フラッシュダンスの紹介:1983年アメリカ映画。鉄鋼の町ピッツバーグでダンサーの夢を追う18才の少女アレックス。エキサイティングなダンスに彩られ、アイリーン・キャラの歌う主題歌「ホワット・ア・フィーリング」も大ヒットした青春映画。
監督:エイドリアン・ライン 出演者:ジェニファー・ビールス(アレックス・オーウェンズ)、マイケル・ヌーリー(ニック・ハーレイ)、リリア・スカラ(ハンナ・ロング)、サニー・ジョンソン(ジニー・サボー)、カイル・T・ヘフナー(リッチー)ほか
映画「フラッシュダンス」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「フラッシュダンス」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
フラッシュダンスの予告編 動画
映画「フラッシュダンス」解説
この解説記事には映画「フラッシュダンス」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
フラッシュダンスのネタバレあらすじ:溶接工でダンサー
工場を経営するニックは部下とモービーズ・バーに行く。そこにあるのはビールやハンバーガーだけではない。女性たちのセクシーで独創的なダンスが売り物だ。マイケルは一人のダンサーに夢中になる。「社会保障番号174-63-1503」。マイケルはそのダンサー、アレックスが自分の工場で働いていることを教えられる。翌日彼は職場で初めて彼女に話しかけるのだった。彼女は溶接工として昼間働いている。倉庫を改造した部屋で犬のグラントと生活している。モービーズのウェイトレスでプロ・スケーターを夢見るジニー、やはりモービーズでハンバーガーを焼く、ジニーの彼氏でコメディアン志望のリッチーが友達だ。
フラッシュダンスのネタバレあらすじ:アレックスの夢
アレックスは実はバレエを踊ることを希望していた。バレエ団のオーディションに申し込もうと出かける。先に並んでいる志望者に受付の女性が応募用紙の説明をしている。ダンサーとして受けた教育や就いた仕事について書かなければならない。正式にバレエを習っていないアレックスは怖気づいて応募用紙をもらうことなく帰ってしまう。彼女は相談相手である引退したバレリーナのハンナを訪れる。バレエ団に行ったかと尋ねられるが、弱気を起こして帰ってしまったとは言えず、時間がなくていけないと答える。ハンナは「あなたは18歳。やってみなきゃ」と励ます。最初は「上司とはディナーをしないの」と言われてアレックスに相手にされなかったニックだが、ある日リッチーとアレックスがモービーズの外で近所のストリップ・クラブ、ザンジバーのジョニー・Cに絡まれたところを救ったことをきっかけにアレックスと付き合い始めることができる。
フラッシュダンスのネタバレあらすじ:決意するアレックス
ジニーはスケートの競技会に出場するが転倒を繰り返してアイス・ショー出演の夢を断たれる。リッチーはコメディアンになるためにロサンゼルスに向かう。
その一方でアレックスはニックとの関係を深めていった。ベッドの上でアレックスはニックに、元妻と別れて人生をやり直す時にどうやってそうしたのかをきく。「深呼吸をしてジャンプしたのさ」。アレックスはついに勇気を出してバレエ団のオーディションの応募用紙を受けとった。
フラッシュダンスの結末:オーディションへ
モービーズで主人のモービー自ら着ぐるみを着て出し物をしているところに、ロサンゼルスで仕事のなかったリッチーが帰ってくる。だがジニーは既にジョニー・Cと付き合い始めていた。アレックスはオーディションを受けることができるという通知を受け取り大喜び。だが、ニックがコネを使って書類審査に合格させたのだということに気付き激怒するのだった。アレックスが仕事を休んでいるうちにジニーはモービーズをやめてザンジバーのダンサーになってしまった。裸で踊っている彼女をアレックスはザンジバーから引きずり出す。どしゃ降りの中を帰る二人。家の外ではニックが待っていた。オーディションなんてもう受けなくていいと言うアレックスだが、ニックは、本当はオーディションを受けるのが怖いのだろうとアレックスの不安を見透かす。「夢をあきらめる時が君の死ぬ時だ」。アレックスはハンナの家を訪れるが、前日彼女が死んだことを知るのだった。試練を乗り越えてついにアレックスはオーディションに臨むことになる。オーディションで最初はよろめいてしまう。音楽をかけなおしてダンスを再開。最初は冷静に見ていた審査員たちも独創的なダンスに次第に圧倒されていく。会場から喜んで出てきたアレックスを待っていたのは、犬のグラントとバラの花束を抱えたニックだった。抱擁して喜びを分かち合う二人。
以上、映画「フラッシュダンス」のあらすじと結末でした。
この映画「フラッシュダンス」は、ダンスの中に青春のきらめく歓びと哀しみを綴った、青春映画の傑作だと思います。
「フラッシュダンス」という題名からは想像しにくいけれども、この映画は胸の奥にぐんと響き、心の中を一陣の爽やかな風が吹き抜けたような、そんな感じを抱かせる青春映画の傑作ですね。
舞台は鉄工業の街ピッツバーグ。昼は製鉄所の溶接工をしながら、夜は荒くれた男たちの集まるクラブで踊るヒロイン(ジェニファー・ビールス)。
彼女はいつの日かプロのダンサーになる日を夢見て生きています。
「フラッシュダンス」というのは、強烈なフラッシュ照明の中でポップのリズムにのる彼女のダンスの事であり、彼女の青春にきらめく歓びと哀しみであり、彼女を取り巻く人々が綴る人生そのものの事なのです。
ハンバーガーを焼きながら、コメディアンになる事を夢見てロサンゼルスに出て行く青年。
フィギュア・スケーターになろうと大会に出場しながら、緊張のあまり失敗し、やがてトップレス・バーへと落ち込んで行く女友達——–。
ヒロインにダンスの魅力を教えた恩師は、かつてはジーグフリード・ショーの花形だったのですが、遠い日の記憶を心に秘めながら、突然、孤独な死を迎えてしまいます。
彼女の夢は、未来へ向けたものではなく、過去の想い出をたどるもの。
このかつてのスターにとっては、人生そのものが”フラッシュ照明”のようなものなのです。
この映画が「フラッシュダンス」という題名のもとに描こうとしているのは、光と影がまさに競い合って流れて行く人生そのものなのだと思います。
一人一人の若者が、それぞれの夢に向かって生き続ける中、瞬時の孤独に耐えかねて道を踏み外して行く人生の哀しさ——–。
ヒロインが住んでいるガランとした工場跡のような建物は、その”青春の象徴”のようにすら思えてきます。
しかし、フラッシュのような人生であればこそ、青春の時、いや人生のどんな状況にあっても、この”燃焼の白熱光”が美しくまぶたにしみる筈なのです。
映画の中で、ある人が言います。「夢を捨てるのは死ぬ事—-」。
夢とは、”人生の大きな輝き”であり、”明るい希望”なのだと思います。
撮影当時、エール大学の一年生だったジェニファー・ビールスをヒロインに据えて、目の覚めるような新鮮な女性像を創ったエイドリアン・ライン監督は、自分自身の映像作家としての夢をも、この映画に賭けているのだと思います。
そして、永遠に歌い続けられる名曲となった、この映画のテーマ曲も映画の感動と共に、私の脳裏にいつまでも焼き付いて離れません。