ファイヤーフォックスの紹介:1982年アメリカ映画。米ソ冷戦の最中、ソ連が思考誘導装置を備えた超音速ステレス戦闘機を開発した事を情報をアメリカは入手する。軍上層部はそれを受け、その新型機の強奪を計画する。その計画に抜擢されたパイロットは、腕利きながらも戦争で精神を病んでいたミッチェル・ガントだった。彼はソ連に潜入、工作員達と協力しファイヤーフォックスに近付いて行く。クリント・イーストウッド監督、主演のスパイ映画。
監督:クリント・イーストウッド 出演者:クリント・イーストウッド(ミッチェル・ガント)、ウォーレン・クラーク(パヴェル・ウペンスコイ)、ロナドル・レイシー(セメロフスキー)、ナイジェル・ホーソーン(ビュードル・バラノヴィッチ)、ディミトラ・アーリス(ナタリア・バラノヴィッチ)、カイ・フルフ(ヴォスフォク)、クラウス・ロウシュ(ウラジミロフ)、ステファン・シュナーベル(書記長)ほか
映画「ファイヤーフォックス」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ファイヤーフォックス」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ファイヤーフォックスの予告編 動画
映画「ファイヤーフォックス」解説
この解説記事には映画「ファイヤーフォックス」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ファイヤーフォックスのネタバレあらすじ:起
アラスカをランニングする元戦闘機パイロットのガントは、ヘリが近付くのに気付き走るペースを上げます。そして隠れるように家に飛び込み、銃を構えます。その彼の脳裏に、ベトナムで撃墜された時の記憶が過ります。彼は捕虜にされた時、その救出に駆け付けた友軍の攻撃で、民間人の少女が一人焼殺された場面に遭遇した過去がありました。恐慌に陥っていたガントは、ヘリのパイロットに声を掛けられ正気に戻ります。
アメリカは、ソ連の最新鋭戦闘機ミグ31ファイヤーフォックスが完成した情報を手に入れました。ファイヤーフォックスは、ステレスシステムに巡航速度マッハ5以上という飛行性能、そして思考制御による攻撃システムを備えており、幕僚達はその脅威を論じます。そしてアメリカは、ロシア系の血筋を持つガントを使いファイヤーフォックスの奪取作戦を計画しました。自分の精神状態等を理由にガントは最初断りますが、戦争から帰国後、行方を眩ませた先で公用地を不法に使用していた事を理由に脅され、結局引き受ける事になりました。
ガントは、携帯ラジオに偽装したナビゲーションシステムを渡され、ファイヤーフォックス奪取後の飛行経路、万が一の墜落時に備え機体性能をボイスレコーダーへ吹き込む等の説明を受け、麻薬密売人スプラグに成り済ましソ連に入国します。ホテルにチェックインしたガントは夜外に出て、指示通りソ連公安局員、KGBの監視を尾行させたまま、連絡員パヴェルと落ち遭います。そこには本物のスプラグもいました。パヴェルは徐にスプラグを殺し、河に放り放り込みます。公安員はそれをすぐに発見、検問を手配、パヴェルとガントを追います。パヴェルに新たな身分と逗留先を指示され逃げるガントですが、人の死を目の当たりにしてトラウマが過ります。それでも逃げ続けますが、警戒中のKGBから尋問を受け、パスポートに不備があると指摘されました。それはハッタリで、ガントは咄嗟に抵抗してしまい公安局員を殺害してしまいました。パヴェルはそれを知り死体を隠し、ガントを自分達の隠れ家に移動させました。
ファイヤーフォックスのネタバレあらすじ:承
ガントはまた身分を変えて、パヴェルと共に新型機の試験を行っている飛行場に向かいます。パヴェルは前からスパイとして監視を受けており、それに前夜の事件で当局の警戒が強まり、二人には尾行が付いて回ります。更にはKGBはスパイを何人か逮捕し、把握している員数外であるガントが何者か探り始めます。夜になり、逮捕したスパイから情報を取ろうとしますがうまく行かず、ガント達の逮捕命令が出ます。その頃飛行場に向かうパヴェルは、協力者であるファイヤーフォックス開発者の一人セメロスキーとガントを予定通りに合流させる為、ガントを走行中に車から飛び降りさせます。KGBはパヴェルの車を追い、ガントはセメロスキーの車に忍び込み、更に開発者でパラノヴィッチの夫妻の協力を受け、彼等の宿舎に隠れます。一人逃げるパヴェルはKGBに襲われ車を失い、森の中を逃げ続けました。ガントはパラノヴィッチから奪取までの詳細説明を受けます。作戦は、士官に変装して基地格納庫に入りこみ、テストパイロットのボスコフを殺害し入れ替わり、協力者達が騒ぎを起こす隙にファイヤーフォックスを奪う手筈になっていました。
ファイヤーフォックスのネタバレあらすじ:転
KGBではガントの素性が徐々に調べられて行きます。ガントは、協力者達からファイヤーフォックスは現在2機ある事を聞かされます。2号機も飛行可能で更に1号機にはない空中給油能力があるが、騒ぎで飛行不能する予定でした。そして件の思考制御システムに於いて、ロシア語で考える事が重要だと説明されました。
変装したガントは飛行場に近付きます。警備兵に検問を受けますが問題は発生せず、彼は疑われないように警備兵に森もパトロールした方が良いと提案しました。ガントは格納庫に入り、2機のファイヤーフォックスを確認します。カナードを装備したデルタ翼の機体は、ステレス性能を引き出す為に異様な形態をして電波吸収塗料で黒く塗られていました。それを見詰めるガントは、ソ連士官に話し掛けられます。ガントは森のパトロール強化を指示したとやり過ごし、予定通りに控え室に向かいます。
テストパイロットのボスコフは、飛行に備え控え室に入ります。そしてそこに潜んでいたガントに襲われますが、気絶したボスコフをガントは殺さず、拘束して隠すに止めました。
バヴェルは基地の兵士から追われ、協力する開発者達の監視はそれとなく厳しいものになって行きました。そしてガントの侵入が広まり、パトロールを強化した偽士官として覚えられていた為、基地内の探索も強化されます。シャワールームに隠れているガントは警備兵から誰何を受けますが、ボスコフの階級、そしてテストパイロット言う身分を活かし、強権的にそれをかわします。しかし、高まる緊張からトラウマが呼び起こされ、精神が不安定になって行きます。
飛行準備は整い、協力者達は行動を起こし始めました。基地内の捜索は隙間も見逃さない程に行われて居ます。それを指揮する基地司令官の所に、今回試験飛行を見学する書記長の到着が早まったという報告がなされ、彼は慌てます。そこにKGBからガントがパイロットで工作員だと言う事が報告され、司令官はアメリカの狙いがファイヤーフォックスの奪取だと言う事に気付きます。危険な開発者達の拘束を指示した司令官ですが、その時警報が鳴り響きます。格納庫では爆発が起こりますがすぐに処置されます。警備兵はセメロスキーを射殺し、次いでパラノヴィッチ夫妻が射殺されました。彼等は死に際に、機体に近付くパイロットの姿を見ました。パイロットは騒ぎを余所に1号機に搭乗、エンジンを始動させます。警備兵はバイザーを下げたパイロットをボスコフだと思い、機体から降りるよう指示しますが従わず、パイロットは彼を突き飛ばします。パイロット、ガントはバイザーを上げ離陸準備を進め、それを見咎めた司令官は格納庫の扉を閉めさせましたが遅く、書記長の目の前でファイヤーフォックスは、滑走路か白炎を上げ飛び立って行きました。上昇して行く機体を見届けたパヴェルは、自分のこめかみに銃口を当てました。
ファイヤーフォックスの結末
アメリカに協力するイギリス空軍基地では、ソ連空軍が騒ぎ始めたのを察知します。それを知った上層部は、ファイヤーフォックス回収の段階を進める為、母艦の準備を要請します。
ガントは逃走方向に欺瞞を掛け、永久氷原へ飛行を開始します。そのガントに書記長が無線で機体の返却を要求しますが応じる訳もなく、書記長は撃墜命令を出します。空軍司令官ウラジミロフは書記長に方針を確認しガントの進路予測、南のトルコに向かうと考えます。イギリス空軍基地はソ連の無線を傍受、現在の所欺瞞に引っ掛かっている事を確認しました。
ガントは低空での飛行能力を確認しながら海に向かいます。ウラジミロフはガントの資料を読み、その有能さから彼が飛行経路に欺瞞を掛けている事に気付きます。そこに2号機の破損状況が報告され、パイロット共々離陸までにさほど時間を要さない事を知らされます。更に、謎の飛行音が観測された事が報告され、ウラジミロフはガントが北に向かっていると確信、その予測進路に熱探知ミサイルを発射させます。
飛行中のガントは、ナビゲーションシステムを起動させました。更に偵察機を確認、避けようとしますがミサイルの接近も感知、偵察機をミサイルで爆破して熱源に変えミサイルをかわします。書記長は、ガントが海に出た事を知りウラジミロフを責めます。ウラジミロフは、その進路に居る巡洋艦に迎撃を命じます。巡洋艦を避ける燃料がないガントはそのまま直進します。その時、味方のビーコンをキャッチ、補給地点までの距離を知ります。ガントは巡洋艦の迎撃をかわし、補給地点に急ぎます。書記長はボスコフに激を飛ばし、ウラジミロフに圧力を掛けます。ガントがウラジミロフは氷原での補給をすると予測し、手を打ちます。
ガントは燃料切れになりながらも氷原に着陸、待っていた潜水艦と合流し補給を受けます。ソ連では、別方向に1号機らしき痕跡をキャッチ、書記長は独断で2号機をそちらに向かわせます。それは囮で、補給を済ませた1号機は離陸し飛行を再開しました。アメリカの手の内を読んでいたウラジミロフは書記長を叱責、2号機を向かわせます。雲に紛れ飛ぶガントは遂に2号機に追い付かれ、2機は交戦します。その最中、ガントはミサイルの回避行動で失速、操縦不能になります。更にトラウマが発症、高度をどんどん落して行きますが、墜落寸前でトラウマを克服、機体のコントロールを取り戻します。しかしガントの危機は続きます。ガントが立て直すまで待っていたボスコフは併走し、撃墜宣言をします。ガントは対抗しますが1号機は攻撃システムが作動しませんでした。その時ガントは思考制御を行うのはロシア語だと思い出し、防御装置を作動させ2号機を撃墜しました。脅威が全て消えたファイヤーフォックス1号機は、悠然とアメリカへの帰路につきました。
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