ル・コルビュジエの家の紹介:2009年アルゼンチン映画。ル・コルビュジエの家に住むデザイナーのレオナルド。妻と娘と裕福な家庭を持ち、成功者として生活していた彼の安寧は、隣の家の壁に開けられた窓によってもつれ始める…。
監督:ガストン・ドゥプラット 出演者:ラファエル・スプレゲルブルド(レオナルド)、ダニエル・アラオス(ビクトル)、エウヘニア・アロンソ、ほか
映画「ル・コルビュジエの家」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ル・コルビュジエの家」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ル・コルビュジエの家の予告編 動画
映画「ル・コルビュジエの家」解説
この解説記事には映画「ル・コルビュジエの家」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ル・コルビュジエの家のネタバレあらすじ:起・大陸唯一のコルビュジェの家
ブエノスアイレス、ラプラタにあるアメリカ大陸唯一のクルチェット邸に住む、デザイナーのレオナルド。反抗期の娘と、ヨガ講師の妻を持つ彼が朝起きると、向かいの家の壁が壊されて自宅が覗けるようになっていた。
人の家に向けて窓を開けるのは違法だと業者に言うと、家主のビクトルは部屋に光りを入れたいだけと言った。そして、レオナルドの家が見えないように壁には黒いビニールが掛けられ、作業は進められた。
作業の騒音で、ヨガ教室を進められないレオナルドの妻アナは怒り、暗に隣人対策として、防犯用のパニックボタンを取り付ける事にした。
自宅でデザインの仕事しているレオナルドを、ビクトルはバーで話したいと呼び出し、断っても食い下がり、仕方なく車の中で話すと、窓を作ることは譲れないが、隣のレオナルドの家に合うような美しい窓にするからと説き伏せようとした。それに対してレオナルドは、妻が反対しているという事と、ふりだけでも妻を説得すると言った。
ル・コルビュジエの家のネタバレあらすじ:承・仕事と私生活の亀裂
自宅での仕事も作業の音で出来ず、ビクトルに妻が説得できないから窓を塞ぐように言おうとすると、ビクトルが自ら妻の説得をすると言った。
妻にはビクトルを説得すると言っているレオナルドは、埋め戻しの改装費を出すから、塞いでくれと言い募ると、窓を開けることでレオナルドの生活が脅かされるなら作業を止める、という話になった。
その翌日、ビクトルからアナ宛てに薔薇の花束が贈られ、それを捨てたレオナルドは食卓の笑い話にした。そして、釣り竿でビニールをはがしてみると、開いた壁に窓枠が設えられていた。そして夜、レオナルドとアナは、ビクトルが女性を連れ込んでいるのを見て笑った。
ル・コルビュジエの家のネタバレあらすじ:転・デザイナーとしてのレオナルド
コルビュジエの家には、ネットから見に来たと言う人が今日もカメラを向け、時には中に入ろうと言う観光客がレオナルドを煩わせた。
デザインを志す学生を酷評してしまった日、仕事をデザイン関係だと断定されたレオナルドは、ビクトルが通ったオブジェの出来を見てくれるよう頼まれ、一つを送られ、断るとそのまま置いて行かれた。
最終的にビクトルをおじけづかせるしかないと計画を立てたレオナルドは、弁護士に電話をしてもらうように頼んだ。
工事のせいで、納品は遅れ、夫婦仲も険悪になり、娘のローラも反抗期でいらだちを募らせているレオナルドに、妻と娘は彼をおいて出掛けてしまった。
気晴らしに学生のフリアを誘うと拒否され、それを見ていたビクトルは、自分には若い恋人がいると言った。
ル・コルビュジエの家の結末:ビクトルは何者か
弁護士から電話が来たと怒鳴り込んで来たビクトルは、弁護士に会いに行くと、自分を見て弁護士がおじけづいていたと笑った。そして、法的に違法でない、明かり取りの細い窓にし、ガラスのタイルを嵌めることで決着する事にした。
しかし、妻がそれでは納得せず、レオナルドは妻の父親に脅されたと嘘をついて再び窓を塞いでくれるように頼んだ。
そして、問題を先送りしたまま家でパーティーを開くと、ビクトルはアナの友人の恋人として、入って来た。
レオナルドとアナが話し合うために家を空けると、強盗が押し入り、家政婦と娘を浴室に閉じこめてしまった。それを見ていたビクトルが銃を片手にやって来るが、強盗の若者たちが持っていた拳銃に撃たれてしまった。
パニックボタンが押された事に気づいたレオナルド達が帰ってくると、倒れたビクトルに救急車を呼ぼうか迷っているうちに、彼は死んでしまい、壁は塞がれたのだった。
以上、映画「ル・コルビュジエの家」のあらすじと結末でした。
ル・コルビュジエの家のレビュー・考察:レオナルドの建前
ビクトルは一貫して、窓を作りたい言う事しか言わないが、その風体から、ビクトルやその家族から警戒されてしまう。ラストで銃を持ち出すが、最終的に彼の正体はわからない。窓が欲しいだけの善良な隣人と思おうとすれば、ただの隣人かもしれないが、仕事の合間や、終わりに見計らって出てくるのは、猜疑心を抱いていたレオナルドからしたら、恐怖かもしれない。そして、レオナルド自身も、ビクトルには直接窓については話せず、妻のせいにしたり、義父のせいにしたりとどんどんと嘘が上塗りされてしまう行程が、窓が作られていくと言う過程に被っていて面白い。
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