EDEN/エデンの紹介:2014年フランス映画。DJになることを夢見ていたポールは音楽にのめり込んでいきやがて才能を見せ始める。音楽にすべてを託した青年の成功と挫折を音楽とともに送る。
監督:ミア・ハンセン=ラヴ 出演:フェリックス・ドゥ・ジヴリ(ポール)、ポーリーヌ・エチエンヌ(ルイーズ)、ヴァンサン・マケーニュ(アルノー)、ユーゴ・コンツェルマン(スタン)、ロマン・コリンカ(シリル)、ほか
映画「EDEN/エデン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「EDEN/エデン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
EDEN/エデンの予告編 動画
映画「EDEN/エデン」解説
この解説記事には映画「EDEN/エデン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
EDEN/エデンのネタバレあらすじ:起・DJへの夢を抱くポール
1992年、音楽ラジオを聞くのが好きだったポールは、将来DJになることを夢に見、夜外を出歩いては、ディスコに行った。三年後、大学生になった彼は母親にドラッグをやってることを怒られながらも、友人たちと音楽を続け、私生活ではNYからパリへ来た作家の卵の人妻ジュリアの家に転がり込んで過ごしていた。そして、スタンと一緒にチアーズと言うグループでデビューを果たしたその夜、ジュリアはNYへ戻っていた。またトマとギィ・マンはダフト・パンクと言うグループを結成し、シリルはコミックを描くことを目指していた。
EDEN/エデンのネタバレあらすじ:承・スターダムと影
バスティーユのライブハウスから始まったチアーズは、順調にシャンゼリゼのクラブへと拠点を移し盛況を博し、アメリカから歌手を呼ぶこともあった。数年前は視聴者だったラジオのDJをスタンと一緒にやり始めていた。ポールはルイーズと言う恋人を見つけ、私生活も順調だった。そんな彼らは、ダフト・パンクやアルノーなどの仲間たちととうとうアメリカでイベントを開くことになった。しかし、誘ったはずのシリルはコミックを描き上げたいと言って彼らにはついてこなかった。 NYで、ポールは、かつての恋人ジュリアの元を訪ねた、彼女には新しいパートナーがおり、臨月を迎えようとしていた。彼女とそのパートナーをイベントに招待すると、現在の恋人ルイーズは怒ってその場を去った。ポールがとりなしたものの、ルイーズの機嫌はなかなか直らなかった。 NYのイベントでも彼らは成功し、シカゴまで足を延ばしイベントを開いた。 この頃から、もともと遺産を切り崩していたポールは資金繰りに困り始め、またドラッグ漬けになり始めていた。 そしてパリに帰ると待っていたのはシリルの訃報だった。彼は自分の作品を仕上げる前に自殺してしまった。
EDEN/エデンのネタバレあらすじ:転・音楽に狂わされていく
やがてポールは母のお金に頼り始めるようになった。彼はイベントを開くものの、その半数のなじみ客は無料で入れており、彼の回す音楽に対価を払っている者はごく少数だった。そんな折、仕事のことでルイーズと喧嘩をし、別れてしまった。母親は妹の論文発表に友達の女の子達が来るだろうからいい子を見つけるようにと案じた。しかしポールはインテリには興味がなかった。 いよいよお金の無い中、アメリカから呼んだ歌手は、高いホテルとスイートを要求するような著名な歌手を呼び、人を集めた。しかしこの頃から彼らの音楽は流行からずれ始め、もう少し流行を取り入れるようにと、上から言われるようなってた。 ポールはマルゴと言うブルジョワ風の女性と付き合うようになったが、三年間恋人にはならず別れた。
EDEN/エデンの結末:彼に残されたもの
パリから離れたルイーズの元へ行くと、彼女はすでに結婚し、一児の母になっていた。相方のスタンも恋人との間に子供がいた。ポールは自分のイベントに来るヤスミンと仲を深めるが、債権の組み直し、コカイン中毒、そして新年パーティーで隣の船のサルサの音楽に客を持って行かれることに絶望した。 彼は生活のためにコールセンターで生活をはじめ作家講座に通い始めた。 同じ頃昔の仲間だったダフト・パンクの二人は流行に乗りうまくやっていた。パリに戻ってきたルイーズと一時的に寄りを戻すものの、自分と彼女の間の子供を修羅場になるからと相談されずに中絶されていたことを知り、ルイーズに別れを告げた。 何もない部屋で、音楽を止めてくれと言うポールを、返ってきたヤスミンは見つけ、家へ運んだ。母は、そんなヤスミンをいい子だと評した。 相変わらず作家講座に通い続ける彼はそこで出会った女の子に、アメリカの作家の詩集を貰い、そこにポールらしい詩が載っていると言われた。家に帰って読んでみると、それはリズムと言う詩だった。
以上、映画EDEN/エデンのあらすじと結末でした。
EDEN/エデンのレビュー・考察:ポールにとって音楽とは
これはけして成功譚ではない。けれど、何が悪い、何が良いと言うのも簡単に計ることはできない。ただ伝わってくるのはポールがひたすら音楽にのめり込んでいた事、彼の中で最優先されていたのが音楽だった事、そしてそれが周りの流行りに左右されりものではなく彼自身が回したい音楽と言うものがあったと言う事。作中音楽が鳴り続けているがそれが鳴りやむのはルイーズとの間の子供が中絶されていたと言う事を知った時だけで、シリルの葬儀の際も、曲調こそ違え、音楽はなり続けていた。彼が音楽にのめり込んだように音楽もまた彼の人生に寄り添い続け、そしてこれからも共にあり続けるのだと思う。
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