グライド・イン・ブルーの紹介:1973年アメリカ映画。夢破れた男達の孤独と挫折を描いたドラマ作品。アリゾナの砂漠地帯で白バイ警官を務めるジョンは、殺人課の刑事になることを夢見ていた。なかなかチャンスに恵まれない中、自殺に見せかけた殺人事件が起こる。理想通りの刑事ハーブの補佐についたジョンは有頂天で捜査に取り掛かるが、待ち受けていたのは残酷な現実だった。
監督:ジェームズ・ウィリアム・ガルシオ 出演者:ロバート・ブレイク(ジョン・ウィンターグリーン)、ビリー・グリーン・ブッシュ(ジッパー)、ミッチェル・ライアン(ハーブ・プール刑事)、ジャニーン・ライリー(ジョリーン)、エリシャ・クック(ウィリー)ほか
映画「グライド・イン・ブルー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「グライド・イン・ブルー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
グライド・イン・ブルーの予告編 動画
映画「グライド・イン・ブルー」解説
この解説記事には映画「グライド・イン・ブルー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
グライドインブルーのネタバレあらすじ:舞い込んだチャンス
舞台はアメリカのアリゾナ州、モニュメント・バレー。白バイ警官のジョン・ウィンターグリーンは、殺人課の刑事になることを夢みていました。しかし異動願いは何度も却下され、ただただ砂漠で違反切符を切り続ける毎日です。ジョンは不満を募らせながらも、真面目な性分なので仕事はきっちりこなしていました。逆に友人で同じ白バイ警官のジッパーはいい加減な性格で、特に大嫌いなヒッピーには何度も嫌がらせをしています。正反対な2人ですが、不思議と良き友人関係を築いていました。
そんなある日、パトロール中の2人は知り合いの老人ウィリーを道端で見つけます。半狂乱で泣き喚く彼が言うことには、友人フランクが丸太小屋で自殺したらしいのです。ジョンがウィリーをジッパーに預け丸太小屋へ行ってみると、銃で胸を撃ったフランクが死亡していました。ジョンはその光景に疑問を抱きます。自殺なら即死出来る頭部を撃つはずだからです。
連絡を受けやって来た検視官にその疑問点を訴えますが、彼は自殺と決めつけジョンの話を聞こうともしません。そこへ現れたのは、殺人課の刑事ハーブ・プールでした。彼の指示で解剖が行われると、やはりフランクは他殺だったことが明らかになります。ハーブはジョンを評価し自分の補佐につけました。思いがけず刑事への第一歩を踏み出したジョンは大喜びします。
グライドインブルーのネタバレあらすじ:偶像
翌日。ジョンとハーブは情報を集めるため、ウィリーを訪ねました。そして去年から小屋付近に若者がうろつき始めたこと、小屋にフランクが大金を隠していたことを聞き出します。小屋に行くと、ハーブは持論をジョンに披露しました。内なる声を聞き、自分の才能を信じろと熱弁するハーブ。その自信に満ちた言葉にジョンはすっかり心酔してしまいます。
小屋に入った2人は大量の薬物を発見しました。フランクは薬物を売っていたのです。金が見つからなかったことから、次にハーブは薬物の売人ボブ・ゼムコを探すことにしました。2人はヒッピーのコミューンへ足を運びますが、平和的に情報を得ようとするジョンとは逆に、ハーブは暴力を振るって無理やり聞き出そうとします。そのあまりに乱暴なやり方に、ジョンは戸惑いと不安を抱くのでした。
グライドインブルーのネタバレあらすじ:失望
夜。上機嫌のハーブは、自分の女神に会わせると言ってジョンを酒場に連れて行きました。店内で酔っ払っていたハーブの女神、ジョリーンはジョンを見つけて笑顔になります。実はジョンとジョリーンは、何度も肉体関係を持つ仲でした。溺愛するジョリーンとジョンの関係を知り、顔色を変えるハーブ。更に性機能では到底ジョンに敵わないと馬鹿にされ、店から追い出されてしまいます。ジョリーンは自分のものだと喚き散らし、プライドを傷つけられたハーブは荒々しく立ち去りました。
翌日、ジョンは白バイ警官に戻されます。気落ちしつつもジッパーと一緒にバイクの集団を追いかけたジョンは、その中にゼムコの姿を見つけました。執拗な追跡の末やっと捕まえたゼムコは、確かに大金を所持していました。ハーブはフランクの金だと確信しますが、ゼムコは頑として容疑を否認します。ハーブの強引な尋問に嫌気がさしたジョンは、ロックコンサートの警備に参加しました。
コンサートが終わった後、たった1人で掃除の仕事をする老人を見つけたジョンは、その孤独な姿に事件の真相を見出します。白バイに跨ったジョンが向かったのは、ウィリーのところでした。
グライドインブルーのネタバレあらすじ:殺人の動機
自分の内なる声に耳を傾けたジョンは、フランク殺害の犯人がウィリーだと気付きました。動機は嫉妬、そして孤独です。フランクは若者と交流を持ち、ウィリーから離れていきました。ウィリーにはそれが受け入れられなかったのです。嫉妬と孤独、そして老いによる恐怖からたった1人の友人を殺害したウィリー。連絡を受けて駆けつけたハーブ達に、ジョンは淡々と説明しました。
ゼムコは無関係だったのです。ジョンはコミューンで若者に暴力を振るい、ゼムコの話を信じなかったハーブを責めます。どんなに立派な格好をして理想を掲げていても、人間として最低だと吐き捨てその場を去っていきました。
グライドインブルーの結末:孤独と挫折の果て
フランク殺害の犯人は判明したものの、未だ大金は行方不明のままでした。ジョンがジッパーを訪ねると、彼は大はしゃぎである物を披露します。それは高級なカスタムパーツをふんだんに盛り込んだ、エレクトラ・グライドでした。夢が叶ったとはしゃぐジッパーを前に、ジョンはまさかと思い金の出処を聞きます。悪い予感は的中しました。フランクの金を盗んだのは、ジッパーだったのです。
ジッパーは喜びと罪悪感に体を震わせ、「お前の思うようにしろ 正しいことを」と呟きました。そしてジョンに向けて発砲します。思わず応射したジョンの弾はジッパーの腹部に命中し、それが致命傷となってジッパーは命を落としました。ウィリーと同じように、唯一の友人を殺害してしまったジョン。孤独に打ちひしがれながら仕事を続けていた彼は、違反しているヒッピーの車を見つけました。停車を命じて運転手を見ると、以前ジッパーが嫌がらせをしていた男です。ジョンはそのことを侘びて車を行かせてやりますが、運転免許証を預かったままだと気付いて慌てて追いかけました。
すると後ろの窓が開いて銃口が覗きます。車に乗っていた男がショットガンを発砲し、防ぐ間も無くジョンは撃たれてしまいました。バイクから転がり落ちたジョンは、道路に座り込むように絶命します。荒涼とした砂漠にジョンの姿が消えていき、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「グライド・イン・ブルー」のあらすじと結末でした。
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