毛皮のエロス/ダイアン・アーバス 幻想のポートレイトの紹介:2006年アメリカ映画。ドキュメンタリー写真の異才、ダイアン・アーバスを題材にしたオマージュであるこの作品はフリークスに引かれた女性写真家の内面をミステリアスに描いた作品です。
監督:スティーヴン・シャインバーグ 出演:ニコール・キッドマン(ダイアン・アーバス)、ロバート・ダウニー・Jr(ライオネル)、タイ・バーレル(アラン・アーバス)、ハリス・ユーリン(デヴィッド・メネノフ)、ジェーン・アレクサンダー(ガートルード)、ほか
映画「毛皮のエロス」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「毛皮のエロス」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
毛皮のエロス/ダイアン・アーバス 幻想のポートレイトの予告編 動画
映画「毛皮のエロス」解説
この解説記事には映画「毛皮のエロス」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
毛皮のエロス/ダイアン・アーバス 幻想のポートレイトのネタバレあらすじ:起
1958年、ニューヨーク。裕福な両親のもと育ち、ファッション・フォトグラファーのアラン・アーバスの妻として撮影の助手をしていたダイアン・アーバスは2人の娘にも恵まれ不自由のない生活を送っていましたが、居心地の悪い不安を常に抱えていました。アランも彼女の不安な気持ちを察し助手を辞めてダイアン自身が昔買ったカメラで学校に行くことを勧めますが彼女は子供のことも考えアランの提案を断ります。そしてある晩、彼女の家の上の階にライオネルと言う男が引っ越してきます。彼は目と鼻の部分だけが空いている不思議な形のマスクで頭を覆いコートで全身を隠した奇妙な出で立ちで引っ越しの業者と外で立ち話をしていました。その様子を窓越しに見つけたダイアンはライオネルの奇妙な姿に釘付けになります。翌日アランの撮影の手伝いをしていたダイアンに長女のグレースは洗面台の水が流れないと言います。ダイアンが排水管を見てみるとそこには大量の毛がつまっていました。ダイアンは驚きながらも排水管の掃除を終えゴミを捨てに下におりるとライオネルの部屋の呼び鈴が目に入ります。ダイアンは排水管のこともあったので恐る恐るボタンを押し2人は初めて言葉を交わします。そしてその晩どうしてもライオネルのことが気になったダイアンはカメラを持ってライオネルの家を訪ねます。相変わらず全身を隠したライオネルの奇妙な格好にダイアンは息をのみますが、ダイアンはライオネルの写真を取らせてほしいと言います。するとライオネルは明日の夜9時に来るようにダイアンに言います。
毛皮のエロス/ダイアン・アーバス 幻想のポートレイトのネタバレあらすじ:承
翌晩ダイアンがライオネルのもとを訪ねるとドアは空いているものの肝心のライオネルの姿がありません。奥で物音がしたのでダイアンは音がしたほうへと向います。部屋へと続く廊下には沢山の写真が飾られているもののそこに写るのは顔に大きな痣がある男性や全裸の女性とどこか不思議でミステリアスな写真ばかり。そしてダイアンが足を進めて行くとそこには人食いの獣として見せ物にされるライオネルの映像が流されその映像にダイアンは衝撃を受けます。その映像が終わると別の部屋からやかんのお湯が沸く音が。また音のするほうへと足を進めるダイアン。するとそこには「お茶をどうぞ」というメモとティーセットが、ダイアンはその指示通りお茶を入れていると目の前に双眼鏡が吊るされた窓が目に入ります。窓から双眼鏡を覗いてみるとちょうど両腕のない女性の部屋が見え彼女が足でティーカップを持ちお茶を飲んでいる最中でした。すると急に電気が消され驚いてダイアンが振り向くとそこにライオネルの姿が、しかしライオネルはダイアンに目を閉じて窓のほうを向くように言いそしてカメラも外して机の上に置くよう言います。ダイアンは指示に従いますが服を脱ぐよう言われ焦ってライオネルに家に帰ると言います。ライオネルはダイアンに謝り彼女から離れ椅子に腰掛けます。ダイアンが恐る恐る振り向くとそこにはマスクをはずしたライオネルの姿が。彼は全身を毛で覆われ、顔も目のまわりから鼻の頭まで長い毛で覆われた多毛症だったのです。ダイアンはライオネルの姿に驚いたものの本当の彼の姿が見れた喜びかどこか嬉しそうに彼に向き合います。そしてライオネルはダイアンに自分の話をするよう言います。一晩中ライオネルと語ったダイアンはいつの間にか眠りに落ち朝になり慌てて家へと戻り何事もなかったかのようにアランの眠るベットへと入ります。
毛皮のエロス/ダイアン・アーバス 幻想のポートレイトのネタバレあらすじ:転
翌日ダイアンはアランに仕事を辞め写真を撮ろうと思っていることを伝えます。アランは快くダイアンの願いを受け入れダイアンは近所の人の撮影と言い、夜になるとライオネルのもとを訪ねるようになります。ダイアンはライオネルが見せてくれる世界に魅了され刺激を受けますが、アランのほうは快諾したものの家事も疎かになり変わっていくダイアンに不信感を抱き始めます。そしてある晩ライオネルはダイアンにアランに会わせて欲しいとお願いします。ライオネルの姿を見て驚きを隠せないアランでしたが、ダイアンの願いということで仕方なく一緒に過ごします。更にライオネルはダイアンの娘とも会い次女のソフィーはライオネルのことを気に入ります。そしてダイアンはライオネルと彼の友人を自宅に招きパーティーをするもののアランとグレーシーはこのことを受け入れられず夫婦間の関係は悪くなっていきます。そんな中ダイアンのバースデーパーティーが開かれダイアンは実家でのパーティーにライオネルも招待します。しかしそこでダイアンはライオネルの命が長くないことを聞かされショックを受けます。更にはライオネルと親密そうに話していた様子をアランに見られてしまいダイアンはアランにライオネルとの関係のことや家事、育児に手が回っていないことを責められライオネルとの関係を終わりにすることを決意しライオネルのもとへと向います。
毛皮のエロス/ダイアン・アーバス 幻想のポートレイトの結末
ライオネルの家を訪ねたダイアン。するとライオネルは自分の身体を覆う毛を剃り落として欲しいとダイアンに頼みます。ダイアンは彼からの申し出を受け入れライオネルの毛を剃り落としていきます。全ての毛を剃り落しライオネルの素顔も露になり2人は結ばれ一夜を共にします。翌朝ダイアンはライオネルに何故毛を剃らせたのかたずねると彼は海に泳ぎ出そうと思っていると彼女に告げます。そしてその最後をダイアンに見届けて欲しいと頼みます。この言葉にダイアンはショックを受けますが2人は海に行きダイアンはライオネルの最後の姿を見届けるのでした。家に戻ろうと扉に鍵をさすダイアン。しかし思い返しライオネルの家に行き共に過ごしたベッドに横になります。するとそこにライオネルの友人達がやってきてダイアンにアルバムを渡します。アルバムをめくるとそこには写真はなくただずっと「題未定」と書かれたキャプションがページをめくるごとに貼ってあり、そしてその作者の部分にはダイアン・アーバスと記されていています。それを見たダイアンは自分の興味のそそられる被写体に会いに行く決意をするのでした。
以上、映画毛皮のエロス/ダイアン・アーバス 幻想のポートレイトのあらすじと結末でした。
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