愛欲の十字路の紹介:1951年アメリカ映画。古代イスラエルの王ダビデはある夜、水浴びする美女を見て、遠征中の部下の妻と知りながら彼女を王宮に招く。恋に落ちた二人は道に背く関係を結ぶが、その罪は神の怒りに触れざるを得なかった。パラマウント映画の『サムソンとデリラ』の大ヒットに対抗して20世紀フォックスが放ったテクニカラー史劇。ヘンリー・キング監督は『頭上の敵機』、『拳銃王』に続いて主演グレゴリー・ペックとの仕事となった。
監督:ヘンリー・キング 出演者:グレゴリー・ペック(ダビデ王), スーザン・ヘイワード(バテシバ), レイモンド・マッセイ(預言者ナタン), キーロン・ムーア(ウリヤ)、ジェーン・メドウス(ミカル)そのほか
映画「愛欲の十字路」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「愛欲の十字路」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
愛欲の十字路の予告編 動画
映画「愛欲の十字路」解説
この解説記事には映画「愛欲の十字路」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
愛欲の十字路のネタバレあらすじ:王が招いた女
3000年前のイスラエル。イスラエル全土の王ダビデは戦場で、一般の兵士たちと共に斥候に出て将軍を困らせるほどの勇猛な男だった。だが、戦を将軍にまかせて都エルサレムに戻ると、息子たちの不仲や、サウル王の娘である第一夫人ミカルの嫉妬に悩まされる。
そのダビデはある晩、テラスから向かいの家で美女が召使に体を洗わせているのを見る。それは忠実な兵士であるヒッタイト人ウリヤの妻バテシバとわかるが、彼女を王宮に招く。
バテシバは結婚式で初めて会った夫とは結婚して7カ月間で6日しか会っていず、愛を感じていなかった。そして、彼女は以前からテラスに立つダビデに思慕を抱いていて、今晩はあえて戦場から帰還したダビデに見えるように水浴びしていたことを告白する。
ダビデは強制しなかったが、バテシバは自分の意志でダビデに抱かれる。
愛欲の十字路のネタバレあらすじ:王の休息
ダビデとバテシバは草原で二人だけの時を過ごす。ダビデは一介の羊飼いだった少年時代の話をする。
しかし、たまたま片手のない元兵士の老人と会い、ダビデ王と話しているとも知らず老人がその死を目撃したサウル王とその息子ヨナタンを讃えるのを聞き、苦い思いをする。野宿したダビデは夜、古戦場を訪れかつて共に戦ったヨナタンをしのぶ。
愛欲の十字路のネタバレあらすじ:罪を犯した王
都に戻ったとたんダビデとバテシバは姦通の罪で女が石をぶつけられるのを目撃する。夜密かに王宮に入ったバテシバは懐妊したことをダビデに告げる。ダビデは喜ぶが、バテシバにとってそれは不義をはたらいた証拠であり彼女が石をぶつけられて殺されることを意味した。
ダビデはウリヤがバテシバと床に入ればバテシバの生む子がダビデの子とはわからないと考え、ウリヤを戦場から呼び戻す。だがダビデの供応を受けた後、真面目なウリヤは他の兵士が戦地にある内は家に帰るまいと誓ったからと、ダビデが家に帰れと言ったのに王宮で寝ていた。
しかたなくダビデはウリヤ自身の希望により、将軍に最激戦地にウリヤを送るように命じる。加えて最前線にウリヤを残して退却するように命じた。予期した通りウリヤは戦死し、その報を受け取ったダビデはバテシバと結婚する。
愛欲の十字路のネタバレあらすじ:神の意志
イスラエルは旱魃にみまわれ、砂嵐が吹き荒れ、竜巻に襲われる。そしてバテシバの生んだ赤ちゃんはダビデの祈りも空しく死んでしまった。その時、預言者ナタンが民衆を引き連れて宮殿にやってくる。
ダビデは神の定めた王だから殺すことはできない。しかし、ダビデと不義を犯して夫を死に至らしめ神の怒りを買い天災をもたらしたバテシバを裁判にかけよと言う。第一夫人ミカルと、ダビデの息子アブサロムが告発したのだった。
ダビデはバテシバと逃亡しようと考えるが、バテシバは神の意志とは争えないと言い、死を覚悟していた。ダビデにせめて彼が羊飼いであった時に使った竪琴の音を聴かせてほしいと願う。ダビデは竪琴を奏でながら「死の陰の谷を歩くとしても、私は災いを恐れません。私と共にあなたがいらっしゃいますから…」と歌った頃を思い出す。
あの時ダビデが常に感じていた優しい神が、ダビデの犯した罪のために気の毒なバテシバを咎めるとは思えない。ダビデは神の前で自分を試そうと考える。
愛欲の十字路の結末
バテシバを裁判に委ねることをナタンに拒否して、ダビデは人々が見守る中、城門の外、聖櫃(十戒が刻まれた石板を収めた箱で、モーセの時代に神の指示通りに作られた)を祭ったテント小屋の神殿に行く。
ダビデはペリシテ人の町にあった聖櫃をエルサレムに移そうとしたが、城門の外で聖櫃が台座から落ちるのを防ごうとして聖櫃に触った兵士が即死し、ナタンの指示により神の怒りが静まるまで城門の外に聖櫃を置くことにしていた。
ダビデは自分の犯したすべての罪を神に告白し、自分を犠牲にして民衆を救いバテシバを赦すように神に願う。聖櫃に触れたダビデに預言者サムエルが子供だったダビデに将来の王として油をかけた日のことや、巨人ゴリアテを倒した日のことが思い出される。
ダビデが我に返ると、外で待望の強い雨が降り始めた。神がバテシバを赦したことがわかった。
以上、映画「愛欲の十字路」のあらすじと結末でした。
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