フライト・オブ・フェニックスの紹介:2004年アメリカ映画。映画『飛べ!フェニックス』(1965年)のリメイクで、「砂漠のど真ん中でたった一つのチャンスにかける10人の運命は…」というキャッチコピーのサバイバル・アクション・アドベンチャー映画です。
監督:ジョン・ムーア 出演:デニス・クエイド(フランク)、ジョヴァンニ・リビシ(エリオット)、タイリース・ギブソン(A・J)、ミランダ・オットー(ケリー)、トニー・カラン(ロドニー)、ヒュー・ローリー(イアン)、ほか
映画「フライト・オブ・フェニックス」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「フライト・オブ・フェニックス」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
フライト・オブ・フェニックスの予告編 動画
映画「フライト・オブ・フェニックス」解説
この解説記事には映画「フライト・オブ・フェニックス」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
フライト・オブ・フェニックスのネタバレあらすじ:起
ある砂漠の石油採掘所が突然、閉鎖命令を受けました。この本社命令を受け、輸送飛行機C-119を飛ばして来たのは、「シャットダウン・タウン」ことフランク・タウンズでした。現地責任者で紅一点のケリーは、この突然過ぎる本社命令にカンカンになり、フランクにくってかかりました。そんなケリーを鼻であしらい、フランクは現地スタッフと廃材をさっさと乗せて、帰国するため、輸送機を離陸させました。
離陸して数時間後、不幸にも輸送機は巨大な砂嵐に遭遇してしまいました。フランクは何とか急旋回などで乗り切ろうとしましたが、重量オーバーもあり、輸送機は操縦不能に陥り、遂に不時着してしまいました。そこはモンゴルのゴビ砂漠のど真ん中でした。輸送機は大破してしまい、広大なゴビ砂漠から歩いて脱出することも不可能で、フランクやケリーたち一同は本社からの救助を待つしかありませんでした。
フライト・オブ・フェニックスのネタバレあらすじ:承
しかし、輸送機にあるものはガラクタばかりでした。フランクたちは、本社も閉鎖した採掘所のスタッフである自分たちを救助するほど値打ちがないと気づき、救助の可能性は限りなく低いと思い始めました。そんなある夜、デイヴィスが外に用を足しに行ったきり、突然の砂嵐に遭い、発見されないまま死亡してしまいました。「このままでは…」、そんな動揺がメンバーの間に走りました。ロドニーとジェレミーは何とか歩いて脱出しようと、水を持って行こうとしました。必死で止めるフランクたちと水を巡り争いが起きかけました。その時でした。採掘所スタッフではない謎の男・エリオットが突如、「飛行機を作ろう」と言い出しました。自称「飛行機の設計者」のエリオットは自信満々で、疑念を抱くフランクに「設計は完璧だ。問題はパイロットの腕だ」と言い放ちました。初めは誰もが一笑しましたが、そんなエリオットの態度を見て、メンバーの中から「やってみるか」という者が出てきました。しかし、フランクは「何もしない。長く待つほど救助される確率が高まる」と言い、反対しました。
その翌朝、今度はリドルという男が黙って姿を消してしまいました。「もうこれ以上犠牲者を増やす事はできない」と、フランクが彼の捜索に向かいました。そしてフランクはある場所に辿り着きました。そこには輸送機が不時着前に落ちた男の無惨な遺体がありました。その遺体の周囲には薬莢が何発も落ちていました。何者かが遺体を試し撃ちの的にしたのでした。危険な賊がいるとフランクが思っていると、そこにリドルが現れました。リドルは「無駄骨は寿命を縮める」と言うフランクに、「人間に一番必要なのは、人を愛することだ。それが無理ならせめて希望がほしい。希望もないなら仕事を与えてくれ」と訴えました。フランクはリドルの言葉と気持ちに打たれ、飛行機を作る決心をしました。
何とかリドルを連れ戻ったフランクは、飛行機を作ろうとメンバーに呼びかけました。メンバーも、もはやそれしかないと判断し、エリオットの指示の下、飛行機を作ることを決意しました。「やっと分かってくれたね」と勝ち誇ったようなエリオットに、フランクは「お前の指示は受けないぞ」と釘を打ちました。
フライト・オブ・フェニックスのネタバレあらすじ:転
輸送機を解体し、新たな飛行機を作る作業は早速、その夜から始まりました。灼熱の日中での作業では飲み水が多量に消費されるからでした。新しい飛行機の名は「砂漠の不死鳥」という意味から「フェニックス」と名づけられました。メンバーは全員一致団結して、水や食糧の消費を計算しながら、機体を組み立てていきました。エリオットの指示の下、順調に翼を解体、接合するなどして組み立てていきました。しかし途中、不注意で燃料が爆発したり、突然の雷雨に襲われ、組み立て途中の機体への落雷で爆発の危機に陥るなどのトラブルが続きました。何とか乗り切ったものの、フランクはエリオットが飛行機技師であるにも関わらず、アースの事を知らないことに疑念を抱きました。
また更にエリオットが勝手に水を盗み飲んでいたことが明らかになりました。しかし、エリオットは「みんな寝ている間、僕は働いていた。僕はここの指揮官だから、部下に了解を得る必要はないはず」「僕は特別な存在」と言い放ち、不遜な態度を見せ始めました。メンバー内の雰囲気は最悪に陥っていきました。
追い打ちをかけるように更にトラブルが起きました。ケリーが怪しい集団を発見したのでした。フランクは盗賊団だと危惧しましたが、水を分け与えてくれるかもしれないと、地域の言葉を話せるイアンを連れ、AJとロドニーたちが交渉に行きました。しかし、その集団はフランクの危惧通り、攻撃的盗賊団でした。正体がばれた盗賊はロドニーを銃殺しました。傍で密かに見張っていたフランクと賊との間で銃撃戦が始まり、フランクは一人の賊を除き、撃ち殺しました。
しかし、その翌朝、フランクが撃ち殺したと思っていた賊の一人が辛うじて生きていました。対処に困ったケリーがその賊を運んできましたが、エリオットはその賊を「どうせ生きていても、水がもったいない」と言い、いとも簡単に銃殺してしまいました。フランクはそんなエリオットを激しく咎めました。しかしエリオットの存在は、フランクたち全員にとって、なくてはならいものとなっていました。
「もう興味がないんだ。君たちはもう当てにできないし」と吐き捨てるエリオットを、ケリーたちはなだめようとしました。そんなケリーたちの足元を見るように、エリオットは全員に謝罪を要求しました。ケリーたち全員から謝罪を引き出したエリオットは、フランクに「ここの指揮官は誰だ」と迫りました。渋々、フランクはエリオットに「君だ」と言い、謝罪しました。その言葉を聞き満足したエリオットの指揮の下、フランクたちは飛行機を完成させる作業に取り組みました。その様子を遠方から見張る者がいました。それは逃した賊が呼んだ盗賊団の仲間でした。フランクは「俺たちが弱るのを待っている」と読みました。
フライト・オブ・フェニックスの結末
エリオットの指揮の下、ようやく「フェニックス」が完成しました。しかし、ここでとんでもない事実が明らかになりました。なんとエリオットは本物の飛行機技師ではなく、模型飛行機の会社のデザイナーに過ぎなかったのでした。そんなエリオットの指示で作り上げた飛行機はタダの巨大なオモチャに過ぎませんでした。フランクは途方にくれ、騙されたと憤ったイアンは、エリオットを銃殺しようとしました。エリオットは「僕の飛行機は飛ぶんだ!」と訴え続けました。一触即発の事態の中、砂嵐がやってきました。すると、なんと飛行機が浮き上がりそうになったのでした。それを見たフランクたちは驚き、考えを改めました。「ほら見ろ!」とエリオットは得意満面でした。
砂嵐で飛行機がオモチャではない事が判明しましたが、機体は砂の中に埋まってしまいました。「せっかく作ったのに…」と失意するメンバーに、フランクは「自信を持て!俺たちはクズじゃない!」と元気づけました。フランクの言葉で、メンバーたちはなんとか奮起し、機体を砂の中から掘り出しました。そしてついに、フェニックスのエンジンを始動させる時が来ました。その起爆剤は5つしかありませんでした。しかし、3つ使ってもエンジンは始動しませんでした。あと残り2つで、フランクは1つをシリンダー掃除のために使いました。エンジンから炎が噴き出しました。あと1つが起爆し、もうだめかと思われましたが、ついにエンジンが始動し、プロペラが回り始めました。
メンバーたちは歓喜しました。フランクは操縦席に乗り、メンバーたちは翼にかけ乗って、寝そべりました。その時でした。ついに、丘の上から様子をうかがっていた賊たちが襲ってきました。フランクは崖に向かって、プロペラ機を走らせました。執拗に追ってくる賊から必死に逃げながら、フェニックスはついに崖から飛び出しました。機体は崖から落下しましたが、見事に風に乗り浮き上がりました。メンバーは狂喜しました。フェニックスはメンバーたちを乗せ、そのまま広大な砂漠上空を安定して飛び続け、都市部まで辿り着きました。
その後、「シャットダウン・タウン」と呼ばれたフランクは、「フェニックス」という名の航空会社を立ち上げました。そして、エリオットはNASAの期待の星として、有名な航空技師をなったのでした。
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