チャドルと生きるの紹介:2000年イラン映画。イランの首都テヘランを舞台に、不当な抑圧と差別を受けながらも懸命に過酷な日々を生き抜く女性たちの姿を描いた社会派ドラマです。ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞しています。
監督:ジャファル・パナヒ 出演者:フレシテ・ザドル・オラファイ(パリ)、マルヤム・パルウィン・アルマニ(アレズー)、ナルゲス・マミザデー(ナルゲス)、エルハム・サボクタニ(エルハム)、モニル・アラブ(モニル)ほか
映画「チャドルと生きる」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「チャドルと生きる」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「チャドルと生きる」解説
この解説記事には映画「チャドルと生きる」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
チャドルと生きるのネタバレあらすじ:起
イランの首都テヘラン。とある産科病院でソラマス・ゴラミという女性が女の子を出産しました。しかし、ソラマスの母は赤ん坊が女の子だと知って慌てふためきました。赤ん坊が男の子でなければソラマスは役立たずと見なされて離縁されてしまうのです。ソラマスの母の依頼で叔父を呼びに行った女性は、表通りで刑務所を仮釈放されたばかりの3人の女性、アレズー(マルヤム・パルウィン・アルマニ)、ナルゲス(ナルゲス・マミザデー)、マエデ(マエデ・タフマセビ)とすれ違いました。3人はこのまま故郷へ逃げ帰ろうとしていましたが、マエデは金鎖を売って旅費を稼ごうとしたところを警察に捕まり、残った二人で故郷を目指すことにしました。アレズーが知人から金を調達、二人はバスに乗り込もうとしましたが、直前になって怖気づいたアレズーはその場から逃げ出し、ナルゲスは何とかバスの切符を手に入れましたが、近くに警察官がいたのでバスを乗り損ねてしまいました。
チャドルと生きるのネタバレあらすじ:承
ナルゲスは服役中に知り合った仲間で、刑務所を脱走したパリ(フレシテ・ザドル・オラファイ)の協力を得ようと自宅を訪れましたが、彼女の父から門前払いをくらってしまいます。ナルゲスと入れ替わりでパリの兄が自宅を訪れ、父に匿われていたパリは自宅から逃げ出しました。数ヶ月前に処刑された死刑囚の子を身籠っているパリは、刑務所で知り合い、今では看護師として働くエルハム(エルハム・サボクタニ)に堕胎手術をしてもらおうと協力を求めましたが、エルハムは手術には夫または父親の同意書が必要だとして申し出を拒否してしまいます。途方に暮れたパリは夜の街に飛び出し、つわりの苦しみと警察の厳しい監視の目から逃れながら彷徨い歩きました。
チャドルと生きるのネタバレあらすじ:転
パリは街の中で出会ったナイエレという女性が実の娘を置き去りにしようとしているところを目撃しました。生活に困窮しているナイエレは我が子の将来を考えてのことでしたが、パリはナイエレを見つけると「ひどい親だ!」と非難しました。しかし、ナイエレは娘は他所の家族に拾われれば安全だと語り、イランの女性は身分証明書や警察の許可証がなければホテルすらも部屋を取れない現状にあってなぜパリはホテルに入ろうとしたのかと問い質しました。答えに困ったパリはその場を走り去り、テヘランの街の中へと消えていきました。結局、ナイエレの娘は誰にも拾われることなく、警察に保護されました。
チャドルと生きるの結末
自暴自棄になったナイエレは、通りがかりに声をかけてきた男の車に乗り込みましたが、実はその車は覆面パトカーであり、ナイエレは娼婦だと疑われて逮捕されそうになりました。その時、前方のタクシー運転手が何やら警官とトラブルを起こしており、覆面パトカーの警官が応援に向かった隙を突いてナイエレは密かに逃げ出しました。タクシー運転手は、タクシーに乗せていた本物の娼婦・モジュガン(モジュガン・ファラマジ)を巡って警察と押し問答となっており、程なくして運転手は解放されましたがモジュガンは警察に拘束され、拘置所に連行されていきました。そこには数名の女性が囚われており、看守がモジュガンら女に「ソラマス・ゴラミはいるか?」と問い掛けていました。テヘランには冷たい雨が降っていました。
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