソニーはバスに乗っている際、無人の車を見つけたため、その車を奪い、売ろうとしますが、中に大量の中国人不法滞在者が乗っていました。ジョンの相棒は、車を運転中、ヒッチハイクである青年を乗せますが、そこで車に飾ってあった小物に対して口論となり、相棒はその青年を射殺してしまい、車を燃やしてしまいます。ジョンはその夜、父親を介抱し、愛を伝えます。アンソニーは中国人をバスから解放させると、笑顔でその場を去っていきました。
「クラッシュ」感想・レビュー
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何気なく観て、ズルズルとそのまま・・・ 終盤の驚きと謎解きに感動しました。
現代アメリカにおいていまだ人種の問題は根深いということを考えさせられる作品。しかし、この映画の素晴らしいところは本当は人種の問題のベースにあるのは、ちょっとした心のすれ違いであるということを教えてくれる。人々が人種という壁を越えて、損得抜きで誰かのために何かをしたい、助けたいと思ったとき、頑なだった心と心は分かり合う。たとえ、それが一瞬であったとしても、同じ人間としてお互いを尊重したことに変わりはない。登場人物たちの小さな関わりが交差し、最悪の事態に陥るところを「優しさ、思いやり」の回復によりその事態を免れる。何度観ても良い映画。そして私も何か嫌なことがあっても、人に優しくあろうとその度に思う。