カット/オフの紹介:2018年ドイツ映画。『アウトサイダー』のクリスティアン・アルヴァルト監督がメガホンを執り、『ミケランジェロの暗号』のモーリッツ・ブライブトロイが主演を務めたドイツ発のサイコスリラーです。娘が何者かに誘拐されたことを知った検視官は、謎の遺体に隠されていた暗号から事件の謎を解明しようとしますが…。
監督:クリスティアン・アルヴァルト 出演:モーリッツ・ブライブトロイ(ポール・ハーツフェルト)、ヤスナ・フリッツィ・バウアー(リンダ)、ラース・アイディンガー(ヤン・エリック・サドラー)、ファーリ・ヤルディム(エンダー・ミュラー)、エンノ・ヘッセ(インゴルフ・フォン・アッペン)、クリスチャン・クーヘンブッフ(フィリップ・シュウィントウスキー)、ウルス・ユッカー(イェンス・マリネック)、バーバラ・プラコペンカ(ハンナ・ハーツフェルト)ほか
映画「カット/オフ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「カット/オフ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
カット/オフの予告編 動画
映画「カット/オフ」解説
この解説記事には映画「カット/オフ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
カット/オフのネタバレあらすじ:起
若い女性リンダ(ヤスナ・フリッツィ・バウアー)は元恋人のストーカー行為から逃れるためドイツの北部に位置するヘルゴラント島に身を隠していました。この日、島はかつてない程の激しい嵐に見舞われており、リンダは島民たちと共に集会場に避難していましたが、元恋人からと思しき脅しのメールを受け取ったリンダは集会所から逃げ出し、そのまま崖へと転がり落ちていきました…。
ドイツ・ベルリンの連邦刑事庁・重犯罪特別班に勤務する検視官ポール・ハーツフェルド(モーリッツ・ブライブトロイ)は、離婚した妻との娘であるハンナ(バーバラ・プラコペンカ)との関係が上手くいっていませんでした。この日もポールとハンナの間はギクシャクしたまま、ハンナはポールが車道で犬に暴行を加えた男に殴りかかっている間に姿を消してしまいました。
ある日、ポールはとある公園で発見された女性の遺体の検視を担当することになりました。その女性の遺体は顔から空気が抜けているというものであり、どうやら死後に下アゴが外された様子でした。ポールは医学の知識に不慣れなインターン生のインゴルフ・フォン・アッペン(エンノ・ヘッセ)の態度にイラつきながらも遺体を観察した結果、喉にカプセルが埋め込まれているのを発見しました。
中身は「ハンナ」という名前と彼女の携帯電話の番号であり、ポールは彼女に電話をかけてみると、ハンナは自分が何者かに誘拐されたことを告げ、「エリックを待って。誰かに話せば私は死ぬ」と伝えてきました。
カット/オフのネタバレあらすじ:承
ハンナを助けたい一心のポールはエリックなる人物に電話をかけたところ、電話に応じたのは何とヘルゴラント島のリンダでした。崖に落ちたものの無事だったリンダは、そこでエリックなる人物の遺体を発見していたのです。
ポールはリンダに事情を話して協力を求め、早速ヘルゴラント島に渡ろうとしましたが、島は悪天候のため船も飛行機も欠航となっていました。ポールはそれでもインゴルフと共にベルリンを経ち、少しでも島に近づこうと車を走らせました。
ポールは移動中の車内からリンダと連絡を取り、島の用務員エンダー・ミュラー(ファーリ・ヤルディム)と協力してエリックの遺体の状況を探るよう指示しました。今まで人の死体に触れたことのないリンダは怖気づきましたが、ポールは彼女を励ましつつ遺体を解剖してくれるよう指示しました。
ポールはこの島にはエリックを殺した者がまだ滞在しているのではと考え、エリックの遺体にもベルリンのあの女性同様に何かの手がかりが埋め込まれていると確信していたのです。
リンダはポールの指示通りに遺体を解剖、何とか遺体の喉から小さなカプセルを回収させることに成功しました。遺体のカプセルには女性の写真が納められており、それを見たエンダーはこの女性が元裁判官のフリーデリケ・トーベンという人物であると指摘しました。
カット/オフのネタバレあらすじ:転
フリーデリケは以前、ポールの元同僚だったイェンス・マリネック(ウルス・ユッカー)の娘をレイプ殺人した罪に問われた殺人鬼ヤン・エリック・サドラー(ラース・アイディンガー)の裁判を担当していました。
エリックはイェンスの娘を監禁してレイプし、自殺するよう追い込んだのですが、そのことを見抜けなかったフリーデリケは殺人罪を適用せず強姦罪だけの軽い判決を出したことから世間から叩かれ、裁判官を辞めてこのヘルゴラント島で暮らしていたのです。リンダとエンダーは早速フリーデリケの家へ行ってみると、そこにフリーデリケの遺体がありました。
その頃、ポールとインゴルフはイェンスの家を訪れていました。そこにはエリックを調べた結果とイェンスの娘の解剖の様子を映した動画データがありました。ポールはイェンスがエリックの出所を待って復讐に及ぼうと考えていたこと、そしてイェンスには協力者がいるであろうことを推測しました。
同じ頃、リンダとエンダーはフリーデリケの遺体を島の検視室に運んで解剖しようとしていました。ところが、部屋の電気の調子がおかしいことからエンダーが様子を見に行ったところ、何者かにナイフで刺されてしまいました。リンダはエンダーを襲った者から身を隠しつつポールと連絡を取り合い、フリーデリケの遺体には柄が刺さっていること、そしてそれにはGPSの座標らしき数字が書かれていることをポールに伝えました。
ポールとインゴルフは早速GPSが指し示す場所へと車を走らせました。その途中、ポールは秘書からの連絡でベルリンの女性の遺体の身元は運送会社を営むフィリップ・シュウィントウスキー(クリスチャン・クーヘンブッフ)の妻シビルであることが判明したことを知らされました。フィリップとシビルの娘もまたエリックの事件の被害者であり、彼女の行方は未だ掴めぬままでした。
やがてGPSの場所に辿り着いたポールは吹き荒れる猛吹雪の中でイェンスと対面しましたが、イェンスはメモリーカードを飲み込むと拳銃自殺を遂げました。ポールはイェンスの遺体からメモリーカードを回収、中にフィリップが自供する内容の動画を発見しました。
カット/オフの結末
フィリップとイェンスは共に娘をエリックによって死に追いやられており、共謀して復讐しようと誓っていたのです。二人は出所したエリックを捕らえて舌を切り取り、エリックにフリーデリケを襲わせたのです。語り終えたフィリップはカメラの前で首吊り自殺を遂げましたが、インゴルフはこの動画が撮影されたのは2日前であることに疑問を抱きました。
ポールとインゴルフは一計を案じて救助隊のヘリコプターを呼び、そのままヘルゴラント島へと向かわせました。一方、島ではリンダがエンダーを刺した者と対峙していました。実はこの者こそが密かに生き延びていたエリックであり、崖の遺体はエリックではなくエリックによって自殺するよう仕向けられたフィリップの遺体だったのです。
結局エリックには逃げられましたが、島に到着したポールはフィリップの遺体が持っていた鍵からハンナが捕らえられている場所を突き止め、無事にハンナを助け出しました。ポールはリンダやインゴルフに協力してくれたことへの感謝の意を伝え、遺体をヘリに乗せて島を後にしました。
ところが、遺体袋の中にはエリックが隠れており、ポールと揉み合いになったエリックはヘリから落ちそうになりました。ポールは一瞬エリックを助けようかと考えましたが、思い直してエリックの指を切り、ヘリから突き落としてとどめを刺しました。
以上、映画「カット/オフ」のあらすじと結末でした。
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