ロスト・メモリーの紹介:2012年ドイツ映画。25年ぶりに再会した幼馴染クラリッサとともに思い出の島にバカンスにやってきたハンナ。どこか不穏な空気に包まれる島に滞在するうちにハンナは失われた恐ろしい記憶を思い出しはじめます。2012年のヴェネチア国際映画祭アウト・オブ・コンペティション部門に正式出品され話題を呼んだドイツ発のサスペンス・スリラーです。
監督:アレックス・シュミット 出演者:ミナ・タンデル(ハンナ)、ラウラ・デ・ベーア (クラリッサ/マリア)、カタリナ・タルバッハ(ガブリエラ)、マックス・リーメルト(マーコス)、クレーメンス・シック(ヨハネス)ほか
映画「ロスト・メモリー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ロスト・メモリー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ロスト・メモリーの予告編 動画
映画「ロスト・メモリー」解説
この解説記事には映画「ロスト・メモリー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ロスト・メモリーのネタバレあらすじ:起
幼い娘レアを育てながら医師として働くハンナはある夜夫ヨハネスとディナーに出掛けます。ヨハネスはハンナの誕生日をサプライズで祝ってくれますが、ハンナは夫が浮気をしているのを知っており、素直に喜ぶ気にはなりません。そこへ呼びだしがかかり、ハンナは救急の患者を診るため病院へとやってきます。過剰な薬物摂取により意識不明で運び込まれてきた女性はハンナの幼馴染クラリッサでした。目を覚ましたクラリッサは眠れず睡眠薬を飲みすぎてしまったことを告白します。二人は偶然の再会を喜び、長い間の空白を埋めるように親密さを取り戻していきます。夫婦関係に悩むハンナを元気づけたいクラリッサは子供の頃遊びに行った島で休暇を楽しまないかと提案します。そこはハンナとクラリッサが家族とともに何度もバカンスで訪れた思い出深い場所です。ハンナはレアを連れてクラリッサとともに島にやってきます。
ロスト・メモリーのネタバレあらすじ:承
三人はコテージにしばらく居住することになりましたが、コテージの管理人ティムはハンナ達を歓迎していない様子です。村の魚屋に行くと女主人ガブリエラがハンナのことを覚えていましたが、ハンナはガブリエラと会った記憶がありません。さらにクラリッサから昔のアルバムを見せられると、見覚えのない少女が一緒に写真に収まっていることに違和感を覚え始めます。クラリッサは一緒によく遊んだ島の少女マリアだと説明しますが、ハンナは少女にまったく見覚えがないのでした。翌日三人は仲良くなった島の青年マーコスの運転で船に乗ります。ハンナはマーコスにマリアという少女を知っているかと尋ねると、マリアはガブリエラの娘だったが、子供の頃に行方不明になり死んでしまったと答えるのでした。散策を楽しむ三人でしたが、森の中の廃墟を見つけたハンナは子供の頃のある光景を思い出しはじめます。廃墟はハンナとクラリッサの秘密の遊び場所でした。そこでハンナはある物語をクラリッサに語って聞かせたことがありました。それは遠い昔のことある村に年を取らない少女がいて、村人達が気味悪がって洞窟には閉じ込めてしまったという物語です。空想から生まれた他愛のない怪談話でしたが、ハンナはその話をクラリッサだけではなくマリアにも聞かせたことを思い出していきます。記憶を断片的にしか思い出せないハンナはクラリッサからマリアの身に何が起こったのか聞き出そうとしますが、クラリッサは多くを語ろうとしません。忘れてしまった記憶を取り戻すためハンナは閉鎖された廃墟に入っていきますが、そこでマリアの身に起きた悲劇を思い出します。
ロスト・メモリーのネタバレあらすじ:転
いつものように三人で遊んでいたあの日マリアは廃墟の地下の穴に落ちてしまいます。マリアを助けることができなかったハンナとクラリッサは大人達から責められることを恐れ、彼女のことを黙っておこうと約束したのでした。いつしかマリアの幻影に悩まされるようになり、ハンナはこの恐ろしい島を一刻も早く離れたいと思うようになります。翌日レアを連れて帰ることを決め、クラリッサの反対を押し切ってコテージを出ていきます。しかし船は欠航していて島を出ることができません。マーコスに助けを求めますが、エンジンが故障しているため明日以降でなければ船は出せないと告げられます。不安を募らせるハンナにマーコスは彼女の怒りを買ったのだから仕方ないと呟きます。マーコスが恐れているのはマリアのことでした。ハンナはマリアに小さな弟がいたことを思い出し、その弟こそがマーコスだということに気づきます。コテージに戻るとクラリッサは明日三人で一緒に帰ろうと優しくハンナを慰めます。その夜マーコスが船の修理が終わったことを告げにやってきますが、クラリッサはマーコスがハンナを襲いにきたと思い、彼を締め出します。翌朝ヨハネスに電話しようと外に出たハンナでしたが、水死したマーコスが引き上げられているところを目撃してしまいます。さらにレアがティムによって奪い去られ、小屋の中に閉じ込められてしまいます。ハンナとクラリッサはレアを助け出すためティムと戦いますが、逆上したティムがクラリッサの首を絞め始めます。ハンナはティムを斧で襲撃しますが、ティムの反撃にあい、頭を打って気絶してしまうのでした。
ロスト・メモリーの結末
ハンナが目を覚ますとそこにはガブリエラが佇んでいました。ガブリエラはお前が優しかったマリアを怪物にしたのだと語り始めます。ハンナはクラリッサの正体がマリアであり、復讐を遂げるために自分に近づいたことを知ります。ハンナへの復讐を止めようとする弟マーコスを殺害し、ハンナにティムを殺すように仕向けたのもマリアでした。さらにハンナの元に現れた少女の幻影を演じていたのはマリアの実の娘でした。マリアはハンナを精神的に追い詰めるため娘を幽霊に仕立て上げたのです。レアの身にも危険が迫っていました。マリアがレアを連れて廃墟にいることを突き止めたハンナでしたが、辿り着くとレアは地下の穴の中で眠らされていました。マリアはハンナ達に裏切られ置き去りにされたせいで精神を病んだこと、憎しみだけを糧に生きてきたことをハンナに告白します。あの日マリアにロープをつたって地下の穴に降りるよう指示したのはハンナとクラリッサでした。ほんの悪ふざけですぐにマリアを助け出すつもりでしたが、途中でロープが切れてしまい、再び穴に落下したマリアは気を失ってしまいます。マリアを殺してしまったと思い込んだ二人はその場から逃げ出してしまうのでした。地下の穴に置き去りにされたマリアはティムやガブリエラによって助け出され一命を取り留めたものの、その後精神を病み世間から身を隠すように生きてきました。大人になったマリアはクラリッサが自殺したことを知ると、彼女になりすましハンナに復讐する計画を思いついたのでした。過去のあやまちを思い出したハンナは必死にマリアに許しを請いますが、マリアはレアとともにハンナを地下の穴に葬るのでした。病院でハンナが目を覚ますと傍らにはヨハネスの姿がありました。レアも無事であることを聞き胸をなでおろすハンナでしたが、ヨハネスはティムの殺害やレアの事故は精神を病んだハンナによる犯行であると思い込んでいます。マリアの復讐はなおも続いていて、ハンナを精神病患者に仕立て上げ、さらにはヨハネスの家に住み着くことに成功します。しかしマリアにもやがてレアからの復讐が襲いかかろうとしているのでした。
以上、映画「ロスト・メモリー」のあらすじと結末でした。
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