フリーキッチンの紹介:2013年日本映画。料理がまずいと散々ののしられ、会社の若い女を連れ込まれて料理を教えられた母が、父と女を殺して肉料理として息子・ミツオに振る舞って以来、ミツオの夕食は毎日人肉でした。そんなミツオに恋人ができたことから母の嫉妬がはじまり・・・という内容のカニバリズムを題材にしたホラーコメディです。コメディとはいっても、笑える内容ではありません。
監督:中村研太郎 出演者:延増静美(キョウコ)、森田桐矢(ミツオ)、大貫真代(カナ)ほか
映画「フリーキッチン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「フリーキッチン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「フリーキッチン」解説
この解説記事には映画「フリーキッチン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
フリーキッチンのネタバレあらすじ:起
もうすぐ17歳の高校生ミツオは、今日も母・キョウコの肉料理を食べています。ミツオの味覚は鋭く、この肉が30代の男と20代の女が混ざっていると考えながら賞味します。
今は母と二人暮らしのミツオには、小学生の頃父がいました。父は、母の料理がまずいといちいち文句をつけ暴言を吐いています。やがて父は会社の同僚と称する藤川という若い女性を連れて帰ります。父が「女房に料理の作り方を教えてやってくれ」と一方的に言うと、藤川は「奥様が教えてほしいと言うから来たのに、話が違うから帰ります」と言います。
父は藤川をなだめ、目の前で母をバカ扱いしますが、母は我慢して藤川の料理の指導を受け始めます。月数回の指導を受けていたある日、ミツオはキッチンで母が、父と藤川を包丁で殺しているのを見てしまいます。
その日から母の肉料理が始まったのです。ミツオがこの肉が人肉だと気付いたのは、しばらくしてからで、深夜冷蔵庫を開けると解体された人間の肉を見た日でした。
フリーキッチンのネタバレあらすじ:承
スーパーで買い物をする母は、前を歩く太った中年女性が財布を落としたのを見つけ声をかけます。中年女は感謝の気持ちで、「食事でもどうですか?」と誘いますが、母は食材として興味がないので応じませんでした。そんな母は何処からともなく、人を家に呼びこみ、麻酔注射で動けなくしバスルームで殺害し解体します。
ミツオは同級生のコジマらに絡まれ、いつも金を要求されています。メンバーには小学生時代に一緒によく遊んだ同じマンションのハヤシもいますが、ハヤシもまたコジマと同調してイジメでいます。
ミツオは家でトカゲを飼い、絵を描くのが趣味で、学校帰りにはいつも水生ペットショップのカメを眺めています。ある日、店の店員のカナが声をかけてきます。女の子と話したこともないミツオは、気さくに優しく話すカナに魅かれ、ペットショップに通いはじめ、仲良くなります。
歯科医を開業する母・キョウコは助手の帰ったある日、ニューハーフの男を治療した後、麻酔薬を注射し食材として持ち帰ります。
フリーキッチンのネタバレあらすじ:転
自宅に帰ったミツオは今日も母の肉料理です。食べた瞬間、男でも女でもない肉に食べるのを止めてしまいます。このころからミツオはカナの事が気になり食欲もなくなっていました。
翌日ペットショップに入ると、カナが「今から昼食だから公園に行こう」と誘います。カナの弁当の冷食のミートボールと卵焼きを食べた時、普通に美味しい事に感動してしまいます。カナとデートの約束をしたミツオは、自宅に戻りますが、カナの事で頭がいっぱいで母の肉料理には手を付けなくなります。
母は「ハヤシくんにいじめられているの、昔はよく遊んだのに」と話しかけますが、ミツオは答えません。無理やり肉を食べらされたミツオは吐いてしまいます。その肉は犬を飼っているマンションの女性の肉でした。
ミツオの17歳の誕生日の水曜日、カナとデートです。爬虫類のショップで楽しみ、レストランでお互いの似顔絵を描いて話をします。楽しい時間もあっという間に過ぎ「もう帰る」とミツオが言うと、カナは「家でお祝いしてあげる」と誘いますが、ミツオは「今度必ず行く」と言って店を出ました。
フリーキッチンの結末
母はハヤシに注射を打ち部屋に連れ込んでしました。ミツオが帰ると母はいなくなっていて管理人が訪ねてきます。「犬を飼ってる女性が行方不明で、近くで人骨もたくさん見つかっている。何か知っていたら教えて」と言います。ミツオは「お母さんが殺して僕が食べた」と言いますが、管理人は信用しませんでした。
ミツオはバスルームで縛られています。目を覚ますと目の前にカナが倒れています。ミツオが「僕の友達に何するんだ」と叫ぶと母は「今日は誕生日でしょう。ミツオの好きな子なら、食べて一緒になりなさい」と言います。
その時、カナが起き上がって母を殴ると、ミツオを解放します。カナを逃がそうとしますが、母が迫ります。ミツオが「僕の大事な人だ」と言うと、母は「お母さんより大事なの」と怒鳴ります。その時、背後からカナが母を刺します。ミツオも正面から母を刺します。
こうして母を殺し、二人の誕生日パーティーが始まります。カナは「お母さんの料理をこっそり見たの」と言って、肉の唐揚げを作ります。食べたミツオは「お母さんの味だ」と言ったのです。
自宅の帰ったカナに母が「夕飯は」と言います。「食べてきた」と言うカナに「脂の乗った男の生姜焼きだったのに」という母の顔は、母・キョウコがスーパーで拾った財布を渡した太ったおばさんでした。カナの家もまた人肉を食べる家族だったのでした。
以上、映画「フリーキッチン」のあらすじと結末でした。
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