ダウン・バイ・ローの紹介:1986年アメリカ,西ドイツ映画。無実の罪で投獄された元ラジオDJ、ポン引きのチンピラ、殺人罪で投獄された陽気なイタリア人。意気投合した三人は共に脱獄、逃避行のうちに奇妙な友情が芽生えていきます。全編モノクロで撮影されたヒューマン・コメディです。
監督:ジム・ジャームッシュ 出演者:トム・ウェイツ(ザック)、ジョン・ルーリー(ジャック)、ロベルト・ベニーニ(ロベルト)、ニコレッタ・ブラスキ(ニコレッタ)、ロケッツ・レッドグレア(ギグ)ほか
映画「ダウン・バイ・ロー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ダウン・バイ・ロー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ダウン・バイ・ローの予告編 動画
映画「ダウン・バイ・ロー」解説
この解説記事には映画「ダウン・バイ・ロー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ダウン・バイ・ローのネタバレあらすじ:起
ニューオーリンズ付近の田舎町に住む元ラジオDJのザック(トム・ウェイツ)は新しい仕事も見つからず、恋人ロレッタ(エレン・バーキン)から愛想を尽かされたあげく同棲中のアパートから追い出されてしまいます。途方に暮れるザックの前にマフィアのプリストン(バーネル・バッグナリス)が現れ、1000ドルの報酬と引き換えに“ある車”の移送を依頼されました。ところが、車の移送中にザックは警察に停められ、トランクの中からは男の死体が発見されました。何も事情を知らないザックはそのまま逮捕されました。
一方、ポン引きのジャック(ジョン・ルーリー)は、普段から仲の悪いチンピラのギグ(ロケッツ・レッドグレア)から仲直りの証として“ある美女”を紹介すると持ち掛けられました。半信半疑のジャックが指定された部屋に向かうと、そこにいたのは美女ではなくまだ幼い少女でした。まんまとギグの罠に引っ掛かったジャックは未成年者買春の罪で逮捕されました。
ダウン・バイ・ローのネタバレあらすじ:承
ザックとジャックは刑務所で同じ監房に収容されましたが、どうも二人はそりが合わずいがみあったままです。そんなある日、ロベルト(ロベルト・ベニーニ)というイタリア人の囚人が二人の監房に収監されてきました。ロベルトは英語が苦手で、最初のうちはザックやジャックとそりが合わなかったものの、ロベルトの持ち前の人の良さに感化されていったザックとジャックは次第に打ち解けていきました。そしてザックとジャックは、このロベルトがカードゲームでのトラブルに端を発する殺人の罪で収監されたことを知って大いに驚きました。
そんなある日、刑務所の庭に偶然にも抜け穴を発見したロベルトはザックとジャックに脱獄を持ち掛け、三人は抜け穴をくぐってまんまと脱獄に成功しました。
ダウン・バイ・ローのネタバレあらすじ:転
警察の執拗な追跡から逃げ続ける三人は沼を泳いで渡ろうとしましたが、沼には多数のワニが生息していることから断念。仕方なく沼を迂回して森を潜り抜けることにしました。途中で三人はオンボロな廃屋を見つけ、そこで一夜を明かすことにしました。ロベルトはこのままテキサスに逃げることを提案、ジャックはミシシッピーにすべきだと主張するうちに疲れ切った三人はそのまま眠りにつきました。
翌朝、三人は廃屋の近くのボートで川を下りはじめますが、いつまで経ってもこの一帯を抜けることができません。そのうちにボートの船底に穴が開いて浸水し始めたので、三人はボートを捨てて再び森を彷徨い歩きました。
夜になり、体力も気力も限界に達したザックとジャックは仲違いして殴り合いとなりますが、ウサギをとっ捕まえて焼いたロベルトが二人をなだめ、ウサギを食べる三人にはいつしか奇妙な友情が芽生えていました。
ダウン・バイ・ローの結末
翌朝、三人はようやく道路に出、やがて道端に一軒の寂れたレストランを発見しました。ザックとジャックは万が一警察が潜んでいないか確かめるためロベルトにレストラン内に入ってもらいますが、いつまで経ってもロベルトはレストランから出てきません。
しびれを切らしたザックとジャックがレストランの中を覗いてみると、ロベルトはレストランの女性店主・ニコレッタ(ニコレッタ・ブラスキ)の厚いもてなしを受けているではありませんか。ロベルトはザックとジャックをニコレッタに紹介、二人はようやくまともな食事にありつくことができました。
同じイタリア系のニコレッタと身の上話をしているうちに打ち解け合い、互いに惹かれ合ったロベルトは、ここでニコレッタと添い遂げることを決意、ザックとジャックは二人を祝福しながら別れを告げて旅立ちました。分かれ道に差し掛かったザックとジャックは互いの服を交換しあうと、ザックは西へ、ジャックは東へとそれぞれの道を歩いていきました。
主演もつとめているトム・ウェイツの渋い歌声をバックに、ジム・ジャームッシュ監督らしい、どこかおしゃれで退廃的な雰囲気が続くのがいい。モノクロなのは同監督の前作「ストレンジャー・ザン・パラダイス」と同じで、ノスタルジーがありとても効果的。