GAGARINE/ガガーリンの紹介:2020年フランス映画。パリの郊外に実在するガガーリン団地に母を待つ主人公ユーリが、団地の取り壊しに反対し滞在し続ける様を描いた作品。本作がスクリーンデビューとなるアルセニ・バティリが、デビューとは思えない質の高い演技を披露しています。
監督:ファニー・リアタール&ジェレミー・トルイユ 出演:アルセニ・バティリ(ユーリ)、リナ・クードリ(ディアナ)、ジャミル・マクレイヴン(フサーム)、ドニ・ラヴァン(ジェラルド)、フィネガン・オールドフィールド(ダリ)、ほか
映画「GAGARINE/ガガーリン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「GAGARINE/ガガーリン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
GAGARINE/ガガーリンの予告編 動画
映画「GAGARINE/ガガーリン」解説
この解説記事には映画「GAGARINE/ガガーリン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
GAGARINE/ガガーリンのネタバレあらすじ:起
フランスはパリ郊外にあるガガーリン団地。人類初の有人宇宙飛行士となったユーリ・ガガーリンに由来する名前を持ったこの団地で、ユーリは一人で暮らしていました。母親は恋人と一緒でほとんど帰ってきません。
ユーリには宇宙飛行士になる夢がありました。いつも天体望遠鏡で地上を観察し、人々の生活を見ています。
2024年のパリオリンピックを控え、このガガーリン団地も取り壊しの噂が流れます。幼い頃からここで暮らしたユーリは取り壊して欲しくないと思っていました。ユーリは団地を見て回り、どうにか補修や修理をしようと考えましたが、それには金がかかります。
しかしユーリは、親友のフサームと後に加わったディアナという少女と、できる限りのことはしようと動き出しました。
ある日、当局から職員がやってきてガガーリン団地の老朽化具合を調べに来たのです。職員が出した結論は、建物がかなり古びていて早急に取り壊す必要があるとのことでした。そして住民たちに退去するようにと命じます。
GAGARINE/ガガーリンのネタバレあらすじ:承
住民たちは一人また一人といなくなっていきます。フサームも家族が出ていくと決めたから出ていかざるを得なくなり、ユーリの面倒をよく見てくれていた女性も、ユーリの母親に迎えに来るように伝えたという言葉を残し、この場所を去り、南仏へと向かいます。
住民がどんどん減っていき、やがてユーリ一人になってしまいました。
ある夜、ユーリは遠くから見える白い光に気づきます。それはディアナからのモールス信号でした。団地に置いてあるクレーン車に忍びこみ、信号を送るディアナとユーリは会話を交わしました。ユーリが「僕も明日ここを出る」と送ると、ディアナはどこか不満気でした。
翌日になり、母親が迎えに来ると期待していたユーリでしたが、母親からの置き手紙がありユーリは連れていけないとのこと。落胆するユーリでしたが団地を出ていくのをやめようと決意します。解体作業は進んでいきますが、作業員の目を盗んで生活を続けます。そしてユーリは無人の部屋を改造し始めたのです。
GAGARINE/ガガーリンのネタバレあらすじ:転
しばらくして久し振りに会ったディアナを、完成した部屋に連れていきます。水と電気を確保し、ビニールシートでビニールハウスを作り、野菜の栽培を始め、ユーリの大好きな宇宙船のように仕上げた部屋に、ディアナも大喜びです。それからディアナはユーリにとって唯一の支えとも言える存在になっていったのです。
やがて強制立ち退きが進み、唯一の支えだったディアナも家族と共に去っていきます。季節は進み冬になり寒さが厳しくなってきました。解体作業は少しずつ進み、アスベストが舞い上がる状況でしたが、ユーリはまだそこにいました。真っ白になりながら時折咳をしています。
ついに解体作業が本番を迎え、仕掛けられていた爆薬を爆破させる日がやってきました。かつての住民たちも一目見ようとやってきました。フサームやディアナもそこにきています。ディアナは必死でユーリを探しました。いないと知り、ディアナは作業員にまだ人がいると主張するのですが取り合ってくれません。
GAGARINE/ガガーリンの結末
カウントダウンが始まり、爆発…せずに8階の部分が点滅し始めます。これをユーリからのSOSだと読み取り、ディアナはユーリを探しに団地へと入りました。
そのころ、ユーリはオレンジのジャージを着てヘルメットを被り、団地の部屋にいました。やがて爆発が起こり、ユーリの体が浮きます。それが宇宙ステーションにいるように感じ、まるで宇宙船から地球を見るように外を見て微笑みました。
ユーリは屋上にあった大量のコードの中に埋もれるようにいました。ディアナが見つけて助けを呼びます。やがてディアナの父に抱えられ、ユーリは助け出されます。その後、横たわっていたユーリは、かすかに目を開けると笑顔をみせるのでした。
以上、映画「GAGARINE/ガガーリン」のあらすじと結末でした。
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